140文字の銀土:2013.10月11月まとめ

飯田橋 @iidabasi39

「ん？なに明日って10日なの？ふ～ん。子供の頃は10月10日って言えば祝日でさ。学校休みだ～って楽しみでね。今って体育の日っていつなの？…あぁ第二月曜？連休になるようにってやつね。そうね連休の方がいいよね。世間的には」 「平日でもちゃんと祝ってやっから拗ねんな天パ」#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

金「なぁ、今日アイツ休みなの？」新「アイツ？あぁ土方さんですか？はい、用事があるからって」金「あ、そ…（用事ってなにそれ、今日は店で俺の誕生日のカウントダウンするのに、なんでいねーの）」新「でも12時前に一回顔出すって言ってましたよ」金「あ、そ…（＼(^o^)／）」#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

（同級生銀土）秘密の片思いをしている土方に「明日の放課後、お前の誕生日祝いしよう」って言われた。なにしてくれるのかな？どこに連れてってくれるのかな？ただ一緒に居るだけでも十分幸せだけど。あーもーやばい！楽しみすぎて眠れない！10月11日がずっと来なければいいのに！　#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

日付が変わると俺の誕生日。まだ仕事から戻らない土方を、一人暗い部屋で待つ。いつもは午前様だけど今日は絶対間に合うように帰ってくるから、誕生日になる瞬間にお祝いさせてと言っていた恋人はまだ帰らない。長い針がてっぺんを指すまであと5分…。お願い、嘘つきって言わせないで…#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

『30分待っても来なかったら帰っていい』と忙しい恋人はよく言う。でも帰れるわけねぇじゃねぇか。約束の時間を1時間過ぎてるのに汗だくで待ち合わせの場所に駆けつけたお前をみちゃったら。だから今日もお前が来るまでここで待ってて『遅ェんだよ』っていってやるから早く来てよ　#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

恋人が出来たらやってみたかった事がある。メリーゴーランドの白馬に乗った恋人を柵の外から眺めて回ってくるたびに手を振って笑いあうそんな甘い遊園地デート。土方はそんなん恥ずかしくてできるかって怒鳴るだろうけど。それでも最終的にお願いを聞いてくれるんだからほんとかわいい　#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

「なぁ、メリーゴーランド乗せてやろうか」そういって万事屋は急に床に寝転がるとだまって俺の手を引いた。「…なに？」「銀さん特製土方専用メリーゴーランド。前後には動かねぇが上下には激しく動くんだぜ！！」「…下ネタかよっ！」なんて言いながらも結局乗っかてしまう俺も大概…　#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

「くっそぉぉ！もっかいやるぞ！！」格ゲーにはまった土方が、勝つまで何度も俺に再戦を挑む。「何度やっても俺にはかてねぇよ」わざと挑発的に煽って冷静さを削ぐのが俺の戦法だって気づいてないだろ。そんなに俺に勝ちたいの？俺とお前の恋愛ゲームはとっくにお前が勝ってるってのに。＃同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

真暗な空間にただ一人どこを向いても何も見えなくてその場を動くことも出来ずに蹲ると縋るように小さくあの男の名を呟く。目の前に小さく点滅する光が現れ導かれるようにその光へと駆け出した。「…た！大丈夫か、うなされてたけど」あぁもう大丈夫。いつだって銀色の光が俺を導くから。＃同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

白くてふわふわ、まるで綿菓子みたいなアイツの頭。陽がキラキラと反射して眩しさに目を細めた。触れて見たいと手をのばしかけるがそんな気安い間柄ではないだろうともう一人の俺がその動きを封じる。お菓子をねだる子供のように、あれが欲しいと素直に言えたらどんなに良いだろう… #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

君の大好きな甘い甘いキャンディを目の前でちらつかせて、キスとキャンディどっちが欲しい？なんて誘惑の眼差しで問いかける。キスを選んでくれたなら ご褒美にキャンディをあげるから。だから俺にも甘い甘いキスを頂戴。君の舌で甘く溶けるキャンディのようにこの体も蕩けさせて。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

高架を走る電車の窓から車道を見下ろすと、銀色のベスパが並走しているのが見えた。いつも以上にだらしなく首に巻かれたネクタイと口に咥えられたゼリー飲料に今日も寝坊かと思えば呆れながらも笑みがこぼれた。教室に入る前に準備室に寄って曲がったネクタイでも直してやるか。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

触れたい抱きしめたいキスしたい。可愛くおねだりされたらいつだってどこだって愛してあげる。背中に突き立てられた爪が真白くなる位感じさせてあげるから。その黒髪を乱れさせて喘いで見せて。だけど君は社長の愛人。たかが運転手の俺なんて見向きもしないんだろ？ それが現実。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

