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その世界ではテッドさんはとある喫茶店のマスターで、イアたんはただの女子高生。 ある日、イアたんが道に迷ってテッドさんの店にやってくる所から物語は始まるのです。 お友達に教えてもらった店に行こうと思ってたイアたんは道を間違えて迷子になってたんですね。
2013-10-15 19:13:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
テッドさんの店はメイン通りから外れた道にあって、あんまり人通りもない。 道を聞くのと、疲れたので少し休みたかったイアたんはその店に入るのです。 店は静かな佇まい。お客さんもいなくて、マスターのテッドさんが煙草ふかしながらのんびり新聞読んでた。
2013-10-15 19:14:36![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
で、イアたんはそこでケーキと紅茶を注文するのね。そして出されたそのセットはびっくりする程美味しくて。 ケーキ屋さんのかな?って思って聞いてみれば、そのケーキはテッドさんが焼いたんだって言う。またまたびっくり。
2013-10-15 19:16:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうして道も教えてもらって、その店を後にしたイアたん。次の日、お友達に聞いてみても誰もそんな店は知らないって言う。 美味しいケーキ屋さんはみんな色々知ってるけれど、テッドさんのお店を知ってる人はまったくいなかった。 まあ、人気も無い通りなので知名度は全くないに等しい。
2013-10-15 19:18:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
んで。凄く美味しかったのでまたイアたんはテッドさんの店に行くんです。 日替わりのケーキセット。その日のケーキもまた凄く美味しくて。すっかりイアたんはテッドさんのお店が気に入ってしまったのです。 落ち着いた雰囲気と静かな空間。それも心を落ち着けてくれるから。
2013-10-15 19:19:05![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
何度も通いながら、時にはテッドさんとお喋りをしながら。そんな毎日を過ごしていく。 テッドさんはどんな話でも聞いてくれたし、相談すればちゃんと応えてくれた。 常連になり、店に顔を出せばテッドさんがいつも出迎えてくれる。それが嬉しくなっていく。
2013-10-15 19:23:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
もうその頃、イアたんはぼんやりとした恋心を持ち始めていたんだけど、本人はまだそれに気がついていない。 テッドさんに相談に乗ってもらったり、勉強を見てもらったり。時々、その店にちらほらとお客さんがくるけれど、その殆どは常連さんで。
2013-10-15 19:24:53![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そしてある時。いつものお礼がしたいってイアたんが言うのね。相談に乗ってもらったり、勉強見てもらったりしてるから感謝の気持ちとして。 テッドさん的には、イアたんはただいるんじゃなくて、いつもケーキセット食べて行ってくれるから別にそれがお礼みたいなもんだったけどw
2013-10-15 19:26:00![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
いらないって言ってもイアたんはしょぼん、ってするだけで。困ったなぁって思ったテッドさんはイアたんに、じゃあバイトでもしないか?って持ちかけるのです。 簡単な店の手伝いをしてほしいって。勿論、それにイアたんは飛びつくのでした。
2013-10-15 19:27:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
テッドさんの店はそんなに忙しくもない。お客さんもあんまり来ないから、基本的にやる事はない。けれど、掃除とか雑用は地味にあるわけで。 めんどくさいそれらの事をイアがやってくれれば助かる、って言うのです。 でも、バイト初めても店にはウエイトレスの制服なんてないわけで。
2013-10-15 19:28:44![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
どうするのかなって思ったイアたんに、テッドさんは服を渡すんです。女の子の服。 どうしてテッドさんがそんなの持ってるの?!ってイアたんはびっくり。もしかして彼女でもいるのかしらってもう内心どっきどき。 でも何も言えなかった。けど、それを受け取る気にもなれなかった。
2013-10-15 19:30:05![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
その後、イアたんが手作りのエプロンを持ってバイトに来る事に決定。お仕事用の動きやすい服を着て、テッドさんのお店にやってくるのです。 やる仕事は店の掃除と、食器洗い。そしてぽつりぽつりとやってくるお客さんの注文を取る事。基本的にはやっぱり暇。
