提督が打ち上げられていたヲ級を拾ったようです

思いつきを書き起こしたものを、ログ遡るのが大変になる前にまとめておく。
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ながら @Nagara_KDZK

損傷・座礁した記憶喪失のヲ級を、敵艦と知らずに自宅に連れて帰ってしまう提督。記憶が戻ってしまい現状が壊れるのを恐れるヲ級と、不審を感じた鎮守府所属艦隊が放った偵察機。さあ帝都の明日はどっちだ。(悪党)

2014-03-11 18:23:36
ながら @Nagara_KDZK

最近提督がおかしい、と言い出したのは大鳳だった。独りだからここで寝泊まりした方が楽だ、と言って週の半分は鎮守府の仮眠室で眠っていた彼が、毎日退勤しているという。「女でもできたんじゃね?」と天龍が言い出したときは全艦が笑い飛ばしたが、疑惑は大きくなるばかりだった。#twnovel

2014-03-12 01:02:40
ながら @Nagara_KDZK

「ねえ不知火、退勤後の提督の行動について、何か知ってる?」「いいえ、特には」基本的に私たちは鎮守府の外には出ない。この街から出ないでいいようになっている。提督ですら休みの日も毎日ここに来るくらい、ものと設備が揃っていた。私を含めて所属艦の疑いも徐々に大きくなる。 #twnovel

2014-03-12 01:06:55
ながら @Nagara_KDZK

ついに痺れを切らした利根さんが「索敵機の出番じゃな」と偵察機を準備し始めた。「さすがにそれは独断が過ぎるんじゃない?」「ん?陽炎は知りたくないのか?」「それは、知りたいけど…」一瞬の迷いの間に、カタパルトから打ち出されていく水上機。戻して、とは言えなかった。 #twnovel

2014-03-12 01:10:40
ながら @Nagara_KDZK

「全機未帰還ってどういうこと?!」愛宕さんが青ざめるのも無理ない。ただでさえ無断出撃で胃が痛いところに、内陸部に向けた索敵機が全機未帰還という事態は、防衛線のほころびを疑わせる。いかに無断出撃の動機をぼかしてこの危機を軍令部に報告するか、彼女ならずとも頭が痛い。 #twnovel

2014-03-12 01:19:45
ながら @Nagara_KDZK

いずれにしても、この事態は翌朝には提督の知るところとなると思う。今はただ、この危険が、退勤後の彼の身に及ばないことを願うだけだった。(1.Side 陽炎 了) #twnovel  件の「拾いました」ネタをちょっとだけ書き起こしてみた。なお今作は積んどけに無関係。気が向いたら続く。

2014-03-12 01:27:02
ながら @Nagara_KDZK

[Side WO-class]それは、奇跡というにはあまりにも悪意に満ちた偶然だった。いや、途中までは、紛れもなく幸福だった。彼はなんの縁もないはずの私を連れ帰り、行き場のない私に居場所をくれた。不器用で無防備でも、たしかに彼は私の居場所だった。つい4日前までは。#twnovel

2014-03-12 23:24:44
ながら @Nagara_KDZK

けれど、悪夢はその瞬間やってきた。耳慣れた爆音は、そのときまで失っていたものを、私に呼び戻してしまった――記憶というものを。後から彼に聞いたところ、鎮守府近海に現れた深海軽空母の艦載機が市街地上空に紛れ込み、局地戦闘機隊に迎撃されたのだという。 #twnovel

2014-03-12 23:30:14
ながら @Nagara_KDZK

軽空母は、時をおかずして大破撤退したそうだ。わずかに安心してしまった私に、自己嫌悪の情がわき上がる。悟られてはならないのに。――いや、撃沈されていた方が良かったのか? 少なくとも、何かに突き動かされるように戦う日々からは解放される。 #twnovel

2014-03-12 23:33:32
ながら @Nagara_KDZK

そう、私は撃沈されたはずだった。艦載機を全て失い、目前に迫る赤い目の敵駆逐艦によって装備も装甲も失い、頭上の水面を遠く見送ったのを覚えている。気がついたときには、この家に寝かされていた。四日前までの私は、ここまでの記憶を失っていた。 #twnovel

2014-03-12 23:38:22
ながら @Nagara_KDZK

目覚めたときには長襦袢一枚だった。そしてこの家には彼しか住んでいない。さすがに容認しがたいものを感じたのでしばらく根に持つことにした。海水で冷え切っていたとはいえ、意識のない深海空母、装備を失っていたから気づかなかったかもしれないが…いや、今はそれは問題ではない。#twnovel

2014-03-12 23:44:20
ながら @Nagara_KDZK

いずれにしても、彼との生活はもはや失うことなど考えられないほど重要なものになっていた。それは、記憶が戻ってからも変わっていない。自宅周囲の人々とも、それなりに付き合いもできた。私はこのまま地上で生きる、と思っていた。#twnovel

2014-03-12 23:54:39
ながら @Nagara_KDZK

「どうして、これが、ここに…!」離れの物置に、それはあった。海底に沈んだと思っていた、私の、装備。彼は、これを着た私を回収したというのか。私を軍令部に差し出すのか?そのつもりならもうやっている。私を一人で家に残しもしないだろう。つまり彼は、私を敵と知った上で… #twnovel

2014-03-13 00:00:11
ながら @Nagara_KDZK

だとしたら、この生活は、きっと、この先も…「何を考えているんだ私は!」。装備を物置に再びしまい込む。これを身につけて呼べば補充の艦載機は飛来する。艦隊も私の位置を把握する。海に戻ることもできる。けれどその選択をするには、私はあまりにこの居場所に深入りしすぎていた。#twnovel

2014-03-13 00:05:16
ながら @Nagara_KDZK

日の落ちた頃、家に近づく編隊を私の感覚がとらえた。感覚は、上空から接近する編隊を示している。やり過ごそうと屋内に籠もったが、水上機は上空で旋回を開始している。私の存在が発覚すれば、彼も無事では済まないだろう。情報を持ち帰らせるわけにはいかない、と私は思った。 #twnovel

2014-03-13 00:18:18
ながら @Nagara_KDZK

いったいどこから漏れたのか。彼が私を見捨てたのか、という疑問は全く持たなかった。仮にそうであったとしても、もし彼が直接それを伝えてくれれば、私は従っただろう。今は、まだ、その言葉を聞いていない。離れにたどり着き、装備を身につけた私から、黄色の光がゆらぐ。 #twnovel

2014-03-13 00:23:34
ながら @Nagara_KDZK

装備の内側から、歓声が上がった。わずかに残っていた艦載機たちが、久方ぶりの出番に猛る。上空の水上機が動揺を見せる間もなく、私は命じた。「生かして帰すな」と。今はまだ、私はここから、離れたくないのだ。[Side WO-class・1 了] #twnovel

2014-03-13 00:28:14
ながら @Nagara_KDZK

…勢いで続けたけど、どうすんだこれ?! 当初予定だと提督は正体知らないはずだったのに、「私は敵です」「実は知ってた」どころですらない有様に。あとヲ級はフラなのでレーダー積んでるし夜間戦闘も問題なくできるということで。

2014-03-13 00:31:33
ながら @Nagara_KDZK

あと「全て失った」はずの艦載機が復活してるのはどういうことなのかなー(リアルタイムで書いてるので素で間違えている

2014-03-13 00:33:03