「スリー・ニンジャズ・アンド・ベビー」#6前編 ――『ニンジャスレイヤー』二次創作小説
- USAGI_koTENGU
- 1992
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●A HAPPY NEW YEAR●2014● ●HAPPY NINJA HEADS● ●LOVE,RESPECT,and LOVE●
2014-01-01 20:32:41サイバーパンクニンジャ活劇『ニンジャスレイヤー』二次創作集『ニンジャ・ラン・ウィズ・ネオサイタマ・ランドスケープ』より。
2014-01-01 20:35:44「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」リヴィングディスパイア連続斬撃!両腕の振動ブレードはさながらサミダレ・レインめいて付け入る隙なし!しかし!「フーンク!フーンク!フーンク!」インペイルメント見事!機動性で劣るザオ・ケンをニンジャ膂力で制御しこれを完全防御!タツジン! 1
2014-01-01 20:38:18さらに!「イヤーッ!いい加減死ね!イヤーッ!」リヴィングディスパイア頭上に炎の輪が花火めいて点火(イグナイト)!怒りの炎が舞い降りる!マッポーの世を燃やし尽くす破壊天使のカトン・パンチが頭頂を襲う!「イヤーッ!」リヴィングディスパイアはこれをバックフリップ回避!距離をとった! 2
2014-01-01 20:40:21「チョコマカと!」イグナイト憤怒!リヴィングディスパイアのヒット&アウェイ攻撃は実際難物。彼女とインペイルメント、軽重二者の攻撃の前に攻守を素早く切り替え対応するワザマエよ!その証拠に、致命傷こそ追わないものの、イグナイトの装束はところどころ切り裂かれ、出血も見られる。 3
2014-01-01 20:42:08「貴様こそいい加減に覚悟を決めたらどうだ?」リヴィングディスパイアが爬虫類めいたメンポの奥でうそぶく。「アァ?なンの覚悟だ!?」「我が弟の死を償う覚悟よ!イヤーッ!」リヴィングディスパイアがその場でテクトニックめいたムーヴ!彼我の距離はタタミ五枚ほど……だが、見よ! 4
2014-01-01 20:44:09SHULALALALALALALALA!リヴィングディスパイアの両腕から振動ブレード分離!ヌンチャクめいた鎖が肘から伸びる!「イヤーッ!イヤーッ!」これぞサベージ・カラテの奥義、ヘルスラッシュ!タツマキめいた猛攻がイグナイトを襲う!咄嗟のテレポートも間に合わぬ!「グワーッ!」 5
2014-01-01 20:46:03「フーンク!」目の前に出現した炎の輪から、ダメージイグナイトが飛び出るのへ手を伸ばすインペイルメント!ガントレット腕で受け止め抱きとめる!そこへ襲いかかるヘルスラッシュ!SHULALALALALALALALA!「フーンク!フーンク!」インペイルメントの重装騎士アーマーを削る! 6
2014-01-01 20:48:03その時だ!「サヨナラ!」ネオサイタマの曇天に響く末期の声!中庭の方からだ!リヴィングディスパイアが連続斬撃ヘルスラッシュの合間に目をやれば、彼らがイクサを繰り広げるアナマズマ総合病院屋上の縁に、美々しいトーガをまとったニンジャのエントリー!尊大なアトモスフィア!プリンセプス! 7
2014-01-01 20:50:12「残るは貴様のみぞ、下郎ヌケニン」プリンセプスはその手に抱えていたものを投擲!「サベージ・カラテ、口ほどにもなし!」リヴィングディスパイアはこれを視認、攻撃の手を止めざるを得ぬ!何故か?卓越したニンジャ視力をお持ちの読者は即座に気が付かれたことであろう! 8
2014-01-01 20:52:10「アアアアアアアーッ!」リヴィングディスパイアは絶叫!飛来した父、タイラントの首を受け取りに走る!そこへ!「フーンク!」大業物ザオ・ケンの横薙ぎ斬撃!必殺の刃紋が迫るのを目にしたリヴィングディスパイアの脳内にニンジャアドレナリン噴出!イクサ現場がスローモーションめいて鈍化! 9
2014-01-01 20:54:12……あの日。違法運送業を営むリクド一家を襲った悲劇は、彼らが請け負った新型ナイトロ燃料の振動爆発であった。オムラ・インダストリの兵器開発部門が発注した新型ナイトロは、開発業者の杜撰な管理体制により、輸送梱包安全基準が規定より一レベル低く設定されていたのである。 10
2014-01-01 20:56:03結果、ドン・リクドと二人の息子、ゴン・リクド、ボン・リクドはキョート-ネオサイタマ輸送路の半ばで、車両上部機銃座が撃ち漏らした暴走殺戮水牛の突進を受けた瞬間、違法トレーラーもろとも爆死……するはずであった。しかしいかなる運命の三女神のきまぐれか、彼らはニンジャとして甦った! 11
2014-01-01 20:58:03彼らに揃って憑依したのは、平安時代のフジ・サン密林地帯を縄張りとした、恐るべきキョウリュウ・ニンジャクランのニンジャソウルであった。彼らは融け合うソウルがもたらすサベージ・カラテを駆使し、バイオ水牛やバイオスズメを殺戮、その血肉を喰らってネオサイタマに帰還した。 12
2014-01-01 21:00:16ナイトロ業者を無残に殺してのけた三人は、すぐさま暗黒非合法組織ソウカイ・シンジケートの知る所となり、三位一体のサベージ・カラテで首魁ラオモト・カンに仕えた。サイバネ義肢によりさらなるカラテを開花させた三人は、恐るべきニンジャハンターの二丁拳銃を退けるほどの強さを見せつけた。 13
2014-01-01 21:02:07しかしソウカイヤは崩壊。彼らがソウカイヤに恭順の意を表しつつ、ともに滅びなかったのは、ひとえに強固な仲間意識によるものであった。マッポーの世に似つかわしくないその結ぼれを、ソウカイ・シックスゲイツは惰弱と嘲ったが、彼らはそれこそ自分たちのカラテの強さの理由と知っていた。 14
2014-01-01 21:04:20……その結ぼれも、もはや近未来都市の暗黒勢力趨勢の前に、重金属酸性雨水たまりのカエルめいて死に絶えた。弟が死に、父が死んだ今、残るリクド一家は、あの日機銃座を受け持ったゴン・リクドのみ。生き延びてなんとする……一瞬の迷いが、リヴィングディスパイアの判断を鈍らせた。 15
2014-01-01 21:06:15クズユプールを泳ぐバイオエイめいて迫る、大業物の刃文に、片足を乗せるリヴィングディスパイア。高速エスカレーター搭乗の際の身体制御めいて、後方に流れるザオ・ケンの刀身にタツジン級ヘイキンテキを保つ彼は、しかし、敵の懐に抱かれた、憎むべき弟のカタキを、一瞬、忘れた。 16
2014-01-01 21:09:56彼は飛来する父の生首に手を伸ばした。サイバネ腕の鎖巻取りリールが逆回転、サイバネブレードを引き戻す。一秒の256分割された一刹那、ニューロンの一瞬きするその間に……タイラント生首の背後に、ぽつり、赤い蕾が現れた。 17
2014-01-01 21:10:11