- smithnagano
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心身疲れているときに、ジェズアルド(Gesualdo, Carlo [c1566-1613])はしんどい。あの劇的な不協和音がちょっときつい。
2013-11-09 00:25:02今年の8月はじめにデュファイ(Dufay, Guillaume [c1400-1474]のミサ曲『武装する人々』をふとしたきっかけで聴いてから、ルネサンス音楽に深くハマって約3ヶ月。なぜこんなに深くハマってしまったのか自分でもよく分からない。
2013-11-09 01:10:35自分のここ最近の心身の調子には、ルネサンス音楽が丁度よく感じている。バロック以降の音楽ほど賑やかではなく、かといってヒーリング系BGMほど空虚でもない。
2013-11-09 01:13:37ただまあ、今の私のフォロワーの方々と、ルネサンス音楽クラスタ(そんなものがあるのかどうかもわからないが)とは、合致してないらしく、ルネサンス音楽のことを書いても全くといっていいほど反応がないw
2013-11-09 01:15:28私は「自分が好きなものはたくさんの人に広めたい」と考える性分なのだけど、このルネサンス音楽に関してだけは、どうやったらこの良さが伝えることができるのか、まったくわからないw
2013-11-09 01:17:40ルネサンス音楽は、カトリック教あるいは英国国教会のための音楽の側面が強い。だから例えば他のクラシックの曲のように、テレビ番組や映画・アニメで使う(=教会での宗教行事以外の文脈で用いる)ことが難しい。この辺も今の時代に普及しにくい要因かもしれない。
2013-11-09 01:21:17ルネサンス時代、教会で歌われるミサ曲・モテットといった宗教曲が盛んに創られる一方、「世俗曲」と呼ばれるジャンルの楽曲も数多く作られた。
2013-11-09 02:02:44(承前)この「世俗曲」では、愛だの恋だのといったことがよく歌われた。ただ、ルネサンス時代初期のうちは、「宮廷の愛」というか、まあ、無難な路線の歌詞がほとんどだった。
2013-11-09 02:03:20(承前)しかし、ルネサンス中期辺りになると、特にフランスで、もっと名指ししてしまうと、クレマン・ジャヌカン(Janequin, Clément [c1480–1558])の作曲する楽曲では、もっと庶民的なあけすけな「愛」をテーマにし始める。
2013-11-09 02:05:46(承前)「朝、小間使いが旦那を起こしに行ったら、奥さんじゃない別の女の人とヤッてた」とか「女の子を押し倒しておいて『初めては痛いけど慣れれば大丈夫』」とか、そんな歌詞が歌われたりする。
2013-11-09 02:08:16(承前)で、まんま、この話のお題と合致するのが、クレマン・ジャヌカンの作曲したシャンソン『美しい乳房(Un beau tétin)』。歌詞の内容はぶっちゃけて言ってしまうと「処女のおっぱいひゃっほー」というもの…ぶっちゃけすぎた。
2013-11-09 02:12:14(承前)ちなみに、実際の楽曲はここで聴けます。クレマン・ジャヌカン『美しい乳房(Un beau tétin)』 http://t.co/4PhCRG9eGo
2013-11-09 02:13:32(承前)聴いてもらうと分かる通り、歌詞を気にしなければ、楽曲的にはとても穏当。ルネサンス音楽特有の「複数の声部が絡み合って豊かな音響をつくる」というものをきっちり踏襲している。
2013-11-09 02:15:51(承前)ちなみに、クレマン・ジャヌカンは、歌詞だけでなく、サウンドの方がユニークな楽曲も数多い。鳥の声を模した『鳥の歌』、犬を使った狩の情景を擬音交じりで描いた『狩の歌』など。このあたりは聴くだけでも楽しい。 『鳥の歌』http://t.co/7FmJDQXA9U
2013-11-09 02:19:28(承前)で、ルネサンス時代の音楽の面白いところは、この「俗なもの」が「聖なる場」でも平気で展開されたこと。具体的に言うと、世俗曲の旋律をミサ曲のなかで中心となる旋律(「定旋律」と言います)に使ったりしていた。
2013-11-09 02:25:10(承前)さすがにミサ曲『乳房』はないかもしれないけど、ミサ曲『恋人よさようなら』とか、ミサ曲『口づけしてよ』とかはあった。もちろんそれら世俗曲の旋律を借りてきているだけで、歌詞はラテン語のミサ通常文(Kirie eleison とか)なのだけど。
2013-11-09 02:29:22(承前)今の時代に無理やりたとえるならば、AKB48やももクロとか嵐の曲の旋律だけ借りてきて、それをもとにミサ曲をつくってしまう感じ。
2013-11-09 02:32:39(承前)今の感覚からすれば、「聖なる場に俗なものを使うなんて」とけったいに思うかもしれないけれども、おそらくはそれがルネサンスという時代だったのではないかな、と思う。神への畏れに縛られすぎずに、人間がいまここにいることを楽しんでいいのだ、という喜びを謳歌する。
2013-11-09 02:35:46(承前)そんな時代だからこそ、世俗曲は「おっぱい」を主題にした楽曲だって高らかに歌われたし、宗教曲だって、色恋の世俗曲の旋律を使ったりしつつ、神に捧げるだけでなく聴いて心地よい音楽をめざした。こういう快楽の素直な希求こそが、ルネサンス音楽の魅力なのだと思う。
2013-11-09 02:38:29(承前)以上、「ルネサンス音楽とおっぱい」でした。ふう。@smithnagano さん、いくらおっぱいが好きだからって無茶振りしないでよw
2013-11-09 02:39:35