#傭兵鎮守府まとめその４

Akaya The Red @akaya_sousi

ゼノギアス　　つわものどもが夢のあと (5:08) http://t.co/zmxgqd6Req #nm3232267 #傭兵鎮守府 の基本ＢＧＭ

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ボケーっとしながら最下部のドックで釣竿を垂らしている。多摩を横に座らせて、いい魚が釣れたら食わせたり遊ばせたりして遊んでいたが、太平洋のど真ん中の癖に良く釣れる。おかげで多摩も腹一杯になったらしく今はリリースしている。後ろを見れば、ユグドラシルが乾ドックで修理中だ。#傭兵鎮守府

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「飽きたにゃ」多摩がそう漏らしたので、竿を上げる。元々暇潰しのつもりだったし、修理の進捗も見れたので良しとする。「提督さーん」竿と椅子を持って多摩と歩いていると、親方がこっちに走ってきた。何やら急いでいるようだ。「先に戻っていいぞ」「了解にゃ」「釣りしてたんですか？」#傭兵鎮守府

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「割と釣れたよ」「ほう、私も今度ご一緒しても良いですか？」「勿論。で、用事は？」「ああ、忘れる所でした。ユグドラシルなんですが、修理が不十分で……」「機材が足りない？」「そうです。装甲板は直りましたが、耐水処置や潜水機構がここでは直せないんですよ」#傭兵鎮守府

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「参ったな、隠密行動が取れない」「はい。ですから、一度あそこの大型ドックへ戻って修理がしたいのですよ」「どのぐらいかかる？」「耐水処理と潜水機構の修復だけなので、せいぜい一週間あれば」「ふむ……分かった。なら、ユグドラシルのみであっちに一旦戻ってくれるか？」「ええっ」#傭兵鎮守府

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「すまないが、輸送の依頼があるからな……一週間となると期限が過ぎてしまう」「成る程。それでは、依頼が終了してからあちらのドックへ戻る事にしては？」 「何でだ？戦闘になったらどうする」「戦闘事態には耐えられます。ただ、特殊過ぎるんです、あの艦」#傭兵鎮守府

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「特殊？」「ええ。我々の知る“艦”とは違った、何か……特別な技術が使われているんです。この海上リグも。だから修理するにも、一度じっくりと調べたいんですよ、我々が使える技術で」「……そうか、ならしょうがない。ハワイへの輸送を済ませてからにするよ」「ありがとうございます」#傭兵鎮守府

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航行中、何度か深海棲艦の妨害に遇いながらもなんとかハワイに辿り着いた……と言いたかったが、当のハワイの状況は最悪だった。真珠湾には破壊された艦が大量に打ち捨てられており、周辺施設もほぼ壊滅。どうやら一足遅かったか。『こちらハワイ駐留軍、そちらの所属と部隊名を名乗れ』#傭兵鎮守府

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「生存者がいるのか？」『すまない、先に所属と部隊名を』「ああ、こちらは横須賀鎮守府所属独立部隊、Raven-Fleetだ。組合からの依頼により、支援物資を輸送してきた。受け入れを頼む」『照会中、少し待て』通信の向こうは随分と若い兵士のようだ。声から疲弊が伺える。#傭兵鎮守府

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『照会完了、支援に感謝する。そのまま湾に着岸は可能か？』「可能だ」『了解した、着岸後我々の部隊が物資の受け取りに向かう。しばし待機されたし』「了解、着岸する」湾の中でも比較的損害の少ない部分を選び、着岸させる。しばらく待機していると遠くからトラックが何台か走ってきた。#傭兵鎮守府

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「アメリカ海軍第１３９部隊隊長、ハーマンです。輸送任務に協力して頂いたことに感謝します」早速、責任者が合いに来てくれた。が、体中包帯を巻いて、BDUは所々血がにじんでいる。どう見ても、これから戦闘をして勝てるという雰囲気ではない。「いえ、遅れてすみません」#傭兵鎮守府

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「組合の方から話は聞いています。そちらも大変だったようで」「ここに比べれば損害は軽いもんですよ」軽く見回すだけでも、瓦礫や破片が散らばっている。「物資を降ろし終わったらあなた方の任務は終了です。報酬に関しては組合の方から貰ってください。本当にありがとうございました」#傭兵鎮守府

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「なあ、良ければ俺達が沿岸進攻の支援に加わっても構わないが」流石に、見ていて痛々しい所か結果が見えている。変な苦労をして、結果がハイ死にましたじゃ後味が悪い。「いや、ここからは我々の問題です。他国が手を出すような問題では」「所属は日本だが、俺達は傭兵部隊だ」「しかし」#傭兵鎮守府