2013-10-15 19:31:32![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
うちのイアたんは家事が好きな子なので、毎日掃除ばっかりでも全然気にならない子なのね。テッドさんが適当にしかしてなかったものを、ちょっとずつちょっとずつ磨いて、綺麗になった!って喜んでる。 そんなイアたんの様子眺めて、テッドさんも笑ってたりするんだけど。
2013-10-15 19:33:07![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
バイトとして働き初めてから、テッドさんとはさらに仲良くなっていく。 お店が終わる頃にバイトも終わるから遅い時間で。危ないからとテッドさんはいつも送っていってくれるのです。二人きりでいられるその短い時間が、イアたんは凄く楽しかった。嬉しかった。
2013-10-15 19:34:54![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
テッドさんが新作のケーキの試食って出してくれたり、コーヒーの飲めないイアの為に、苦手な子でも飲めるように甘いコーヒーを考えてくれたり。 そんな日々を過ごしていくうちに、イアたんはどんどんテッドさんに惹かれていくのです。相手は大人だし、って不安も抱えながら。
2013-10-15 19:36:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
恋心をはっきり自覚するのは、テトさんと出会ってから。 お店はテッドさんの家と繋がっていて、裏からひょこっと顔を出したテトさん。 居住スペースにいるって事と、一緒に暮らしてるって事がわかる二人の会話で、イアたんは心中穏やかじゃないのです。
2013-10-15 19:37:43![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そしてイアたんはテッドさんの事を何にも知らない事に気がつく。 今まで一杯お喋りしたり、相談したりしてきたけれど、テッドさんは自分の事を何一つ教えてくれた事はなかった。いつもイアの話を聞いてくれるだけ。 何にも知らないんだ、って気がついて物凄くショックを受けるのです。
2013-10-15 19:38:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
テトの事を聞きたくて、でも聞けなくて。そんなうろうろしてた時、テトさんがイアたんの不安と密かにテッドさんが好きって事に気がついてくれるんですが。 ただの姉弟だから大丈夫だよって。つか何も話してないテッドさんに、不安がらせてどうすんの!ってお叱り。
2013-10-15 19:40:22![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
それでホッとしたイアたんに、テトさんはこっそり耳打ちするんです。 片割れの事好きなんでしょ?って。びっくりするイアたんに、片割れの事を好きになっても苦しいよ?って忠告するのです。 テッドさんの性格と悪癖も、全部テトさんは知ってるから。可哀想だと。
2013-10-15 19:43:35![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
イアたんはまだ幼くて。なんでわざわざあんな癖のある男を選ばなくてもいいのにって思ってる。前途有望な若者なのにって。 でも、わかってる。好きになるのは理屈じゃない事。だからイアたんは、好きになっちゃったから、って答えた。それでも、テッドさんは優しいいい人だって。
2013-10-15 19:45:05![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そんなイアたんに、テトさんは一つだけ良い事を教えてあげるって耳打ちするのです。 片割れが『自分のテリトリー』の中に誰かを入れたのは、あなたが初めてよって。 自分の巣の中に誰かが入るのを凄く嫌う人だから、テトさんは凄くびっくりしたのです。
2013-10-15 19:46:39![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
テッドさんがバイトを雇ったって事にもまず驚いた。喫茶店は彼の城で、その中に他人を招くなんて事はまずないと思ってたから。 そして何より。イアたんはテッドさんに自宅にも招かれてるんですね。ご飯食べていけって何度か誘われてた。自分の巣の中に入れたよ!ってまさに青天の霹靂。
2013-10-15 19:48:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
もうそれだけで、テッドさんもイアたんの事を気に入ってるって事がわかって。 だからイアたんに希望があるかもねって事を囁くのです。 それを聞いたイアたんは当然嬉しい。好きになってくれとは思わない。ただ、密かに想ってるだけでいいけれど、でもテッドさんも憎からず想ってくれたならって。
2013-10-15 19:49:20