大罪戦闘企画

第二十一公演《お茶会》
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

宙に浮かぶティーカップ。飛んでは落ちる銀のナイフ。少年は黒いテーブルに肘をつき、窓の向こうを眺めて嗤う。 「甘やかすのは、良くないよねえ」 そう優しく呟いて、鈴を鳴らす。りぃん、りぃん。青い空は途端に色を変え、厚い雲がぐるりと渦巻き、晴天は嵐に変わる。 「僕の玩具なんだし、ね?」

2013-12-10 19:01:58
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

ふふふふふ、あっははははははっ! もうそろそろ時間だよねえ! 準備はいいかな?良くなくても知らないけどね! 舞台は既に整ってるんだから! あははははははははははははははは!

2013-12-10 19:02:33
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第二一公演》 【傲慢】キブリ (@s_akiyui) vs 【暴食】 (@hakujo_)

2013-12-10 20:50:31
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……12月10日21:00より……第二一公演、第二二公演、第二三公演、第二四公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-12-10 20:53:09
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

あはははははは! それじゃあ時間になったことだし始めようか! 君らの文句は聞かないよ! だって此処では僕が神様なんだから! たとえそれが偽りであろうとね! さあ戦って!殺し合って!そして死んでいってよ! 此処はそのための舞台なんだからさ! あははははははははははははははは!

2013-12-10 21:00:05
紺青ものえ @almiyy

広がるのは緑の林、絵本の中みたいな、空を映す浅くて広い湖(大きな水たまり)。小さい花が土から伸びて、ゆらゆらくらくら。ぺたんとスリッパで水たまりの周りを歩き、目に付いた花を翠のパペットでつつく。 『ナンダァココ』『モッチャモッチャ ワンダァランド』

2013-12-10 21:16:56
紺青ものえ @almiyy

両手のパペットがぱくぱくと口を動かして、木々を見渡すように眼をグリグリ回している。 『ナンモイネェナ!』『モッチャ エダ ムシャル』 ……ここどこだろう。 来たのはいいけれどと首を傾げ、緑の髪、そしてそれを飾る朱の飾りを揺らし、水面を覗き込んだ。

2013-12-10 21:16:59
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

青いレースの黒い靴に包まれた小さな足で土を踏む。柔らかな日差しの下で日傘を揺らし、フリルの華やかな青いドレスを踊らせて、一歩一歩を丁寧に、ゆっくりと。その面は凛として正面を見据え、翠緑の瞳は柔らかく周囲を眺める。 その目に映るのは、翠緑よりも鮮やかな新緑の林。慎ましやかな白い花。

2013-12-10 22:05:26
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

道が少し心許ないことが不満だけれど、頬を撫でる風が心地良い。散歩をするには良い場所だと口を緩めて進む少女の目に、ふと自然とは違う物が目に入った。 青い空を映す青い泉。それを覗き込む、緑の髪の少女。見知らぬ子だ。けれど、普通とは違う何かを持っている。 自分と同じ『何か』を。

2013-12-10 22:05:43
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

少女は笑み、緑の少女へと近付いた。気配を殺して背後に立ち、同じように泉を覗き込んで、水面越しに緑の少女と顔を合わせた。 「覗き込むのは結構だけれど、あまり熱心に見ていると落ちてしまうわよ?」 そう静かに言いながら。

2013-12-10 22:06:19
紺青ものえ @almiyy

……さかな、いない。 空を映す水たまり、空なら鳥が泳ぐのか。しかし空にはなにもいない。空っぽの空。 『イツマデミテンダー』『アキチャッタ』 手元が言う。言うなら仕方がない、やめようか、そう思った時だ。背後から顔、ひと。はだいろときんいろとみどり。 「――わ、わあ」

2013-12-11 05:56:29
紺青ものえ @almiyy

水面に映るそれに、慌てて、よたつきながら振り返る。 いるのは、おんなのこ。かわいい、布一杯の服。お人形さんみたいな服。 『ナンダナンダー』『ダレダレ』 パペットがぱくぱくする。 『オレサマ、オチルホド』『ドンクサクナイゾ』 うんうんとパペットに頷く。

2013-12-11 05:59:15
紺青ものえ @almiyy

そして、おんなのこをみつめ、緊張するように肩を強張らせながら、 「……だ、だれ…?」 消え入るようなか細い声で、問うと言うよりは独り言のように言葉を発した。

2013-12-11 06:01:05
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

緑の少女が振り返る。その両手には翠と黄色のパペット。 「そう。それは失礼したわね」 勢いよく喋る二つに少々面食らいながらも、ゆっくりと一歩下がった。緊張の滲むか細い声に、怖がらせてしまったかと眉尻を下げ。 「私はキブリ。『傲慢』よ。貴女は?」 少女——キブリはそう静かに微笑んだ。

