俺の妹がこんなに可愛いわけがない 二次創作SS 京介と黒猫

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の二次創作 高坂家に泊まりにきた黒猫のお話 *深夜の突貫投稿につき、色々アレです。ご注意ください。 続きを読む
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恭一 @kyoichi562

「なあ、黒猫よ。一ついいか」「なに? 兄さん」「なんで風呂上りのお前が俺の部屋にいるんだよ!?」「あら、あなたの妹がどうしても家に泊まりにこいって言うから来て上げたのに……随分な言い草ね」「あぁ、たしかにそうだよ。親父も認めてるよ。だけどそれとこれとは違うだろ!?」

2010-10-05 00:33:10
恭一 @kyoichi562

「ふーん……どう違うのかしら」「ど、どうって……そりゃあ」「私はいつも通り、兄さんの部屋に来て、兄さんのベッドに寝転がっているだけよ?」「いつも通りじゃねええええ!! 今のお前は風呂上り! パジャマ!! なんかすごくいい匂いしてるし髪がキラキラ光ってて綺麗なんだよ!!?」

2010-10-05 00:38:18
恭一 @kyoichi562

「あ、あなた……自分で、なな何言ってるかわかってるの?」「あぁ、わかってるさ。何てったって俺の心の叫びなんだからな! 俺は黒髪好きなんだぁぁぁぁああああああああ!!!」「ば、莫迦じゃないの兄さん……でも、悪い気は……しないわ。だから――触るだけなら、許可してあげる」

2010-10-05 00:45:15
恭一 @kyoichi562

「い、いいのか……黒猫?」「か、髪を触るくらいで何を戸惑っているの? 私がいいと言っているのよ」「お、おう。じゃあ、触るぞ」「っ」「へぇー……き、気持ちいいな。絹みたい、って言うのか」「ピクン」「うん、柔らかくて……スゥスゥ……いい匂いだな」「あ、あなた何やって(ビクン」

2010-10-05 00:51:36
恭一 @kyoichi562

「どっか嗅いだ事ある匂いなんだよな……あ、そうだ。桐乃のシャンプーか! どうした黒猫? そんなに睨んで」「あなたね……この状況でどうして妹の名前を出せるのかしら?」「ど、どうしてって……だって、桐乃のシャンプー使ったんだろ?」「使ったわ。けど……そういう問題じゃないのよ兄さん?」

2010-10-05 00:57:54
恭一 @kyoichi562

「おわ! な、何すんだよ黒猫!?」「何をする? そうね……強いて言えば躾よ」「し、躾?」「ええ、そう。人の気持ちをちっとも理解しない兄さんへの、教育的躾よ」「お、穏やかに行こうぜ黒猫。ま、まずだな。その馬乗り状態を解除してもらってだな――」「無理よ」「ああ、さいですかー」

2010-10-05 01:12:14
恭一 @kyoichi562

「……」「……」「……」「……で、どうすんだよ?」「兄さんは黙っててちょうだい」「もう5分は黙ってたと思うんだけどよ」「う……」「別にいいんだけどよ。お前って全然重くないし」「兄さんって本当にデリカシーがないわね」「いや、本当だって。前に桐乃に馬乗りされたけど、お前の方が軽いよ」

2010-10-05 01:17:55
恭一 @kyoichi562

「桐乃……にも?」「あぁ、真夜中に寝てたら突然――て、く、黒猫さん?」「そう……そうなの」「あ、あの、何かすごくお怒りの様ですが一体何が」「クックック……滑稽ね。まさか、あなたの妹と同じことをしていただなんて」「そ、そうか?」「えぇ、そうよ。滑稽過ぎて魔力を抑えきれなくなりそう」

2010-10-05 01:23:18
恭一 @kyoichi562

「そ、そりゃあ大変だー……て、顔近い! 近づけ過ぎだ!!」「そんなことどうでもいいのよ。兄さん……あなたあの女に何されたの?」「何って……別にナニも」「正直におっしゃい。さもないと、私の魔力で研ぎ澄まされた漆黒の爪が、あなたを葬るわ」「だ、だから」「私に……そんなことさせないで」

