義肢装具産業を思いつくままに語りあう。

日本の義肢産業って産業としてポテンシャルがすごく高そうだけど、、、から始まるクロストーク。語られた内容は全くの私見です。
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ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 2008年のリーマン・ショックの後、オバマの経済政策としてドカンと研究費が下りた事がありました。 日本の義肢産業って(器具として患者さんのQOL向上はもちろんですが)産業としてのポテンシャルがすごく高そうなんですが、いかがでしょう?

2013-12-06 03:08:10
沖井 明 @Okii03

@tossijp 遅くなりました。義肢ですか。学生も見てるので、申し訳ないのですが、授業でもコメントしたので私見ですが申し上げます。 経済的にも技術的にも非常に厳しいです。経済的には価格統制(薬と同様に医療保険では公的に販売価格が決められている)が一点、競争が少ないことが一点、

2013-12-06 03:48:39
沖井 明 @Okii03

@tossijp そのため個々の事業者の規模が小さく(ほとんどがマニファクチュアです)、収入に対して管理コストが大きいってとこでしょうか。 科学研究と同様に、医療もコストパフォーマンスは帝国陸軍方式で支えられていますが、義肢装具士はその最たるものかと思います。

2013-12-06 03:51:30
沖井 明 @Okii03

@tossijp 日中病院での臨床の後、夕方から帰社して制作(かなりモジュラー化が進んでいますが、国内ではインターフェースは手作りです)。残業が前提で、人の流出が絶えません。学問的にも国際的に後れを見せている印象です。特に電気回路を用いた部品の開発は完全に乗り遅れています。

2013-12-06 03:54:40
沖井 明 @Okii03

@tossijp 失礼、産業としての潜在力ということでした。開発力は今部分的に始まっている産学連携や、自動車産業などとの協働で伸びたらいいなという感じです。市場規模は価格が低くコントロールされていること、高性能の部品を自費ででも入手したいという消費者が少ないことから小さいです。

2013-12-06 03:57:58
沖井 明 @Okii03

@tossijp アジアの義肢をリードしてきた歴史はあるんです。東南アジアなどに今でも日本人が指導に行っています。でもそこでは教育は英語で行われて、学生たちは最新の英文献をバリバリ読んで修行している。日本はまずgoogle翻訳です。

2013-12-06 04:01:37
ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 私が想像してたのと全く逆なんですね。これはマズいですね。技術的に優れていれば輸出などでマーケットを広げる道も合ったかもしれませんが。逆に、専業を諦めて、例えば(将来的に)歯科技工士に作ってもらうとかはどうなんでしょう?

2013-12-06 03:57:53
ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 極端に言うと、いわゆる難病と状況が似てますね。

2013-12-06 03:59:22
沖井 明 @Okii03

@tossijp その通りだと思います。難病と同様の構造ですね。技術が優れていても、手作りでは現地の患者さんとコミュニケートできないと力が発揮できないですからね。 僕は次の世代の経営者たちがどんどん合併していってほしいと思っています。 その中で経営したい人と制作したい人

2013-12-06 04:04:29
沖井 明 @Okii03

@tossijp 研究したい人がそれぞれしたいことをできればいいと思います。 技術的にはCAD/CAMや3dプリンターなどもちいてセントラルファブで作る恰好にしていければと思います。それもスケールがあって初めてできることですよね。

2013-12-06 04:10:09
沖井 明 @Okii03

@tossijp インカムに関して、公的な価格のコントロールは仕方ないですが、技術的な発展にも影響を与えていて、日本では採算の取れそうにない部品は(患者さんに必要で、代替がなくても)企業は最初から日本での発売を検討しません。そういう意味で日本の患者さんは 予め不利な状況です。

2013-12-06 04:13:03
ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 そうですね。難病とまさに同じ問題なので、これは税金投入で当然ですね。あとはその上でどう先端技術を持てるようにするかってとこですね。

