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asagihara_s
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【因襲を焦がす炎 自警団上白沢班の事件簿/浅木原 忍】連続不審火の奥に潜む、人と妖の禁じられた恋。人間は妖怪に畏怖し、妖怪はそれを糧にする、交わらない関係。どちらが悪いわけでもない。たとえ世界に祝福さ... →book.akahoshitakuya.com/cmt/35543708 #bookmeter
2014-02-09 19:54:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
『Rhythm Five :自警団上白沢班の事件簿③ 因襲を焦がす炎』 例大祭の新刊が届いてこれから読むんで、その前にこっちの感想を。 一読して読者の幻想郷観によって結構受ける印象が違うのかもしれないと思った作品。以下はディストピア厨である僕個人の受け取り方ということで :1
2014-05-23 01:03:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
幻想郷の環境でどこまでヒトが人間らしく生きられるのかという考察系作品として読んでたこのシリーズ。今回はもう一歩踏み込んで、閉鎖世界の秩序を守るため一般貧弱妖怪たちも息苦しい生き方を強いられてる?ことが示唆されましたね。 「何のための“理想郷”だ!バカバカしい!」などとついw :2
2014-05-23 01:04:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
公式の地霊殿の時点でちょっと思っていたのですが、外界から不要とされたものたちの“理想郷”を維持するために、排斥すること捨てることが必要とされって皮肉ですよね。ラストがこれを突きつけてくるように思えてヒャッホウしてました。こういう苦いテーマを扱う二次創作って貴重ですしね :3
2014-05-23 01:04:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
原作書籍の紫の人間キャラより人間臭い物言い(最も人妖を峻別して見える)を見ると、幻想郷はあくまで一部の者の思惑を適えるための箱庭で、住民の幸福などは度外視されてるのではとも思うんですよね。 それではこの作品で慧音が出した答えは世界のルールとカチあうことになりはしないか、と :4
2014-05-23 01:05:15![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
基本的に憎まれ役をモブが引き受けることで、原作キャラが傷ついたり泥を被るのが苦手な人にも安心仕様のこのシリーズでしたけど、後々どこかで原作キャラ同士の存在意義をかけた意志のぶつけ合いは描かれるのかも…と今後の展開にドキドキしています :5
2014-05-23 01:05:45![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ま、外界はディストピア化してて幻想郷の歪みはその波及に過ぎないという解釈が好きなんですよ。意志決定者たちや変化を拒む多数派に都合の悪い可能性の屠殺場。外界の共犯者を演じて存えている揺り篭だと。 東方は描き方のゆる~いディストピアものだと思ってます。全盛期のSTG&AC信者なんで…
2014-05-23 01:06:07![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
さて、事件簿シリーズの慧音先生はイレギュラーになるのか。妥協の上で手の届く範囲を守る意志を固めるのか。はたまた…ワクワクしますね。以上 :オワリ
2014-05-23 01:06:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
浅木原忍『因襲を焦がす炎』読。自警団上白沢班の事件簿3作目。人妖融和の問題をメインに据えつつ、前作で浮かび上がった問いに一つの決着をつける話。練りに練られた考察をもとに展開する物語は読み応え充分。前作もだが、ここまでディティールを詰めながら可読性が損なわれていないのがすごい。
2014-10-23 23:43:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
『因襲を焦がす炎』:意図の見えない放火の動機はミステリ読みならニヤリとさせられるだろう。「罰が罰にならない」という転倒と、そこから納得のいく落とし所へ持っていく過程もお見事。と同時に、これは読者の視野がいつの間にか狭くなっていたことを突くものでもあり、ドキリとくる。
2014-10-23 23:44:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
『因襲を焦がす炎』:詳しくはネタバレにつき伏せざるをえないけど、このテーマでおなじみの某探偵小説作家より上手く表現しているんじゃないかと思えてならず、嬉しいような悲しいような……とまれ。「人里の社会」を「妖怪との関係」から真正面にきっちり描いてみせた良作でしょう。面白かった。
2014-10-23 23:44:55