茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1120回「事なかれ主義ではなく、プリンシプルを」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１１２０回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日教えてもらったニュースについて、シンプルなレスポンス。

茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ（１）昨日、@mass_com さんから、「 ミスインターナショナルの吉松育美さんのセクハラパワハラの訴えをどこも黙殺する状況の日本の芸能界はどうなんでしょう？茂木さんも触れられないんですか？」というツイートをもらった。「っていうか、今ぐぐって初めて知ったよ。」だった。

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こぷ（２）それで、ネット上の関連情報を総合するに、ミスインターナショナルの吉松育美さんが、ある人物からストーカー、強迫の被害を受けており、これを受けて、日本国内での主催母体である「国際文化協会」が、吉松さんに、「体調不良」を理由に活動を自粛するように要請した、ということですね。

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こぷ（３）この問題を、二つに分けて考えてみたい。まずは、吉松育美さんのストーカー被害。これは、本当にお気の毒だし、報道される情報に基づくかぎり明らかな犯罪行為なので、警察は断固とした対処をすべきだと思う。ご本人が対応することには限界があるので、周囲が守って差し上げるべきだろう。

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こぷ（４）吉松さんのように、美しく目立つ人に、理由はなんであれ、ストーカーをしてしまう人物が表れること自体は、human natureの範囲内で意外なことではない。世の中にはさまざまな人物がいるのであってその中には極端な人もいる。そもそも人間には自由意志は（おそらく）ないのだし。

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こぷ（５）だから、吉松育美さんがストーカー被害に遭われたのは、お気の毒であるが、この世に生きる限りある確率で起こりうる事態なのであって、もう起こっているのだから仕方がないこととして、警察や周囲の助けを借りてそのストーカー被害を防止、除去することであろう。

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こぷ（６）さて、問題は、国際文化協会が、吉松育美さんに、「マスコミがミスインターナショナル以外のことで騒ぐと困るから、吉松さんは大会期間中、体調不良を理由に自粛してほしい」という趣旨の通告をしたことである。これは明らかな判断ミスであり、愚昧な態度と糾弾されても仕方がない。

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こぷ（７）「国際文化協会」は、「国際交流による｢世界各国との友好・親善｣を目的に、1969年（昭和44年）4月に 外務省（文化交流部）の法人団体として認可され、発足いたしました。」とのことである。今回の判断から推定するに、事なかれ主義の文化があると断是ざるを得ない。

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こぷ（８）日本にはプリンシプルがなく、世間しかない。特に、役所や役所の周りの関連団体はそうである。何しろ不祥事を起こさないことを後生大事に出世してきたような人たちの集まりだから、今回の事件のような際に、最悪の形でことなかれ主義が出る。愚かであり、批判されて当然であろう。

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こぷ（９）ストーカー被害を受けている女性を守らずに、「マスコミが騒ぐと困るから」と、何の落ち度もない本人に、活動の自粛を「通告」する。なんと卑劣で、プリンシプルのかけらもないオヤジたち。同じ日本男子と思われることが不愉快だ。「国際文化協会」は役員を全員交代させたらどうか。

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以上、連続ツイート第１１２０回「事なかれ主義ではなく、プリンシプルを」でした。