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ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 32:少し驚く。｢親が決めた婚約者ですからそうなるのも無理ないでしょうけど…旦那様はよくナタリア様との約束を適当な理由を付けてすっぽかしたりしていましたし…ここ最近は全く彼女の話も聞きませんでしたから…てっきり…｣意外だな、ミリアル。
2013-12-22 01:28:44
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 33:｢…どうしてそこまで嫌がる？ひょっとしてものすごく嫌な女なのか…？｣｢…はい｣嘘だろ。そんな風には見えなかったぞ。｢絵に描いたような良い方で、逆にそれがものすごく嫌です｣…そういう意味での嫌なやつか…
2013-12-22 01:31:49
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 34:｢同性の私が言ってもひがみにしか聞こえないかもしれませんが…ナタリア様は。親が決めたことに一切逆らいません。婚約者に関しても。旦那様のように逆らったりしません。…おそらく彼女は本当に旦那様を好いていらっしゃるのでしょうけど…｣…。
2013-12-22 01:35:14
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@darkmoon_souji
@sousakuTL 35:｢旦那様が約束をすっぽかしても怒ったりしません。仕方ないって言って笑うような人です。全くワガママを言いません。穏やかで、控えめで、自分の意見を言わない…女性らしいけども私にはすごく不気味に感じられます｣…うん…俺でも不気味だと思った…
2013-12-22 01:38:14
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 36:｢そんな人だからきっと…人の良い旦那様はきつく言えないんだわ…｣独り言のように彼女は言った。ま…まぁ…俺には関係ないこと…だよな？さぁ。洗濯洗濯。｢…リン様？｣｢な、なんだよ｣洗濯物を干そうと手に取ると、言いづらそうにマリーは言った。
2013-12-22 01:41:45
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 38:部屋の空気が重苦しい。どちらも一言も話さずただ時間だけが過ぎる。…手紙の返事をしなかったのがいけなかったのか…｢あの…｣すると、彼女の方から話しかけてきた。｢すいません…急に…。てっきりお母様から聞いておられるかと…｣｢え？｣ちょっと待て。
2013-12-22 01:46:18
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 39:母がなんだって？｢…どういうこと？｣｢す、すいません…。私の父がいきなり…あなたに会いに行けと…。それで一応あなたのお母様に連絡をしたら…伝えておくからと…｣…全く聞いていないぞ…そんなこと…
2013-12-22 01:48:15
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 40:｢…母とは｣余計なことをしてくれる…｢もう長いこと一緒に暮らしていない。今は一人で隠居生活を楽しんでる。だから…僕のことで母に連絡を取るのはやめてもらえますか｣｢…ごめんなさい…｣あぁ…またこうやってすぐに謝る…
2013-12-22 01:50:54
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@darkmoon_souji
@sousakuTL 41:僕が悪いみたいじゃないか…｢そ、それにしても…ビックリしました…洗濯物…自分で干されるんですね…｣｢…。｣まだ聞きたいことはあるんだが。…わざと言わせないようにしてるのか…？｢一緒におられたのは…あ…あの方でしょうか…噂の…｣…それが知りたかったのか。
2013-12-22 01:55:20
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 42:｢とても…綺麗な人ですね…。洗濯物も…手慣れた感じに干していて…｣そりゃあ毎日やっていれば手慣れるだろう。あれは昔から彼の仕事の一つなんだから。｢…ミリアル様は…家庭的な方のほうがよろしいのですか…？｣我慢の限界だ。
2013-12-22 02:01:12
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 43:｢…そんなことをわざわざ言いにやって来たんですか｣｢ち…ちが…｣｢なるほど…そういうことか。僕に女ができたという噂がこの頃流れていますね。婚約者がいるにも関わらず…。あなたのお父さんは許せなかったんでしょうね。事実を知るためにここへ来たのでしょう？｣
2013-12-22 08:42:21
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 44:うつむいている。図星のようだ。嘘のつけない人だな…｢あなたがどう思っているか知りませんが、僕はあなたと結婚するつもりはない。適当な言い訳をして会わなかった理由もわかりますよね？僕は親の言いなりになるつもりはない。あなたのように｣
