10.06大井浩明さん《POC》第二回関連
曲目解説を書くために、松平頼則作曲のピアノ組曲『美しい日本』の譜面を手に入れてきた(私蔵しているものは某ピアニストにお貸ししているので)。改めてみると本当に大変な譜面。フィナーレを使って入力しようとしたなら、間違いなく「こんな装飾音は有り得ません」と警告が出るはずだ。
2010-10-10 06:15:45いや、実は去年『101年目からの松平頼則』で再演したフルート・バスーン・ピアノのための『トリオ』も、浄書を頼んだのだが遅れ、原因は、松平作品特有の音楽の確固たる進行を曖昧にしていくこの過剰な装飾音が、フィナーレ(浄書ソフト)から弾かれ続けたためだった。
2010-10-10 06:19:29『美しい日本』はMIDIでの打ち込みも不可能。なぜなら『トリオ』どころでなく増殖した装飾音に、全体の流れの中でどのような音価を与えるか、ということを、常に吟味していかないといけないから。これなら、まだクセナキスの『エオンタ』の方が楽。音価がキチンと決まっている音が多いから。
2010-10-10 06:21:43あと、一言お詫びを申し上げておかないといけないのだが、『美しい日本』にレコード録音された記録は、-いろいろ調べたのだが-無かった。中部日本放送の委嘱により、井上二葉氏のピアノで放送録音されたのが初演、というのが正しい。というわけで、POCチラシ裏の文章の文言には誤りがある。
2010-10-10 06:23:26申し訳ない。ただ、全曲がコンサートで演奏されたという記録も、調べた範囲では見つからない。というわけで、ひょっとしたら『美しい日本』初の演奏会通奏になるかも知れない大井浩明POC第2回、山本裕之全ピアノ作品とともに16日、門仲天井ホールにて開催。
2010-10-10 06:25:25松平頼則《美しい日本》の全音版の指使いで、同意出来ない箇所があったので色々変えていたら、実はその変更方法(弾きにくくても片手で9度を掴んで、音の身振りを確保)が、山本裕之《月の役割》のノーテーションと完全に一緒だった。
2010-10-10 11:45:17