ちずさん~その恐るべき生態の全貌に迫る~
朝の部
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住宅街の路地を単眼白色に耳が生えた謎生物のちずさんがモゾモゾと歩いていく。犬を連れたご婦人とすれ違うが、犬はちずさんから逃れようと終始必死でリールの限界まで遠ざかっていた。ご婦人曰く「あらちずさん、今日も大きな目玉ねえ」小学生の集団は後ろからちずさんに石を投げる。びくともしない。
2013-10-13 11:25:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ちずさんの目的地はコンビニだ。「これとこれとこれください」手がないので商品を掴むには舌しかない。やむをえず店員が指示に従って商品をレジにもってくる。支払いは瞼の裏から小銭が出てきた。「ありがとうございました」お姉さんは笑顔だが、レジ袋に入った商品をそのまま咀嚼するのはどうかと思う
2013-10-13 11:30:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
腹ごなしの終わったちずさんは職場へ向かう。炭鉱だ。中ではプリキュアにちんこを生やした罪で同人作家たちが強制労働をさせられていた。「そこに掘れるところあるよ」サボる受刑者に音もなく近づいて囁くのがちずさんの主な仕事である。ちずさんの囁きに反するものはいない。反した者は行方不明になる
2013-10-13 11:38:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
プリキュアにちんこを生やすのは大罪だが、ここの彼らは幸運である。アイカツにちんこを生やした不遜なものたちはイベント会場で周囲から殴り殺されて最初から居なかったことにされる。しかしちずさんに監視されるのとどちらがマシだろう?
2013-10-13 11:41:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
このような不条理がまかり通っているのは、泣いて嫌がる弟にアイコンを描かせたメシアが降臨して世界を粛清したからである。メシアは気まぐれだったが、その後ちずさんは世界に偏在し、人に掘る場所を指示し続けている。ケインズ経済学では穴を埋め戻すのも有効需要だが、ちずさんの穴は戻ったりしない
2013-10-13 11:45:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
一日の仕事を終えたちずさんは帰路へついた。途中、隣町をウニラザウルスが破壊している場面に遭遇したが、ちずさんには関係が無いので放置することにした。いつものことである。「あらちずさん、今日も大きな目玉ねえ」犬を連れたご婦人が上機嫌に挨拶するが、犬は必死でちずさんから逃げようとする。
2013-10-13 11:51:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ちずさんにかかれば掘れない場所などない。ちずさんが掘れるといえばそこには穴ができるのだ。世界からほもの不足は解消され、女子は喜び、男子は絶望した。その結果がアイカツちんこである。メシアが降臨しても世に歪は残されたままだ。でも大丈夫、人類はちずさんから掘ることを学んだのだから……
2013-10-13 11:54:16夜の部
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夜になった。ちずさんの部屋からはカーテンごしに淡い光が漏れ出している。ちずさんの白い身体が発光しているのだ、脱皮の前兆である。「一皮向けて良い男、一皮向けて良い男」呪文と共に巨大な目玉が白目をむき、脳天からぱっくりと亀裂が入った。発光は最高潮に達し肉眼で見ることはもはやできない。
2013-10-13 20:56:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
この脱皮に何の意味があるのか……悩めるちずさんは一人ごちた。身長も体重も変化せず、大きくなるのは目玉ばかり。脱皮した皮を干しながら、しかし乾燥させて火をつけて吸えばモクのかわりになるのは悪くないとも思ってる自分を発見した。いや待てよ、そんなことは試していない。今度やってみよう。
2013-10-13 21:02:34![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「やあ、ぼくはちずさんだ。君たちに穴を掘らせるのが仕事だよ」脱皮すると快眠快便だが、メカニズムが不明なのが不安で恐ろしかった。レントゲン写真では頭蓋の中は全て眼球で、脳が納まっていないという。ちずさんは恐れる、脱皮でこのまま目玉が巨大化して、目玉だけになってしまうのではないかと。
2013-10-13 21:06:12ちずさんの反応
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[深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ] この言葉。重く受け止めているようで、実は心のどこかで軽視していたのだ。じゃむ、その人は。 「のぞかれているから、なんだというのだ」 そう思っているのだ。いや、思っていたというべきか。
2013-10-13 21:13:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
例えば視線を向けられただけで、妙に高揚するときはないか? 例えば視線を向けられただけで、体が硬直してしまうときはないか? 例えば視線を向けられただけで、恐怖におののいてしまうときはないか? すべて自分自身の心理によって引き起こされている、ただの戯言だ、そう思っているのではないか?
2013-10-13 21:17:34※ちずさんの力は現実を浸食します
togetterではわからないけどこのときたしかにgovt_in_exileは「かつてのちずさんのアイコン」になっていたのです
こんな。
取材班はなんか脳に金属を埋め込まれていたのだった。
ちずさんを相手にするときは気をつけなければいけない。
ほら、あなたの後ろからも聞こえてくるのです。
「そこに掘れるところあるよ」という声が……