2013-12-22 08:45:57
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 45:彼女はうつむいている。泣きそうな顔で。というか泣くかもしれない。あぁ…面倒くさい…｢そ…それはやっぱり…あの方のほうが…いいからでしょうか…私なんかより…｣｢そういうことじゃない｣そもそもあの子は女じゃない。
2013-12-22 08:49:21
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@darkmoon_souji
@sousakuTL 46:｢僕は僕の好きなように生きたいんですよ。誰かに縛られるのは嫌だ。…僕は。婚約なんて最初からなかったものだと思ってますよ？｣｢…！｣彼女の瞳が揺れ動いた。ここで泣かれても困る。
2013-12-22 08:59:35
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@darkmoon_souji
@sousakuTL 47:｢今日はもうお引き取り願えますか。どうぞ、責めたくば責めればいい。僕はあなたと一緒になるつもりはない｣僕は席を立つ。｢あなたも親の言いなりばかりなっていないでもっと楽しんだらどうですか。僕よりいい人がいるでしょう｣｢あ…あなたじゃなきゃ嫌なんです！｣
2013-12-22 09:38:20
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 48:彼女が大きな声を出すのは珍しい。少し驚いてしまった。｢わ…私はあなたが好きです！私じゃダメですか!?｣｢…。｣何度言ったって同じだ。僕は何も言わずに部屋を出た。
2013-12-22 09:41:30
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@darkmoon_souji
@sousakuTL 49:聞こえていた。女はミリアルが好きだと言った。ミリアルは…何も言わなかった。｢驚きました…あの人があんな大きな声を出すなんて…｣マリーとこそこそ隠れて盗み聞きしていたが、聞こえたのは女の告白だけ。あいつは…どう思っているのだろう。
2013-12-22 09:45:33
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 50:ミリアルは早々に客間を出ていった。俺たちはその背中を見送る。｢…さ…さあ、昼飯でも作るかな…｣｢え…リン様…｣｢何が食べたい？お前の好きなもの何でも作ってやるぞ｣｢リン様｣｢何だよ｣｢キッチン…そっちじゃないです…｣｢…。｣
2013-12-22 22:07:37
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 51:気まずい空気が流れる。｢わ…わかってるよ…そんなこと…はははは…｣棒読みで笑って今度こそ、とキッチンへ向かうおうとした。…その時。｢…！｣部屋から出てきた例の女と目があってしまった。
2013-12-22 22:41:05
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@sousakuTL 52:マリーが慌てて頭を下げる。俺もつられて会釈する。彼女は泣き腫らした顔を隠すようにペコリとおじぎをして小走りで俺たちの前から去っていった。｢な…泣いてました…ね…？｣｢あぁ…｣あいつ、何を言ったんだ…？
2013-12-23 02:28:56
ホタテP@忙しい
@darkmoon_souji
@sousakuTL 53:昼食ができたと呼ばれたので行ってみると、ものすごい量の料理が並んでいた。｢な…何かおめでたいことでもあるの…？｣しかもなぜか使用人たちも座らされていた。｢何言ってるんだ。さっさと食べろ｣…静かな食事が始まった…
2013-12-23 09:56:54
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@sousakuTL 54:誰も何も…一言も喋らずに食べている。使用人たちはまぁ、遠慮してるだけかもしれないが…。｢…何かあった？｣何となくそう彼に声をかけた。｢…何かって何｣早口でそっけなく言ってまた黙った。
2013-12-23 10:00:22
ホタテP@忙しい
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@sousakuTL 55:何もわからないまま食事を終え、僕はまた書斎に引きこもる。いつもなら彼がコーヒーやら手作りおやつを持ってちょくちょく顔を出すのだが、今日は全く現れなかった。代わりにまりーがコーヒーを持ってきた。
2013-12-24 00:58:40
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@sousakuTL 56:｢…リン君は？｣マリーに聞いてみた。｢え!?キッチンにおられると思いますけど…｣｢様子が変な気がするんだけど、何か知らない？｣｢さ…さぁ…？｣マリーは首をかしげた。うーん…マリーも知らないか…
2013-12-24 01:06:44