ブレザー＆ブレイド

渡辺さん @wiwawiwiwowe

ブレザー&ブレイドっていうとちょっと洒落たタイトルっぽい ブレブレ

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伝説の聖剣に認められた女子中学生と、蘇ってみたはいいものの悪魔も魔王も滅んだあとで不貞腐れてる聖剣のお話。<ブレザー&ブレイド

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聖剣「貴様は王になる資格がある！」 女学生「いや、今は民主国家だし」 聖剣「魔王を倒して名声を得れば…！」 女学生「魔王…？ いつの話？」 聖剣「えーと、イエス生誕から数えて400年くらい、かな？」 女学生「1600年前。間違いなく死んでる」 聖剣「……。」

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聖剣「…斬っていい悪って、なんかいない？」 女学生「うーん、日本じゃ斬ったほうが悪になっちゃうからなあ」 聖剣「じゃあ、人じゃなくっていいや。岩でも鉄でもスパっと斬れるよ。…斬れるよ！」 女学生「それは便利だけど、ほら、あたしの周りってそれなりに平和だし」

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女学生「だいたいあんた重すぎ。持ち歩けるわけないじゃない」 聖剣「…」 女学生「小さけりゃ缶切りぐらいの使い道はあったかもしれないけどさ」 聖剣「…」 女学生「そんな大きさじゃいざという時に備えて持ち歩くとか…」 聖剣「わかった」 女学生「え？」 聖剣「小さくは、なれなくもない」

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女学生「…今の人が持ってたのって」 聖剣「ああ、あれも聖剣だな」 女学生「聖剣って一本じゃないんだ」 聖剣「戦争は数だからな！ 魔王にトドメを刺して有名になる聖剣の前にも、数多の無名の聖剣があるのだ！」 女学生「今の人、カッコよかったのに…」 聖剣「は？」 女学生「…聖剣め」

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女学生「あっちの聖剣は持ち主と一緒でノリノリだったね」 聖剣「そうだな」 女学生「あんたもあんな持ち主がよかった？」 聖剣「いや、貴様のような常識人で良かったと身に沁みているところだ」 女学生「へえ」 聖剣「あれはあまり時をおかずに捕まるな」 女学生「顔は良かったのにね」

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女学生「ね、ねえ、あの魔剣ってなんなの？ なんで襲ってくんの！？」 聖剣「私も知らん！ しかし魔王が滅ぶまでの間に聖剣への対抗策を用意してたとしてもおかしくないな」 女学生「え？ あ、じゃああいつの狙いはあんたなんだ。…へえ」 聖剣「おい、何を考えてる。ちょっと待て、なあ！」

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聖剣「魔剣の話なんだが…」 女学生「退治なんてしないから」 聖剣「逆だ。出会ったら私を投げつけろ。それで貴様は逃げられる」 女学生「…」 聖剣「魔王も滅びた今、私の存在意義はないのだ。いや、存在するだけで他人を危険に晒すというならむしろ害悪だろう」 女学生「…何いってんの？」

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女学生「やっぱいざという時は警察だね」 聖剣「…」 女学生「聖剣も魔剣も、よく斬れるってだけで持ち主を超能力者にするわけじゃないみたいだしね。制服から素姓さえわかれば通報で一発」 聖剣「切った張ったがしたかったわけじゃないんだが…釈然としない」 女学生「これが現代社会ってやつよ」

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聖剣「なんであいつらは制服のまま剣を振っていたんだ？ 普段うるさい個人情報というやつじゃないのか？」 女学生「可愛いから」 聖剣「え？」 女学生「可愛いから」

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聖剣「もとより討つべき魔王のない聖剣と、護るべき魔王のない魔剣の無駄な争いだったわけだ。唯一残った、貴様を魔剣から守るという使命も終わった」 女学生「ほうほう」 聖剣「私は、これから先の長い時間、何のために在ればいいのか…。私を鍛えた鍛治はそんなことまで考えなかったのだろうな…」

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女学生「護身用具。いざという時に守ってもらうの」 聖剣「刃物は護身には向かないぞ」 女学生「じゃあ話し相手。将来、OLになったあたしが酔っ払って帰って来たら愚痴を聞く役」 聖剣「それぐらい彼氏で済ませろ」 女学生「彼氏に聞かせられない愚痴を聞く役」 聖剣「はは、それは酷いな」

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ブレザー&ブレイド、いつの間にかブレザー分がどっか行っちゃったのでお終い。