同題二次TB集め

からあげ @riccororin2

暴れる腕を抑制帯の代わりに掴む。ただれた皮膚と襲う疼き、モルヒネだけでは抑えきれず鎮静剤を追加すると、嵐の後の穏やかな海原みたいに意識は遠のく。「炎が嫌いだって言ってたのに…よく真っ先に飛び込めたな」お前が救ったのは、救えなかったあの日の自分なのか？/ぐったり #同題二次TB

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じゃあね、の代わりに握り締めた紙袋がぐしゃりと音を立てると、後ろのあいつがそれを奪う。「今日も渡せなかったんですか？」何よ、関係無いじゃない。「いらないなら貰いますよ」誰があんたなんかに。「ん、意外と不味くない」…食べる前に他に言う事あったでしょ。/いただきます #同題二次TB

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このマークに心当たりは？手首を掴み浅黒い男をビルの谷間へ招き入れる。「教えたら何かくれんの？」男がそう問い返すから僕は「何でも」と答える。すると「泣きたい時は泣けばいい」そう言って男は濡れた僕の頬を拭いて街に消えた。あの涙を、彼はまだ背負っているのか？/路地裏 #同題二次TB

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『左の輪っかはパパ、ぐるっと回して右の輪っかはママ。ぎゅ、と結んだら…ね』二人で靴紐を結ぶ練習中だった。なのに途中でお母さんはいなくなった。「左の輪っかはパパ、右の輪っかは…」ストライプのシャツ、襟に飾る赤の羽根。「ぎゅっ、と結んで…出来た蝶々は私かな」/リボン #同題二次TB

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離れたい、好きじゃない、触れたくない、抱き締めたくない、視線も合わせないで、夢に出ないで…愛さないで。そんなのは全て嘘。魔法はとっくに解けたから、早くその手で捕まえて。檻も鍵も用意した。だから今すぐ閉じ込めて…俺を/僕を滅茶苦茶に壊してくれ。/全部嘘 #同題二次TB

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「また人形ですか？」シャンパングラス片手に人形を受け取ると、何故かずっしりと重い。「ただのぬいぐるみじゃねぇぞ？バニーが産まれた時の重さ」花束よりは重いけれど、抱えたらなんて小さい。「そんなの腹の中で育ててくれた母親はすげぇだろ。お前の母さんにも…乾杯」/誕生日 #同題二次TB

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ざく、首筋に響く鈍い金属音。「美容室で切らなくて良かったんですか？」「いーの」そんな小さなはさみで断ち切れたらどんなに楽かなぁ？露わになったうなじにお前はふいにキスをするから、濡れた皮膚が余計に冷える。ざく、離されたい、なのにその音にこんなにも怯えてる。/寒い #同題二次TB

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微睡む瞼を擦り目を細めると、暗闇の中で碧い光を自らに灯す貴方を見つける。「……ッく！」ーーー傷だらけのヒーロー。その深い痛みを癒すための手のひらが僕にはない。けれど、今からその背中を精一杯の温もりで包むから…どうか今夜は僕の揺りかごでおやすみ。/きず/怪我 #同題二次TB

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虎「でっけぇピアスだなぁ！耳朶切れちまいそ」 兎「本当だ」 獅子「あんたらの目は節穴ってかぁ〜？イヤリングだろ？良く見てみろ」 虎「あれ、マジか。意外だな」 兎「痛いの嫌いなんですか？」 獅子「ばッ、か‼︎糞！親から貰った体に傷なんてつけられるか‼︎」 /きず #同題二次TB

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空っ風が通り抜け誰もが孤独を持て余す夜。「ちょっとお兄さん」引かれる袖、その手を払って問いかけてみる。「好きでもねぇ男と寝るってどんな気分？」女の答えは微笑だけ。「今夜は好きな男に抱かれる夢見ろよ」俺もお前と同じように、ありったけの恋しさに抱かれて眠るから。/娼婦 #同題二次TB

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疲れた時ほど昂る神経。「ちょっとお兄さん」引かれる袖、誰でも良くなる夜だってあるでしょう。枝からもげて地に落ちる林檎みたいに引力に抗えない冷えた果実。じー、とファスナーを下げる音、閉じた瞼と心。「"バニー"って呼んでみて」偽物の愛が紅いルージュから溢れる。/娼婦 #同題二次TB

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「何で壁のほう向いてんだよ」 寝息をたてる首筋の匂いを嗅ぎながら、淡い記憶を辿る深夜。腰骨に腕を回して前の臍をさする。背中に耳を当てれば、回転数を上げる響き。「…寝たふりしてる嘘つきな心臓だな」刻をカウントするデジタル時計の発光。なぁ早くこっち向けよ。/ビート #同題二次TB

