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@daijapan
競技をやり始めて最初の頃は横一線でライバル達と争っていても、段々と年齢を重ねていくと、敗れて去り、敗れて去りと、徐々に減っていく。勝ち続けるという事は誰かを負かして諦めさせるという事も含んでいて、それでも僕は僕が最も努力しているから勝っていると思っていた。
2013-10-29 13:46:10
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@daijapan
24歳で始めてアメリカに行った時、ハードルを始めてたった1年の16歳の少年に負けた事があった。学校に通いながら一日1時間の練習でそれでも僕を追い抜いていく人間をみて、もしかして人間には持って生まれたものがあるのではないかというのを考えるようになった。
2013-10-29 13:48:35
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@daijapan
僕が倒してきたライバルは、本当に僕よりも努力していなかったのだろうかと悩むようになった。もしかしたら僕よりも努力した人間もいるかもしれない。それでも勝つ事はできなかった選手がいる。誰かが引退して声をかけられるたびに、背中が重くなっていった。
2013-10-29 13:52:19
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@daijapan
震災後に、ある陸上部の少年と話をした。彼が言った言葉が今も心に残っている。”どうして真面目に生きていたのに、僕のお母さんが津波で流されたのか今のよくわからないんです”僕は何も言えずに、目も見る事ができずに、聞くしか無かった。
2013-10-29 13:55:05
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@daijapan
世の中は不条理に出来ている。真面目に生きた人が津波で流され、努力しても報われるとは限らず、いつ自分が死ぬかすらも選べない。自分が何に生まれつくかを私達は選べず、自分を受け入れて因果の無い世界を生きていくしか無い。
2013-10-29 13:58:46
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@daijapan
【終わり】パラリンピアンの広告がある。右足を失った女性が前を見据えて立っていて、こう書かれている。”失った右足を嘆いて生きるのか、残った左足の可能性を見て生きるのか。私は後者を希望と呼ぶ”不条理を受け入れた上でそれでも希望を見る事が尊いのだと私は思う。
2013-10-29 14:04:44