ガムラン氏（@M_Gamelin）による【艦これ×papers,please】SS #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「ふむ。」視察に訪れた高官Dimitriは、検問所内を一通り見渡すと金剛を一瞥した。「君は、ここの審査官だな？」「Yes!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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Dimitriは手帳に何か記入しながら、もうひとつ尋ねる。「つまり、君は私の管理下にあるということだ」「Y...Yes!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「アルストツカ籍の艦娘は原則として同海軍に帰属する、というのが海軍連中の主張だが……そんな馬鹿げた言説は無視するがいい。君の仕事は全て入管省の管轄下にあり、君が従うべき相手はあくまで入管省だ」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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金剛の方を向き、念を押すDimitri。彼の顔には深い皺が刻まれていた。「それにしても艦娘や深海棲艦はすごいものだ。下手な人間より真剣に働いてくれる」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「君にしてもそうだ。5年前、仕事を放棄してオブリスタンへ逃亡したどこかの屑とは大違いだな」Dimitriはこう言うと、1枚の額入りの賞状を金剛へ渡した。『評価　優』と書いてある。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「これは壁に掛けておけ。10日後にまた来るから、引き続き職務に励むように」「Glory to Arstotzka!」「ああ、アルストツカに栄光あれ。」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Next!」高官による視察が終わると、金剛はすぐに入国希望者の審査を開始した。Dimitriからもらった賞状は当然壁に掛けてある。「Papers, please!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「深雪さま、一番乗りぃ！」駆逐艦娘、深雪はパスポートとアルストツカ国民IDカードを提出する。「Well, 誕生日に身長体重、全部OK...」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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提出された書類に問題が無い事を確認した金剛は、そのパスポートへ入国許可を示す緑のスタンプを押した。「Glory to Arstotzka!」「よっしゃ、楽勝！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Next!」「ほいさー！」続いて入ってきたのは軽空母の隼鷹だ。「Papers, please!」金剛の求めに応じて隼鷹から差しだされた書類に、金剛は思わず顔をしかめる。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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パスポートと入国許可証のあちこちに、アルコールか吐瀉物によると見られる染みができているのだ。「So dirty...」文句を言いつつもそこはプロ、こうした汚れは抜きにして審査を行う。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「What is 入国目的？」「えーと、確か観光だったような……」「明瞭に答えてくだサイ！」「あっ、観光観光！これで間違いない！」「How long 滞在期間？」「たぶん半月、じゃないや、半月だな」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「……面倒は起こさないでくだサイよ！」「はい、おつかれさん！」「Next!」半ば呆れ顔の金剛だが、審査基準を満たしていれば入国許可のスタンプはきちんと押すのが入国審査官だ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」「パスポートの更新ぐらいしてきてくだサーイ！」「Next!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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さて、次の入国希望者は駆逐艦の吹雪。「Papers, please!」金剛は彼女からリパブリアのパスポートと入国許可証を受け取ると、早速審査を開始した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「入国目的は何デース？」「ええと、乗り継ぎで」「滞在期間は？」「2日以内……になります」書類に間違いのない事は確認したが、この応答に違和感を感じる金剛。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「何だか声質がいつもと違いますネー！」「あっ、その、実は風邪をひきまして」「…………」吹雪の声色をもう一度聞いて何かを確信した金剛は、デスクの中から昨日の新聞を取り出す。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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そして新聞のある面を開くと、それを吹雪へ見せた。「By the way, 吹雪サーン、リパブリアではこういう事があったみたいですヨ！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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『リパブリアの有名俳優に殺人容疑　本人の行方はわからず』この見出しを見た吹雪の表情が凍りつく。「...Oh, 図星デスか？分かりやすくて助かりマス」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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金剛の言葉に、吹雪――に変装していた俳優――は観念したように口を開く。「まあ聞いてくれ、俺は罠にはめられたんだ……リパブリアのマスコミや警察が言ってる事は全部嘘っぱちだ！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Hmm, 女装して艦娘用の検問所から逃亡するっていうのは独創的なアイデアですケド、そういうコトは法廷で言うべきじゃないデスかネ？」「リパブリアの腐敗しきった司法が信用できるとでも思うのか？」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「とにかく通してくれ、頼む！後生だから！」「No, no, no!」ニセ吹雪がガラスに両手を付いて頭を下げても、金剛はにべもなく首を横に振るばかり。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「ここは艦娘と深海棲艦のための検問所デス！人間サンはそっち用の検問所へ行ってくだサーイ！」「人間側の国境にはもう手配書が回ってる筈だ、そんな」「Youの事情は関係ありまセン！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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なおも検問所へ居座ろうとするニセ吹雪を排除すべく衛兵を呼ぼうとした金剛だが、ここである事に気づいた。艦娘への変装ぶりは見事とはいえ、相手はまぎれもなく人間だ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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ここの衛兵が持つ艦娘や深海棲艦を取り押さえるための武装が、それより脆弱な体を持つ人間に対し使われれば、大怪我はまず間違いないだろう。場合によっては死に至る可能性すらある。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局