万事屋がハロウィンやろうぜと騒ぐので渋々だが今年は参加する事にした。衣装は俺が持ってくから何も用意しなくていいからな！と言ってはしゃいだ顔を見れば、まぁいいかと思うのだから大概俺も奴には甘ェな。そして当日…用意された衣装は黒ワンピに真赤なリボン。魔女宅…だ…と？！ #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

通りの向こうに白い毛玉が二つならんで歩いているのが見えた。時折大きな方の毛玉がもう一人の毛玉にじゃれつくようにすると仕方ねーなと言う様に小さく微笑みながらその頭を撫で返す。飼主と飼犬のごく自然な風景。「何羨ましそうなツラしてんでィ」生意気な部下のしたり顔がムカつく #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

だーれだ、と後ろから目隠しすると坂田、と素っ気ない返事が返される。即答かよと小さく笑って屋上のフェンスに背を預けて隣に並ぶと、夕焼けに照らされた二人の長い影が足元から伸びていた。普段鍵がかかった屋上は誰も来ない二人だけの秘密の場所。誰だなんて問うた処で無意味か。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

プクと尖った紅色の突起を舌で転がしながらどこか冷めた頭でこの一方的で身勝手な行為を嘲笑う。身体だけの関係にしようと言ったのは自分。だって心まで欲しいなんて言ったらきっと…。突起をカリっと強く噛めば土方は息を詰め胸に血が滲む。と同時に俺の胸にもズキンと痛みが走った。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

甘いものに目がない恋人のために仕事帰りにケーキを買った。帰るなり無言で目の前に差し出された箱に「あれ今日って何の日…だっけ？」と困惑ぎみの男。記念日でも誕生日でもないけどなんとなくと返すとぱぁっと一気に喜びの表情に変わる。こいつの笑顔がみたいからなんて言える訳ねぇ。#同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

銀八の戻りを待っていた十四郎はいつの間にか眠っていて、規則正しく響くペンの音で目が覚めた。起こしちゃった？と振り向いた銀八の眼鏡で夕日が反射し、眩しくて目を細める。起こしてくれたらいいのにと呟けば、だって寝顔可愛かったからと笑う男に十四郎の顔は夕日色に染まった。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

歌舞伎町の薄汚い路地裏で天使に出会うとは思わなかった。黒髪に映える白い肌。うっすらと赤みの差す頬と艶やかな唇。可憐で高貴なその姿は触れたら消えてしまうのではないかと思うくらいにその光景は非日常的に思えた。恐る恐る手を伸ばすとその肩がビクリと怯えたように竦められた。 #同題ss銀土

飯田橋 @iidabasi39

ふいに名前を呼ばれたような気がして辺りを見回すが見知った顔は見当らない。気のせいだろうかと田園風景の広がる道の先へ足を進めれば途端に強い風が吹きぬける。その瞬間頭の奥でかすかに『銀時』と響いた。弾かれた様に空を見上げればひらひらと色づいた銀杏の葉が1枚。「…先生？」（お題：銀時）

飯田橋 @iidabasi39

徹夜明けのアイツの為にコトコト煮込んだ暖か野菜スープ。そろそろ帰ってくるかな？ソワソワしながら足音を待つ。珍しく帰るコールで「お前の作ったスープが飲みたい」なんてカワイイこと言っちゃってさ。極限に疲れると甘えモードになってキュって着物の裾を掴むのとかたまんない。

飯田橋 @iidabasi39

自分の金では絶対に泊まれないような高級旅館に呼び出され行ってみれば俺を待っていたのは目隠されて縛り上げられた土方だった。どうしたんだと慌てて詰め寄ると身体中に鬱血の痕。どこかからか響く三味線の音、微かに覚えのある煙管煙草の匂い。一瞬で全てを悟ると腰の木刀をギリっと握りしめた。

飯田橋 @iidabasi39

力の入らなくなった利き腕から離れた愛刀がガシャリと地面に落ちる。ジリジリと間合いを詰めていた敵がここぞとばかりに刀を振り上げた。(もはやこれまでか…)失血で朦朧とし始めた意識の片隅で土方が最期を予感した、次の瞬間。眼前の敵がピタリと動きを止めゆっくりと膝から崩れ落ちるのが見えた。

飯田橋 @iidabasi39

「江戸の平和を担う正義の味方、銀さん登場、なんてな」闇夜にとけるような漆黒の隊服にきらめく銀髪。刀から血を払うと銀時は土方の取り落とした刀を拾い、土方を背にして敵と向かい合った「な…で、お前…」