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茂木健一郎 @kenichiromogi
連続ツイート第1114回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日流れてきたニュースに、ふと思ったこと。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(1)英国ケンブリッジ大学の私の恩師、ホラス・バーロー教授は、1921年生まれ。私が留学していたころ、すでに70歳も半ば。その頃は、もっぱら心理実験と、理論的な考察をしていた。一方、若い頃は、うさぎの網膜で動きに反応する神経細胞を見つけるなどの生理学実験をしていた。
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どね(2)ある時、バーロー教授に、「どうして生理学の実験をしなくなったのか」と尋ねた。そしたら、帰ってきた答えは、「歳をとって、夜眠らなくてはならなくなったからさ!」というもの。若い頃は、寝る間を惜しんで実験をしていた、ということなのであろう。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(3)人間は、眠らなくてはならない。これは、偉大なる自然の摂理である。そのことに関連して、私は、戦場では眠りの管理はどうしているのだろうと、いつも思う。敵と対峙している時に、見張りや斥候を立てるにしても、お互いに眠らなくてはならない、というのは大きな制約のはずだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(4)おそらく、米軍などは、(一定期間)眠らなくてもだいじょうぶなような薬物などを開発しているに違いないと推測するが、当然副作用も懸念される。疑心暗鬼になれば、戦場ではいつ敵が攻めてくるかわからないわけで、日本の戦国時代の昔から、眠りの管理は重大課題だったに違いない。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(5)話は変わるが、今朝のニュースで一斉に配信された、北朝鮮の張成沢氏が連行される場面の写真は、衝撃的だった。 http://t.co/7gpm2XQ5vu ニュース写真として、実に心を打たれて、まじまじと、写真を見つめてしまった。北朝鮮の国営メディアが報道したという。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(6)金正恩氏の「おじ」として、いわば後見人的な役割だった張成沢氏が、会議の途中で(空席になっている椅子の場所からしても、その時点で重職についていたことが推測される)晒し者のように連行される。第一書記への忠誠の念を強めるための宣伝活動でもあるのだろう。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(7)恐怖は、独裁者の権力の源泉である。ひとりの人間としては、体力的にも、知的にも、限りある存在であるが、独裁者は、自分に逆らえばこうなるという恐怖を人々の中に植え付けることで、一つの国を支配する。たかがそれだけのことで民がひれ伏してしまうのだから、人間は不思議な存在だ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(8)それにつけても、以前から思っていることは、独裁者も眠らなくてはならない、ということである。一日のうち少なくとも数時間は、意識を失う。昼間の間、恐怖で支配する独裁者は、その間、無防備になる。眠りに落ちるその前の瞬間、彼は、不安や恐怖におののかないのだろうか。
茂木健一郎 @kenichiromogi
どね(9)誰か、すぐれたアーティストが、睡眠中の金正恩氏の姿を、描いてくれないものかな、と思う。そこには何が表れているのだろう。独裁者が、うらやむべき職業であるとは、思えない。睡眠の本質は無名性にある。報復や裏切りの恐怖にうちふるえずに安らぐことができる者こそが、幸いである。
茂木健一郎 @kenichiromogi
以上、連続ツイート第1114回「独裁者も、眠らなくてはならない」でした。

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