2010-10-05 01:27:50
恭一 @kyoichi562

「黒猫……」「早く言って頂戴。兄さん」「……わかった。それじゃあ、言うぞ。本当のことを、言うぞ」「えぇ、言って」「……ビンタされた」「……誰が?」「俺が、桐乃に」「……あ、あなた達そんな趣味があったの?」「ねぇから! 絶対間違っても兄妹SMプレイとかねえから!!」

2010-10-05 01:31:40
恭一 @kyoichi562

「つまり……真夜中に、エロゲのことで人生相談をするために、あなたをはたき起こした、ということね」「要約すると……そうなる」「あなた達って……そうね。あなた達はそういう兄妹だったわね」「うん? どういう意味だよ?」「深い意味などないわ。それに、兄さんにはわからないわ」

2010-10-05 01:41:13
恭一 @kyoichi562

「なんだか馬鹿にされた気分なんだが黒猫さん?」「フッ……兄さんがそう思うなら、そうなのかもしれないわ」「お前な……まぁ、多分、そうなのかもな」「えぇ、きっとそうに違いないわ」「ははっ。それで、いつまでこうしてるんだ。さっきから、お前の綺麗な黒髪が頬に当たってくすぐったいんだけど」

2010-10-05 01:50:12
恭一 @kyoichi562

「兄さん……どちらの頬をビンタされたの?」「俺の質問は無視かよ」「いいから答えて頂戴」「へいへい。たしか、桐乃は右利きだから……左だな」「そう、左ね」「多分な。で、そんなこと聞いてどうすんだよ」「……呪いを、完成させるわ」「呪い? 呪いって何のこと――」「チュッ」

2010-10-05 01:57:50
恭一 @kyoichi562

「く、黒猫!?」「これで呪いは完成よ……兄さん。あなたは今から私の眷属。闇の化身たる私に永遠の忠誠を誓うの」「ちゅ、ちゅう誠って……」「何か違う気がするけど、まぁいいわ。私は寛大よ兄さん。だから――私の全てを、あなたにあげる」「黒猫……」「夜は、私の時間なのだから」 END

2010-10-05 02:15:14
恭一 @kyoichi562

【その後】「兄さん。汗をかいてしまったわ。一緒にシャワーあびましょう」「誤解を招くような言い方するな黒猫! 俺達は別にナニもしてねえし、一緒に風呂にも入らねえよ!!」「あら、そう。残念ね。兄さんに嘘はつかないのに」「うそ?」「言ったでしょ。私の全てをあなたにあげる、と――」

2010-10-20 00:56:51
恭一 @kyoichi562

「――ッ!?」夢から目が覚めた瞬間、視界に入ったのは兄さんの顔ではなくて、その妹の丸顔。『布団用意するのも面倒だし。特別にあたしのベッドで寝かしてあげる』その申し出を断って兄さんのベッドで寝る手もあったけれど、流石にお泊り会の主催者を差し置いてその兄と寝るのは拙い――

2010-10-20 00:57:11
恭一 @kyoichi562

そんな選択肢に気を取られている間に彼女はベッドに潜り込んでいた。ご丁寧に私の寝るスペースをあけて。そこまでされては断る方が面倒――そう自分に言い聞かせて私はベッドに横になる。「あんたって本当素直じゃないよね」「……うるさいわね」そんないつも通りのやり取りを私達は眠るまで続けた。

2010-10-20 00:57:31
恭一 @kyoichi562

顔は全然似てない兄妹……なのに強引なところは厭という程似ていて「それを拒めないのは、私の弱さね」でもその弱さが、すぐ隣に感じる体温が厭ではなくて、私はもう少し彼女に身を寄せて「いい夢を見なさい。桐乃」小さく、祈るように呟いて私は再び眠りに落ちた。 END

2010-10-20 00:57:55