自分用 0124

枕営業寿さん @020r_bot

まだ…あれから一度も先生のところに行ってない……。ケータイの電源切って、先生には見つからないようにして…、……でも…でも…つかまちゃった……

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ちょっとだけ体調が悪かったから仕事終わったらすぐに帰って寝てたんだよって謝ると、先生は笑って頭をなでてくれたんだ…

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アイドルの仕事は歌ったり踊ったり大変だから疲れちゃったのかなって…言われた……。少しお仕事を減らしてゆっくりしたほうがいいかもしれないね、れいちゃんが体を壊すと大変だし、って……

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若い子も育ってきてるし、れいちゃんが無理することもないんだよって…すごくすごく優しい声で……

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ぼくは…ぼく、……ぼく……

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「ぼく、またせんせとご飯いきたいな…」

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………、……仕方なかったんだ。みんなとの新曲だって出るのに、ぼくが足をひっぱるわけにはいかない

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…だから、がんばる

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「ご飯食べて、愛情いっぱいれいちゃんにちょうだい……せんせが愛してくれるのなら、れいちゃんはなんだってできますから」

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お弁当作って、ランランに持って行ってあげよう。ランランが美味しそうに食べてくれるなら、それだけでぼくはがんばれるから。

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…………。……せんせとのご飯、すっぽしちゃったお詫びとお仕置き。痛くて苦しくて、それでもがんばってたんだけど、人間の体があんなに拡がるんだって始めて知って、怖くて涙が溢れてきた。

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ぼく、せんせからはやっぱり逃げられなかったみたいだ、ごめんねランラン……

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携帯の電源、先生がいれておいてくれたんだって。もう、うっかりしちゃだめだよって。メールがいっぱいたまっているみたいだった。

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そのメールの中にランランからのメールが混じっているとぼくが気付いたのは、先生から解放されて、泥みたいに眠りについて、ようやく起きた次の日の朝だった。

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『今から行く』『仕事が押してんのか』『がんばれよ』『そろそろ帰る。わるい、また今度な』

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朝日にきらめく部屋で、ぼくはぼろぼろでみにくくてよごれていた。泣きたくないのに涙が出て、地割れのような頭痛が涙と共に視界を歪ませる。

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また、メールがきた。

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『おはよう、仕事がんばるぞ』

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ケータイに縋り付いて、何度も名前を呼んだ。一言口にするたびに、重苦しい心が晴れて行ってくれる気がした。

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でもぼくのお腹にはざりざりとした砂利ばかりがたまって、心は重い海の底から這い出てこれない。

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『たすけて、ランラン』……打ちかけたメールはすぐに消した。

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仕事にいかなくちゃ、ゆっくりメールしている時間なんてないんだから。仕事をして、せんせと食事行って、セックスして、お酒のんでまたセックスするんだ。

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ぼくはげんきだよ、ぼくはたのしい、嫌なことなんてなにひとつないんだよ。

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だからぼくからもランランに一通だけメールを送っておいた。

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『今日もがんばりマッチョッチョ☆』