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年頃なんだから身体冷やすなよ、とシーズン後半になると口を酸っぱくして言う。肩に羽織らせてくれたジャケットに包まれて、私は私の秘密も一緒にそこへ仕舞い込む。"こんな能力だけど、発動しても身体は冷たくないんだよ"今度はその腕で抱き締めて、私の秘密を暴いてよ。/寒い #同題二次TB

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大切なのはその長さでもなく、回数でもない。ただ湧き水のように互いの愛情が滲み出たら、流れ落ち、やがて合流すると煌めく水面になり、最後に塩味の海に辿り着く。泳ぎ疲れてぐったりとただ白い入道雲を見上げながら波に浮いては漂う。それが抱き合う上で一番幸せ。/ぐったり #同題ssTB

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オレンジ、オートミールにヨーグルト。コーヒーのフィルター、卵は10個入り。最後にミルクを二本袋に詰める。支払いはクレジットカード、サインは『Barnaby Brooks Jr』。彼も誰かのために朝ご飯作るのかしら？そんな事を考えながら今日もレジを打つ。/スーパー #同題二次TB

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焦らず、妬まず、悔やまず、苦しまず、ただ平坦な心で触れ合うだけの恋は恋じゃない。貴方を焦らしたい、独占したい…時には傷付き傷付けて、後悔でこの胸が千切れそうに啼いても、その痛みこそ本当の恋なのだと、貴方が教えてくれた。/まず #同題二次TB

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茜色の街に染められた背中にもう一度問い掛けた。「タイガー…本当に辞めるの？」振り返る優しい横顔、「ほら」と差し伸べる手を咄嗟に握り返す。心まで触れられたみたいに熱い。「お前のこの手で未来まで繋げてくれよな」あなたがいない明日に何を繋いだら良いの？教えて…/担い手 #同題二次TB

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流れ星に願い事ひとつ。「楓は何のお願いした？」星が残した足跡が消える前にそっとあなたのために祈る。「流れ星になりたいって…お願いしたよ」どうせあなたは自分の願いに気づいていない。「…お父さんの想いを叶えてあげられますように」あなたの願いを、私に乗せて。/ねがい #同題二次TB

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『俺たちそろそろ別の道に』貴方は卵を温めて孵化させただけじゃない。翼をくれて羽ばたかせてくれて…なのに最後には僕の背中から羽を奪って行くと言うのか。「死ぬよりも優しくて残酷だな」貴方は僕の空、地に伏す身体をいつか貴方は拾いに来てくれるだろうか？/急所 #同題二次TB

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ふわり 生やす 棘らを 愛せぬ さぼてんよ 日暮れ 来し 街 この丘へ。休もう 絶え間無く 空夢 見て 眠れる(ふわりはやすとげらをあいせぬさぼてんよひぐれきしまちこのおかへ やすもうたえまなくそらゆめみてねむれる)/五十音アナグラム [言葉遊び] #同題ssTB

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偶然視線が合ったから、指を絡めてみた。口付け合ってみた。舌が交差して歯列をなぞったら唾液が零れた。そのまま倒れ込んでシャツを捲った。ベルトを外して二人で慰め合った。お互いに解き放たれたら心地良かった。なのに足りなくて切なくて、二人で泣いたのも偶然だった。/たまたま #同題二次TB

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学校で足を捻挫した楓を迎えに行く。歩けない彼女の前で屈み「ほら」とおぶさるように促すがなんだか嫌がられた。だったらと両脇を抱えてひょいと肩車をすれば、その重さに時の流れがどれだけ早いのかを思い知る。「…あんまり急いで大きくならなくて良いんだからな」/ゆっくり #同題二次TB

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腰を痛めたおふくろの代役、商店街のくじで当てた旅行に兄貴と二人、おんぼろワゴンで出発する。「なぁ、いい加減身を固めたら」窓越しに流れる懐かしい景色がガキん時の記憶と交差する。「お前こそ、守り過ぎると逆に一番大切なものを無くすぞ」「何の事？」「…さぁな」/ふたり旅 #同題二次TB

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「あ、それ…今朝はいらない」そう言って虎徹さんがキャップを開けかけたシャワージェルを奪い返す。「使わねぇの？」火照る腰の熱さにくらくらと眩暈がしながら、彼の首筋に凭れて。「貴方に他の香りが上書きされない方が良い」バスタブで泳ぐ朝の、芳しい匂い。/ボディーソープ #同題二次TB

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「ンあ!そこ…ばに、」虎徹さんの『そこ』は『そこじゃない』の意味だと知っている。本当にイイ所を探り当てられた時ほど、苦しそうな狭窄音だけが彼の喉を通り抜けていく。ひゅう、ひゅう、声にならない叫びを一つ一つ、洗いざらいに暴いて、本当の『そこ』へ辿り着きたい。/暴 #同題二次TB