橙色を消費して僕らの秋は過ぎてゆく。控えめな甘い香りが何処からともなくふわり、と漂う夕暮れ。古ぼけた団地の壁が一面金木犀色に塗り潰される。自転車で駆け抜ける通学路。不在の君を思い出すには十分すぎた。 #秋ヒトヒラ http://t.co/OcEteMbTfC
2013-10-28 17:24:19君のために集めた瓶詰めの香りを、とうとう割る日が来た。飛び散る破片が、秋の夕陽を反射して綺麗。大切に溜め込んだものは、一瞬で、僕を動かす酸素に変わった。さよならも言えなかった。さよならも言えなかった。弱虫のありがとうが、涙に滲んだ。 #秋ヒトヒラ
2013-10-28 18:57:08ふわり薫ったあの花はもう記憶の中だけ そう 貴方との初恋と一緒ね 謙虚だなんて他人の評価 本当はぶつかる勇気がないの 苦いはずの思い出は甘い薫りに誤魔化される 苦さに耐えられる大人になるまでは お願い どうかそのままで #秋ヒトヒラ
2013-10-28 19:14:59帰り道、ふわっと香る金木犀に、秋の始まりを思い。朝の通学路、香りの薄まった金木犀に秋の終わりを感じて。私の思いは変わらないけれど、この金木犀のようにあの人の気持ちも薄れていってるんだろうか。そんなことを思い、つい金木犀を、瓶に閉じ込めてしまうのです。 #秋ヒトヒラ
2013-10-28 20:40:22秘めていた想いは はらりはらりと空気に溶けた 鏡に写る私はいつも不安気で 君のため息にも触れられない 落ちる日を一緒に見たのは 忘れないでと言えない私のせいいっぱい 香りに酔ったふりをして時よとまれと呟いた どうか知らないままでいて #秋ヒトヒラ
2013-10-28 20:47:04少しだけ、振り向いてくれたらいいと。 もうすぐ消えてしまうから。 ほんの一瞬、どこかで私を見つけてくれたなら。 そしたらまた、会えると思うから。 #秋ヒトヒラ
2013-10-28 21:08:45襖をひらくと金木犀の香りがした。ヒトは残酷だからもう人間でいたくないと言った恋人は、今日はサイの姿でいる。なあ、金木犀の幹は、サイの皮膚と似ているそうだよ。君がサイになってくれたから確かめられるね、と独り言ちると、彼女は重い身を横たえたまま、金木犀の香りを嗅いでいた。#秋ヒトヒラ
2013-10-28 21:34:16叶わないのなら密かに散ってしまいたいのに。初めての想いは身勝手に私の端々から滲む。切ないくらい甘い風に、唇を噛む。少しでも心に残るのなら儚い花で構わないと馨る、金木犀のように謙虚になれずに。散った花を踏み付けて駆けた帰路は橙色の明るさで、私の影をくっきりと縁取った。 #秋ヒトヒラ
2013-10-28 21:57:59「謙虚」というわりには堂々した甘い香りだよね。 だけど薔薇や百合のような気高い感じの香りじゃなくて、どちらかというと庶民的だし。 花そのものは小さいけれど、一本の木に幾つも咲かせるからむしろ結構自己主張してるでしょ? でもまぁ、そんな君が実は好きなんだけどね。 #秋ヒトヒラ
2013-10-28 21:59:30金木犀の思い出。小学生の頃、下校時に校門の側に植わっていた金木犀の花を黄色の学帽いっぱいに集めた。 いい香りがしたから集めたんだろうけど、その集めた花をどうしたのかは覚えてないの(^-^; 住んでるマンションにも金木犀が植えられてて、いまでもこの香りを嗅ぐたび懐かしくなる。
2013-10-28 22:07:49