映画『ジャッジ！』感想

ムー @muu

【2014年劇場映画感想05】『ジャッジ！』。のっけから言っときたい。この映画は地上波放映まで待って、金かけずに観れば十分です。原作ファン故に辛目に評価してるハンター新作劇場版を除けば、今年早くも観てしまった「金返せ」映画。松本伊代ネタで爆笑できたのが唯一の救い。あれだけは笑う

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『ジャッジ！』最後まで観れば役者も展開もロケも金のかけ方も手を抜いていないように見えるんだけど、全てが物足りない。なんとなーく映画っぽく出来ている、輪郭だけの見せかけだけのハリボテのような長時間映像でしかない。鑑賞後は、美味しくない料理を延々食べて腹だけ膨れたような疲労感で一杯…

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『ジャッジ！』「公正なジャッジを！」という主題、題材としては面白いけど、では何をもって公正とするか？というのが全然描き切れていない。例えばTOYOTA、ビール、ちくわ、きつねうどんのCM。どれも色々な評価があって良いのに、この映画自体が強引に正解（な評価）を押し付けてくる時点で…

ムー @muu

『ジャッジ！』TOYOTAは「悪くはない」くらいには思うけどビールCMより明確に上！とまでは思わないし、ちくわのCMはローカルな「味」を「ダサい」と言うのは良いけど「おおい」という日本語部分を捉えて「オオイって何だ？意味不明」と日本語のわからない外国人に評価させてどうすんだよ、と

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『ジャッジ！』実際のCMの良し悪しを誰がどのような基準で決めるのが一般的なのか知らん素人の意見ではあるが、ならば国際的に評価の高いCMというのは映像の見た目だけの話なの？地域ごとの習慣や感性などがNGだと言うなら、ちくわやきつねうどんのCMで勝負する展開自体、話の筋として違うだろ

ムー @muu

『ジャッジ！』きつねうどんのCMはTwitterの口コミ効果で世界的なブレイクを果たす。この展開自体はありそうだし現代風味だけど、本来日本人に向けた商品のCMの筈で、合コン相手の女性達の下した「嫌い」こそが太田喜一郎（だけじゃないが）の「仕事」としての評価ではないのか

ムー @muu

『ジャッジ！』「作品を競う物語」の中でオリジナルかつ「良作」を出すのは難しい（と同時にそういう物語に挑んでいるのだから…とは思う）のは察するも、そこで実際に賞を獲ったTOYOTA CMなんて出されても特別な説得力はない。寧ろこの構造こそ「大企業を蔑ろにできない」というウラを感じる

ムー @muu

『ジャッジ！』ジャンルで言えばコメディなのだが、「公正なジャッジを！」展開に集約していくならば終盤はもっとシリアスに攻めてくれないと「世界で一番いいCMを俺たちが決めているんだ！」という真剣味も責任感も伝わらない。只でさえ「過半数切るか切らないか」でしか盛り上げられない勝負だしさ

ムー @muu

『ジャッジ！』ポスターは三谷映画的「豪華役者勢揃い！」感だが殆ど詐欺みたいなもんで、誰でも良い端役に一応割り当てただけ。この映画ならではの役てのがない。ハマケン・でんでんのバカ息子＆バカ社長コンビだけは、スピンオフで見たいくらいめちゃキャラ立ってたけどｗ VS風間杜夫なのもそそる

ムー @muu

『ジャッジ！』キャラ立てはメイン役者ですら粗雑で、例えば「仕事のできるほうの太田」なんて単なるギャンブル好きでしなかう、広告マンとしての実力を発揮する場面はほとんどない。最後の一票を得るきっかけにしても、元恋人の思い出と言うもその元恋人のエピソードが薄いから、何の重みも感慨もない

ムー @muu

『ジャッジ！』中盤まで引っ張る程の爆発力のない冒頭のウインクとか、全体的に、伏線を回収するたびに「あ、それだけなんだ」という肩透かしな展開ばかり。毒にも薬にもならない環境音楽のようなお粗末感。映画そのものを偽りなく公正にジャッジするならば、「これは悪いものだ」としか言いようがない

ムー @muu

『ジャッジ！』ただまあもう一度書くけど松本伊代だけは笑った。「あの人ああ見えて」のフリ×2がテンポ良くハマる。そして、こういう本人ネタをやるならば「豪華役者をチョイ役で」という趣向は「遊び」として大いにアリ。この映画ではそれが一人のみで、しかも何故か松本伊代だったと言うのも面白い