2013-12-06 04:18:39
沖井 明 @Okii03

@tossijp 義肢においては部品の先端技術はロボット技術そのものになりつつあります。センシングして、情報処理して出力するわけで。装具においては(切断していないので)ロボットを入れるスペースがありませんから、モーターの代わりに筋を使う、電気生理学的な方法が今後大切だと思います。

2013-12-06 04:25:53
沖井 明 @Okii03

@tossijp 今後っていうか、もうそういうトレンドです。そう考えると、製品について先端技術の問題は現状の義肢装具界だけでは簡単に乗り越えられない問題になっているのではないかと思います。

2013-12-06 04:28:17
沖井 明 @Okii03

@tossijp 製作に先端技術をいれて自動化すると、次の世代の学会で「どうする、技術力の低下、手仕事の価値」みたいなシンポが開かれそうな予感です。すでに手の技術の継承は問題になっているので。マンマシンインターフェイスのところはやっぱり人がかかわらないと。

2013-12-06 04:23:09
ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 眼鏡とか人工内耳にすごく似てますね。内耳は感覚神経なので、逆ですが、末梢で電気生理を通すので、どうしてもカスタマイズが重要になりますよね。製品そのものが優れているかとはまた別の次元で。車がよくてもドライバーがよくないと、みたいな。

2013-12-06 04:34:29
沖井 明 @Okii03

@tossijp 義肢も人工臓器ですから。

2013-12-06 04:37:53
ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 これは完全に制作と設置を混同しちゃってるんだと思います。エアコンだって、作る人と、設置する人違うじゃないですか。それが同一だったという歴史は分かるんですが、産業革命以降(笑)はここが別々になるんですよね。ステントとかなら当たり前に受け入れられてることなのに。

2013-12-06 04:37:30
沖井 明 @Okii03

おお!なるほど!業界内では製販分離という言葉で語られる話題です。患者さんを知らない製作者と製作しない営業、やはりカスタマイズの部分が問題で、製作物の詳細に関して伝達が悪くて現場がストレスフルになっています。 営業が修正を出すと評価が落ちるとか、工場から嫌がられるとか。

2013-12-06 04:44:16
沖井 明 @Okii03

ユーザーの義肢への満足は性能だけでなく、障害との向き合い方など、メンタルな要素が非常に重要なようです。これは人工関節の話ですが、足の長さも測ったものより自覚的な差がないことが重要なようです。臨床で感じた数値化しにくい感じを形にするところがステントとの違いなんでしょうか。

2013-12-06 04:47:27
ずかし♡手作りツイート @ZukashiT

@Okii03 ザ・カスタマイズド医療ですよね、まさに。やっぱり体の一部となるわけで、一人ひとり形が違うという部分が、一般的な産業製品とは異なるところですよねー。

2013-12-06 04:50:59
沖井 明 @Okii03

@tossijp 形も外装も技術的には切断前のものや反対側の形を反転させたものを作ることが可能です。大腿切断なんかだと、軟部組織が多いためか、容積をしっかり設定することで適合はかなり良くなるようです。骨ですね。「ボディーイメージ」の領域では骨格に関連する感覚が問題のようです。

2013-12-06 04:55:13
沖井 明 @Okii03

@tossijp 楽になるためには工業化は必要です。工業化を進めるためにも、学問領域としては義肢・装具に対する満足の構造を解明する必要があるようです。工学の部分はそっち関連の人たちとよく交流して、義肢装具士はインターフェースをしっかり作り、物との幸せな出会いを提供する。

2013-12-06 04:58:08
沖井 明 @Okii03

@tossijp ちなみに、今の業界はマニファクチュアと工場の混在ですから、産業革命の曙ですね。トフラーの言う、「第2の波」です。そして、利用者に提供するのは体験なので、これはサービス業、「第3の波」です。一度に二つも大きな変革を迎えているわけで、大変なわけだと納得しました。

2013-12-06 05:01:17