茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1198回「そこにいることが、学びの素になる」
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そま(1)昨日、『題名のない音楽会』の収録にうかがった。佐渡裕さん(@yutakaSADO_news)がMC。会場のオペラシティに到着したとき、ちょうど一本目の収録中で、舞台袖に、なんだかすばらしい音が響いてきていた。モニターを見たら、なんと、子供たちが立ち上がって演奏している。
2014-03-27 07:19:11そま(2)佐渡裕さんが兵庫県立芸術文化センターで情熱を注いで育てている、スーパーキッズオーケストラ(SKO)のメンバーたちだった。技術もすばらしいが、伝わってくる音の熱量が大きく深く、伸びやかで、佐渡さんとステージで響き合っている様子が、舞台袖にも伝わってきた。
2014-03-27 07:21:02そま(3)一本目の収録が終わり、私が出演する二本目の収録になった。マエストロ、佐渡裕さんと握手して再会を喜ぶ。ずいぶん背の高い人がいるなあ、と思ったら、それが、ピアニストのニュウニュウさんだった。若くして楽壇にデビューして、「神童」と呼ばれてきた人である。
2014-03-27 07:23:28そま(4)出演は、加えて、桐朋学園大学教授の西原稔さんと、テレビ朝日アナウンサーの本間智恵さん。テーマは、モーツァルト。ニュウニュウさんは今16歳だが、その16歳の時に、モーツァルトが作曲したピアノ協奏曲が、メインの曲目である。
2014-03-27 07:25:25そま(5)さて、『題名のない音楽会』(@daimeiofficial)の収録は、MCのお二人と私たちゲストがオーケストラの前でいろいろお話をして、さて、と演奏に行く時には、舞台の端の方にあるスツールに座って、音楽を聴く。私は、西原先生、本間アナと一緒に、演奏を聴いた。
2014-03-27 07:27:17そま(6)ピアノ協奏曲。佐渡裕さんが指揮をして、スーパーキッズオーケストラが演奏をして、ニュウニュウさんがピアノを弾く。その様子を見ていて、これはすごいな、伝わっているな、響いているな、時々刻々成長しているな、ということが見て取れて、とても贅沢な時間だった。
2014-03-27 07:28:25そま(7)ニュウニュウさんが、そこにいて、ピアノを弾いているということ。佐渡裕さんが指揮をしているということ。その人が、生身で、その場所にいるということで、伝わってくるものがある。それが、最大の学びになる。SKOのメンバーが、学びの栄養を吸収して伸びていくのがわかった。
2014-03-27 07:29:38そま(8)ベルリンフィルのメンバーにこんな話を聞いたことがある。ある時、リハーサル室で演奏していて、音楽が変わったな、と思ったら、入り口にフルトベングラーが来て、たたずんでいたという。ある人が、そこにいることで、何かが変わる。実際にそんなことがある。
2014-03-27 07:30:54そま(9)夏目漱石の下に多くの門人が集ったのも、同じようなことだったのだろう。あるいは、仏陀の周りに多くの弟子が集まってきたことも。そこにいることが、学びの下になる。だから、近くにいたい。生身の人間が持つ感化の作用を、『題名のない音楽会』の収録で、目撃したのであった。
2014-03-27 07:32:32