2013-12-11 10:38:07
紺青ものえ @almiyy

一歩下がって「キブリ」と名乗るおんなのこ。 「えっと『オレサマ、ミドリチャーン!』『モッチャモッチャ キイロチャンダヨ』 手元がぺろんと舌を出してけたけたと揺れた。 『コイツ ナナシノボウショク!』『ナマエノナイ ボウショク』

2013-12-11 11:30:20
紺青ものえ @almiyy

自分の言いたいことを、ほとんどパペットが笑いながら言うものだから、もにょもにょと口を動かし、 「自分、が、ななし。自分たち、暴食」 どうにか口元を緩めて、パペットをぱくぱくと揺らした。 「えっと……よろしく、ね…?」

2013-12-11 11:31:47
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

矢継ぎ早に齎される言葉に目を細める。翠に、黄色。緑の少女は「ななし」らしい。ななし、ナナシ、名無し——「No Name」。名前が無いのは少し不便だ。少女自身はどうか分からないが、呼ぶ側は難しい。「ナナシ」か「暴食」。前者には違和感があるが、後者はどうにも可愛くなくて似合わない。

2013-12-11 12:22:06
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「そう。宜しくね、ナナシ」 ならば多少の違和感を取る方が良かろうとキブリはそう口にして、手を持ち上げた。人差し指を突き出し、それを後方に向けると円を描くようにくるりと一回し。 ——『創造』されなさい すると、何もなかったはずの其処にティーテーブルが音も無く現れた。

2013-12-11 12:22:34
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

まるで最初から其処にあったかのように、テーブルの上にはクッキーと紅茶が既に用意されて居て。 「少しお話でもしましょう?貴女たちはお菓子は好きかしら?」 キブリは椅子に座ると、ナナシたちに向かい側へ座るよう促した。

2013-12-11 12:24:15
紺青ものえ @almiyy

おんなのこの指の先、記憶にはないテーブルが置いてあって、首を傾げる。くん、とパペットが流れるにおいに『タベモノ!』と騒ぎ出す。お菓子のにおい。 自然とつま先立ち。 「……おか『オハナシシタラ、タベテイイ?』『オカシ スキスキ』 パペットが自分の言葉にかぶさるように言ったので、頷く

2013-12-11 16:18:03
紺青ものえ @almiyy

お菓子、とはとても鼻とがすいつくにおいがする。おいしくて甘いもの。考えていただけで、くう、とお腹がなって、パペットでお腹をぽんぽんと撫でる。 「おじゃま、します…!」 促されるまま、椅子に座わって、置かれているお菓子――クッキーを穴が空くほど見る。

2013-12-11 16:18:11
紺青ものえ @almiyy

『マテ、ミタイデ、ヨダレタレルナ!』 翠が言う。 「うん」 頷いて黄色で何にも垂れてない口元を拭いて、今度はおんなのこをじーっと見つめた。

2013-12-11 16:19:10
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

じぃっと見つめられて笑みが零れる。お菓子に無邪気に喜ぶような子はあの城には居ない。『暴食』はあれでいて人肉と薔薇以外はあまり口にしないし、お菓子好きの『嫉妬』は遠慮しいで自己主張をしない。日向ぼっこが大好きな『怠惰』は強請ることを知らなかった。誰も彼も、求めることには不器用で。

2013-12-11 16:50:43
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「食べて良いわ。『創る』ことは簡単だもの。遠慮しないで幾らでもどうぞ?」 クッキーが食べたくて堪らないのだと言わんばかりの純粋な反応は、新鮮だった。 人差し指をまたくるりと回す。テーブルの上に苺のショートケーキとフォークが『創られ』て、キブリは「どうぞ」と言って紅茶に口をつけた。

2013-12-11 16:51:03
紺青ものえ @almiyy

食べていい、いくらでも、そんな言葉にぱあっと口が開く。 「いた『イッタダキー!』『ワァイ』 パペットはズルズルとクッキーに向かう。もちろん、自分は引っ張られるように身を乗り出して、近づいて。 ツギハギの手がクッキーを掴んで、ばっくりと開いた口に放り込む。

2013-12-11 17:20:01
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