(´･∀･`)めっつ兄弟(‘◇‘)

あやがいる(仮)🕺3y @amoreayakari

【1話】神田・秋葉原・立川・浦和・川口・大宮・荻窪・津田沼・横浜・原宿・長津田・松戸・池袋

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「グゥゥゥ～」 朝起きてすぐに、 無性に天丼が 食べたくなった僕は、 出かける準備をした。 いつものようにそれを持って、 靴をはこうとした時、 玄関のチャイムが鳴った。 続きは、渋谷駅で。

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【２話】渋谷駅 僕はチャイムに驚き、 チェーンをしたままで玄関を開けた。 そこには 息を切らした 弟が立っていた。 「追われてる！ 一緒に逃げてよ、アニキ！」 続きは、新宿駅で。

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【４話】四ツ谷駅 なぜか今、僕は、 弟の背中を追いかけ走っている。 つかれて、少しスピードを落とした。 「ダメだ！アニキ、 追いつかれるぞ！」 鬼のような形相で 振り返った弟が叫んだ。 こんな弟は見たことがない。 続きは、東京駅で。

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【5話】東京駅 「おい、誰に追われてるんだ？」 この状況を知りたくて、 僕は訊いた。 先を走っていた弟が 急に止まった。 僕たちは危うく ぶつかりそうになった。 続きは、有楽町駅で。

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【６話】有楽町駅 「助かるには、 逃げるしかない」 弟は真剣だった。 「だから、一体、 誰に追われて…」 僕が言い終わらないうちに、 弟は、また走り出した。 続きは、浜松町駅で。

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【７話】浜松町駅 走り出した弟は叫んだ。 「ぜんぶ、アニキのせいだ！」 意味が分からないまま、僕は追いかけた。 「だから、何が？」 ？？？ 続きは、新橋駅で。

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【８話】新橋駅 何かに 怯えているような 弟の背中から、 僕は離れることが できなかった。 僕たちが、無言で１時間ほど 走り続けた頃だった。 空に茶色の雲が広がった。 続きは、目黒駅で。

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【９話】目黒駅 僕は叫んだ。 「なんだ、これは！」 弟も叫んだ。 「アニキ、そいつだ！ そいつに追われてるんだ！」 続きは、武蔵小杉駅で。

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【10話】武蔵小杉駅 「コレは？」 上空に、 茶色い塊が浮かんでいた。 「肉だよ、アニキ」 怯えるように、弟が答えた。 「肉？」 「上カルビだ…」 「は？」 何を言っているのだ、弟よ。 続きは、町田駅で。

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【11話】町田駅 「上カルビに 追われてるんだ。 オレに吸収されようと してるんだよ」 弟が 何を言っているのか、 僕には分からなかった。 続きは、品川駅で。

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【12話】品川駅 「上カルビが、なぜ？」 僕は訊いた。 「食べたからじゃないか！」 弟が逆ギレ気味に答えた。 続きは、船橋駅で。

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【13話】船橋駅 茶色い塊が、弟の体に同化しようとしていた。 「アニキ、ダメだ。 コイツ、オレの一部に なっちまう…」 諦めたように弟が言う。 兄である僕には、 どうすることもできなかった。 続きは、西日暮里駅で。

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【14話】西日暮里駅 「そういえば、ボクも上カルビを食べたのに、何故、弟だけが…」 その時、僕の耳の奥で、「シュパンッ！」という音がした。 続きは駒込駅で。

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【15話】駒込駅 「そうだ！」 僕の中で、 すべてがつながった。 手に持っていたものを、弟に差し出した。 「これだよ」 続きは、巣鴨駅で。

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【16話】巣鴨駅 「これだよ」 僕が手をひねると、 「シュパンッ！」と 激しい音がした。 弟だけではなく。 彼に同化しようとしていた 上カルビも驚いた。 「すごい音だ！」 続きは、錦糸町駅で。

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【17話】錦糸町駅 驚いた弟が叫ぶ。 「コーラなんて 飲んでる場合か！ この脂肪を どうにかしてくれよ。 アニキ！」 僕は弟の肩を掴んだ。 「いいか、よく聴くんだ」 続きは、御徒町駅で。

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【18話】御徒町駅 弟の目を見て、僕は言った。 「これは、ただのコーラじゃない」 「じゃあ、 どんなコーラなんだ？」 怪訝そうな弟に、 僕は繰り返した。 「ただのコーラじゃない！」 続きは代々木駅で。

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【19話】代々木駅 僕の言葉を遮るように、 弟は言った。 「フンッ。知ってるよ、アニキ。 カロリーゼロとか、 糖類ゼロって言いたいんだろ？」 すべてを知っているような態度に、 僕はキレた。 「シャラ～ップ！聴きたまえ！」 続きは、大崎駅で。

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【20話】大崎駅 僕は涙ながらに訴えた。 「何もわかっちゃいない！ オマエは何もわかっちゃいないんだ！」 「先生…」 なぜだか弟は、ボクに先生と言った。 青春ドラマのような展開に 一番驚いたのは、 他でもない、 弟に同化しかけていた上カルビだった。 続きは、中野駅で。

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【22話】高円寺駅 「それが、 特保コーラなの？」 眩しそうに弟が訊く。 「脂肪の吸収を抑え‥」 僕が言い終わらないうちに、 弟はそれを奪い取り、 飲んだ。 続きは、阿佐ヶ谷駅で。

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【23話】阿佐ヶ谷駅 「ふつうに美味しい…」 弟がつぶやく。 「そうだろう」 「特保の味は苦手…って、 なんで今まで 決めつけてたんだ」 弟の目に光るものがあった。 兄である僕は、 気付いた。 続きは吉祥寺駅で。

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【24話】吉祥寺駅 その時、僕は気づいた。 弟に同化しかけていた上カルビが シュルシュルと音を立てて 縮小していくことに。 ２人は微笑み合った。 そして抱き合った。 まるで20年ぶりに再会した 兄弟のように。 続きは、西荻窪駅で。

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【25話】西荻窪駅 弟の両肩をつかみ、僕は言った。 「実は、オマエが飲んだのは、 前の味なんだ、弟よ」 「前の？」 「そう。新しいのは、 さらに美味しく なったんだ」 僕はポケットから、それを取り出した。 続きは、国分寺駅で。

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【26話】国分寺駅 「新しい…って？」 弟は、狐につままれたような顔だった。 「この３月に、完全リニューアルしたんだ。 パッケージも、味も、炭酸感も、 すべてがパワーアップ！」 僕は悦び、あの有名な印籠のように、 新しいボトルを突き出した。 つづきは三鷹駅で。