茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1107回「メサイアで、立ち上がるべきか」

脳科学者・茂木健一郎さんの12月2日の連続ツイート。 本日は、12月になったので!
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1107回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、12月になったので!

2013-12-02 07:46:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(1)私はゴルフをしたことがないし、これからもする予定がない。一つの理由は、グリーンに立った時のプレッシャーを想像してしまうからだ。何度も打って、失敗し、後のパーティーの方にご迷惑をかける、という場面を思い描いただけで緊張する。だから、行かない。

2013-12-02 07:47:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(2)もう一つ、今、想像して勝手に困っていることがある。それは、ヘンデルのオラトリオ『メサイア』に関すること。かつてロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで聴いたのが唯一のライブ経験で、また行きたいと思うのだが、日本で行く時に、一つ迷うことがある。それは、何でしょう?

2013-12-02 07:48:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(3)『メサイア』は、本当に素晴らしい曲で、最初から最後まで、メロディも歌詞も際だっていて、隙が全くない。かつて、大英博物館には、楽譜の部門に、「メサイア」が展示されていた。ちなみに、隣はビートルズの楽曲の歌詞であった。それくらい、英国の人、そして世界中で愛されている。

2013-12-02 07:50:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(4)『メサイア』はドイツ生まれで、イギリスに帰化した人なので、英国人は、『メサイア』を、自分たちの国が(珍しく)生み出した世界的な楽曲とて誇りに思っている。聖書に取材した歌詞も、英語の美しさがとても活かされていてよい。だから、ロンドンで聴くメサイアには、格別な思いがあった。

2013-12-02 07:52:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(5)さて、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでの『メサイア』での出来事。有名な「ハレルヤ」コーラスが近づいた時、私はそわそわしていた。本当に「あの事」は起こるのだろうか? 国王ジョージ2世が、「ハレルヤ」が余りにも素晴らしいので感激して、立ち上がったという故事。

2013-12-02 07:53:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(6)一つ前の「Thou shalt break them」のテノール独唱が終わって、いよいよ「ハレルヤ」だという時に、ホールを埋めた満員の観客が、一斉に立ち上がった。音楽が始まる前に立ち上がるのである。それを見届けて、指揮者(メニューインだった!)がタクトを振り下ろした。

2013-12-02 07:56:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(7)全員、立ったまま「ハレルヤ」コーラスを聴き、終わったら拍手して着席し、第二部が終わる。野球にたとえれば、全曲の「7回裏」のような感じなので、「7th inning stretch」のよう。とっても、いい感じだった。ちょうど、そろそろ背を伸ばしたい時間帯でもあるし。

2013-12-02 07:58:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(8)それで、私の悩みというのは、果たして日本の『メサイア』演奏でも、「ハレルヤ」のところで立ち上がるのだろうか、ということである。立ち上がったら、私だけで、目立ってみっともなかったり、周囲の人が「見えないぞ!」って文句言ったらどうしようと想像して、一人で怖がっている。

2013-12-02 07:59:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

めた(9)メサイアには、モーツァルト編曲のドイツ語版もある。高校時代の畏友、和仁陽(私が今まで出会ったすべての人の中で、もっとも頭のいい男)は、「歌曲はだいたいドイツ語の方がいいが、メサイアだけは、原曲の英語の方がいいですね」と言っていた。みなさんもメサイア、聴いてみてください。

2013-12-02 08:01:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1107回「メサイアで、立ち上がるべきか」でした。ウィーンで上演された http://t.co/Zk3Bz3hG1o は、ステージでの演技つきの、異色の、素晴らしいメサイアです。特に、第二部の最後の「ハレルヤ」の手話の女の子の演技、泣かせます。

2013-12-02 08:03:15