- akinosora_
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⑧でも、どんなシステムでもそうですが、あらゆる事態に適切に対応できるわけではないんですよね。とりこぼすものもあります。一例を出すと、企画の段階では面白そうだったけど、書いてみたら思ったよりつまらんぞ……という事態(当然可能性としてありえますよね)。
2014-03-17 20:20:53⑨つまり、企画は面白く見えるけど、失敗しちゃったってケースですね。その逆で企画書として読んだらこんなの無理に決まってるだろって思ってしまうものもあるんですね。今回の『不戦無敵』もそれでした。企画として見ると問題が目についてボツになりました。
2014-03-17 20:22:03⑩ただ、繰り返しになりますが、僕の中では、これ、小説の形で見てもらえればそういう欠点とかそこまで気にならんだろうなあという意識がありました。ただ、それを証明する手段がないわけです。企画しかなくて完成品の小説がないですからね。せいぜい自分の頭にしかない。
2014-03-17 20:24:11⑪ならば、完成品を作ってやればいいわけです。『不戦無敵』を書きはじめました。これは仕事ではなくて、「趣味」です。仕事依頼なんて誰からも受けてないわけですからね。
2014-03-17 20:26:32⑫ほかの同業者の方がどうされてるかはわかりませんが、森田の場合、空き時間に趣味で小説を書いてます。特殊な機材が必要ないので安上がり・場所もとらない・もしかしたら出版できるかもしれない――といいことづくめです。
2014-03-17 20:27:25⑬余談ですが、去年もいくつか趣味で原稿を書いていて、『不戦無敵』の前にも百合とレズの小説を二つほど書きました。百合のほうは日の目を見る確率がどうもありそうな予感ですので、その時はよろしくお願いします。レズのほうは内容的に色々とアレなので難しいです!
2014-03-17 20:28:55⑭ちなみにどっちの小説も一言で内容とか面白いところとかを説明しづらい作品です(デビュー作からしてそうだけど)。当然、面白いところをアピールしないといけない企画会議とかには不向きなわけです。そういう小説は、最悪、先に書いて面白いと納得してもらうしかないんかなとなんとなく考えてます。
2014-03-17 20:30:07⑮もちろん人によってとらえ方は違うと思うのですが(思いっきり、市場分析して書く人も当然います)、応募原稿のつもりで「これは面白いんや!」って自分を信じて書いて、初めて得られるタイプの充実感もあるんで、趣味で書くのも楽しいですよ。
2014-03-17 20:33:37⑯そんなに空き時間ねえよと言われるかもしれませんが空き時間なんてできるものじゃなくて作るものやし、塵も積もればなんとやらで、毎日2ページ分だけ書いても120日ぐらいでラノベ一冊分なんで、全然非現実的な数字じゃないですよね。脱線が長すぎた。戻ります。
2014-03-17 20:35:17⑰それで『不戦無敵』をひたすらこつこつと書いたわけです。けっこう、ダークな部分やハードな部分が多いです。おそらく、自分から勝手に書いたせいなんでしょう。ただ、そういうアクの強い部分が多いほうが絶対面白い原稿もあって、今回はそういうタイプの原稿だなと思っております。
2014-03-17 20:37:52⑱そして、空き時間にちょっとずつ書いていたものが7月30日に完成しました。完成といっても本にするには改稿回数も少ないし、ページ数も少ないですが、とりあえず読んでもらう分には問題ない原稿ができました。星野さんに書いちゃいましたと言って、送付しました。
2014-03-17 20:38:48⑲この時点では出版されることまで考えてません。順当に考えれば地下鉄の話になるはずです。ですが、状況が急変。たぶん8月だと思うのですが、打ち合わせの時に、星野さんに地下鉄やめて、『不戦無敵』にしようと言われました。
2014-03-17 20:39:53⑳森田「いいんですか、これで? かなり変な話ですよ。暗殺能力持ってる異能力者が金に困って本当に暗殺するような話ですよ。しかも一部シーンにライトノベルにふさわしくないシーンとか混じってますよ(このシーンはあとで修正しました)」
2014-03-17 20:41:0621 星野さん「たしかに変な話ですが、冷静に考えたら地下鉄で戦うほうが変な話なので、まだこっちのほうがマシです。どっちかというと、地下鉄の小説のほうが人を選びますよ」森田「まあ、この地下鉄の企画、、都内住んでる人しか意味わからないですしね」
2014-03-17 20:44:1322 星野さん「なので、この異能力バトル(?)で企画会議に出します。企画書を作ってください」小説が先にあって、あとづけで企画書を作るという逆転した展開に! 企画書出した、通った!
2014-03-17 20:47:0423 というわけで趣味で書いた小説が世に出ることになりました。このあと、改稿を何度かしたり、イラストレーターさんが決まったり、いろいろありましたが、改稿で変わったことなどを軽く触れます。
2014-03-17 20:48:0124 まず、さすがにあかんやろというシーンなどは変更しました。端的に言うと、趣味で書いたときは作中で子供が生まれてたりしてたので、そういうところは若干変えました。今になって思うと、自分は出版する気があったのか割りと謎です。
2014-03-17 20:51:0325 あと、少し序盤にシーンなど増やしましたが、展開は本当にそのままやなという感じです。むしろ、星野さんの意見で初稿より毒がきつくなったところも多数あります。こんなこと書いていいのかというシーンがもしあったら星野さんの意見のせいということにしてください。
2014-03-17 20:53:4326 そんなわけで、一回ボツになったはずの企画を、趣味で書いたら本になったという、今年の大相撲トーナメントで初戦で行司のミスで負けと言われて一度帰りかけた碧山が勝利になり、そのまま勝ち進んで優勝したみたいな、逆転劇でした(極めてわかりにくいたとえ)。
2014-03-17 20:55:4827 以上、特殊なケースなので、参考になりづらいですが、自分がこれは面白い!と思ったら、書いてみたほうがよいというお話。頼まれてもないのに書いたものだからこそ、表現できるものもあるはず。逆に表現できないものもあるだろうけど。
2014-03-17 20:57:3728 内容についてはあらすじに書いてあるのですが、せっかくなのでちょっと宣伝を。一言で言うと、異能力者の主人公が主人公らしくない葛藤や問題にどんどん巻きこまれていく話です。これ、疑似的な私小説ではないのかと言う人が読んだ人の中に出そうですが、フィクションです。
2014-03-17 20:59:1929 倒すべき敵がいれば、そいつを殴ればいいのだけど、現実には、殴って解決する敵なんていない。どっちかというと生活することのほうが大事で、生活をしようとすると、いつのまにか暗殺者をやることになって極悪人になってしまうという……まあ、そこから二転三転するのですが。
2014-03-17 21:01:0130 なんだかんだでいい話になってますが、こいつ、ただの人間のクズじゃないのか、正義でもなんでもないんじゃないかと思う人が出てきても全然いいと思います。敵の立場の奴から小説書くこともたぶんできるんじゃないかなとも思います。
2014-03-17 21:02:3631 ラストはなんだかんだで夢があって、けっこう爽快なものになったかと思います。本当に面白いですので、是非ともよろしくお願いします! あと、特典などを書きます。
2014-03-17 21:03:4332 『不戦無敵の影殺師』特典情報です。とらのあな、COMIC ZIN、まんが王、TSUTAYA、ゲーマーズは書き下ろしSSペーパー(各書店さんで別の小説です、とら、アニブロ、CCCは一部実地していない店舗も)・アニメイトはにぃとさんの描き下ろしペーパーです。SS書きまくった!
2014-03-17 21:05:04