【紫煙天龍】天龍の一日禁煙体験【エイプリルフール】
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「嘘で侵入して嘘でおれを追い出して、嘘で禁煙させたか…姉ちゃんよぉ、四月馬鹿ってのはな、相手を傷つけたり困らせる様な嘘はご法度だ。お前さんの嘘は、相手を傷つける嘘だ。長門、入れ」提督は縛ってあった女のロープをほどき始めた
2014-04-02 00:30:22「長門、腕だけ縛っておくからロープを持っておいてくれ、こいつが妙な真似をしたら腕の1本くらいまでは許す」「了解だ」「木曾、執務室の確保を頼む。必要なら何人か戦艦連れて来い」「おう」「じゃあお前はこっちに来い」
2014-04-02 00:35:22提督が女を連れて来たのはさっき開放するって言った食堂前の喫煙所だ。うじゃうじゃ居るな…。「お前ら待たせたな!喫煙所開放の時間だ!」自然と拍手が起こる、数時間ぶりのたばこだ、そりゃ喜びも普段の数倍だろうさ
2014-04-02 00:40:22「ところでお姉ちゃんはたばこ吸うのかい?」「吸わないわけではないが…」「じゃあ中入れ。長門、ロープほどいてやれ、その代わりお前はこいつの近くに居ろ、何かあれば腕と言わず好きなだけ骨を折れ」「腕1本までにしておくさ」冗談に聞こえないな、どっちも…
2014-04-02 00:45:21早速集まっていた連中でたばこを吸う。たばこの好みやちょっとした出来事、明日のメシ、色んな会話が聞こえてくる…あの女は大人しくしてるみたいだな。ふむ、ピースライトが好みなのか、暁が気になってるみたいだ
2014-04-02 00:50:21折角だしチェーンスモーキングしようか…「ねぇお姉さん、ピースが好きなの?」「あ、あぁ。そうだが…」「暁も好きなのよ、ピースライト」「でも暁姉さんは甘いたばこ以外は吸えないんだよね」「ちょっと響!?」「はわわ、暴れちゃ駄目なのです!たばこ持ってるのですよ!?」
2014-04-02 00:55:21「さて…」提督が女の前に仁王立ちする。「どうだ、うちの喫煙所の雰囲気は?」「軍の施設としてはだらけきっている、だが…温かい」「そうだろ、皆ここで息抜きして、ここで英気を養うんだよ。間宮の次に人気の息抜きがたばこなんだ」
2014-04-02 01:00:35「おれ達愛煙家にとってたばこは趣味であり、生活の一部であり、食事と同じくらい重要な時間だ。人間も艦娘も変わらない、同じ物が好きな人間が集まれば会話が生まれ、連帯感が生まれる。そしてそれは実戦での連携にも繋がることさえある」
2014-04-02 01:05:22「私は彼女達をただの兵器として見ていた、感情移入すれば轟沈がただ辛くなる」「だがその感情移入はお互いの間に生まれる、こっちが帰って来て欲しいと思うのと同じく、向こうも帰って来たいと思う。それが勝利にも繋がるし、敗北しても全員帰って来る」
2014-04-02 01:10:24「確かにこいつらの存在意義は大本営側としちゃあ兵器だろうさ。だがおれにとってはただのたばこ仲間だ。こいつらと過ごす時間が好きでたまらないのさ、おれは」2本目のわかばに火を着けながら提督は続ける
2014-04-02 01:15:21「必要なら大本営の偉い連中に伝えておけ、『何があっても今の体制は変えない、どうしてもと言うなら戦争を終わらせるまで待て』とな。ところで姉ちゃんコーラは好きか?たばこ吸いながら飲むコーラは美味いんだよ、一本奢ろう」
2014-04-02 01:20:21「コーラ飲みながらわかばやアメスピを吸うのが一時期マイブームでした」
by提督
その後はただたばこを吸って、嘘吐きのクソアマをタクシーに乗せて解散になった。明日からは全部元通り、か…「ところで提督は今までどこに?」「大本営から呼び出しって嘘つかれて出向いたら、あの姉ちゃんの仲間に捕まって…」「監禁?」「手厚い歓迎を受けた、葉巻美味かった」
2014-04-02 01:25:22「手厚い待遇って…それならなんでボロボロなんだよ?」「逃がしてくれないから2・3人ボコボコにして抜け出した、ここの警備態勢は熟知していたが侵入するのに手間取った、そんなとこだ」「後は?」「あの女と揉み合いになって殺されかけた」「おい」「アイツ昔特殊部隊に居たそうだ」
2014-04-02 01:30:22「ふぅ…やっと部屋に戻って来れた…」「天龍ちゃん、お疲れ様。おやすみ~」「あぁおやすみ」酷く疲れた…明日は…提督の買い溜めから…何か開けさせよう…皆、エイプリルフールはどうだった?俺はもうこりごりだよ…
2014-04-02 01:35:21