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「あんたらは効果の無い兵器を使って無駄死にするつもりか？」「……」ハーマンは押し黙って手を震わせている。「俺達はあいつらを、深海棲艦を倒せる。あんたらが弱いとかそういうのじゃないんだよ」「……分かりました。ただし、報酬は無しです」「構わない。こっちが勝手にやることだ」#傭兵鎮守府

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「すまんが、休んでいる暇が無くなった。海兵達の進攻支援を行うぞ」艦内レストルームに主力艦娘を集め、この一言を発した。普段はあまり戦闘を行わないせいか、あまり文句は出なかった。「不満は無いな。なら、今から作戦内容と編成について説明を行う。電気を消してスクリーンを開け」#傭兵鎮守府

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「現在地はここ、真珠湾だ。ここから、カリフォルニア湾を越えてラスベガスに駐留しているらしい米軍の大隊へと彼らを送り届けるのが俺達の仕事だ。だが、情報によればカリフォルニア湾内外には深海棲艦共がうようよしているらしい。そこで、お前達の出番になる」#傭兵鎮守府

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「まず、赤城を旗艦とする正規空母で敵の大多数を掃討する。消耗、及び損害が出た場合には即時撤退、次の龍驤旗艦の軽空母艦隊に交代する。ある程度の数が片付いたら重巡の出番だ。衣笠を旗艦に空母が撃ち漏らした奴らを処理する。駆逐艦はこの艦の防御に回ってもらう」#傭兵鎮守府

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「どの部隊に関しても、中破、もしくは大破した場合に関しては即時撤退、入渠してもらう。損害が激しい場合には修復材使用の上、即時出撃してもらうが」「テートクー、私達の出番はnothingデスかー？」「お前達戦艦に関しては切り札になる」#傭兵鎮守府

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「彼らの話によれば戦艦級に加え、恐らくそれ以上の艦が控えている可能性がある。お前達戦艦にはそいつの相手を全力でしてもらう可能性も考えて、もしもの時まで待機してもらいたい」「了解ネ！」「すまない、忘れていたが軽巡も艦周囲の警戒と防御に当たってもらう」#傭兵鎮守府

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「この艦は砂上航行能力もあるから、最終的に彼らをサン・ルイスまで送り届けたい。そこからは自力でベガスまで辿り着いて貰う。深海棲艦は地上には存在しない為、上陸時には全員艦に帰艦の上、補給と修復を済ませる事。恐らく撤退時にも戦闘があるだろうからな。何か質問や異議はあるか」#傭兵鎮守府

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「何も無いな。各自解散、各艦への伝達、装備と艤装の点検を済ませておけ」レストルームから各艦の代表が退出していく。ユグドラシルの損傷の修復も完全ではないが、この作戦中持ってくれればなんとかなるだろう。作戦開始は明朝0700からだ。俺も早めに休む事にしよう。#傭兵鎮守府

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出発してから約４日、俺達は無事にカリフォルニア湾を越え、サン・ルイスまで到着した。無事と言うより、ただの一度も深海棲艦と遭遇する事が無かったのだ。不信感を感じながらサン・ルイス近郊の砂漠で海兵隊と積み荷を降ろし、別れを告げる。「本当に、助かりました」#傭兵鎮守府

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「いや、気にしないでくれ。ここからベガスまではあなた方だけで行ってもらう事になる。本当にきついのはここからだろう」「何、化け物がいない分楽さ。それに、こうしてまた祖国に立っていられるのもあんた達のおかげだよ」「……」「彼女達にもよろしく言っておいてくれ。世話になった」#傭兵鎮守府

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「分かった。それじゃ、俺達はこれで」「ああ。無事を祈るよ」「そちらこそ」握手を交わし、海兵隊と別れる。これで仕事は全て終了だ。タムズを回収し、一旦日本に帰投してから……『司令！即時帰艦してください！』「何事だ」『深海棲艦の大艦隊です！』「索敵はどうしたんだ！」#傭兵鎮守府

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報告を聞いてからすぐに艦に戻り、レーダーを見て愕然とした。「この数に何故気付けなかった」カリフォルニア湾の出口を塞ぐように殺到する反応、深海棲艦の大艦隊がそこにいた。「申し訳ございません、レーダー、ソナー、全ての機器に反応がありませんでした。突如、そこに現れたんです」#傭兵鎮守府