菊「この国で、芸能の音楽の担い手でしかない音楽家をアーティストとして呼ぶようになったのが80年代で、その誤謬を現在だれも問題にしていない」
2014-04-16 20:26:12菊地「あまねくミュージシャンって、要は芸人なんですよ。それを”アーティスト”と呼称するようになった70年代以降からおかしくなったんじゃないかと(笑)」
2014-04-16 20:27:43中「アーティストという言葉に、権威的に尊敬されるという言葉として使ってますか? 画家や詩人でもないのに音楽家がなぜそれを使うということですか?」 菊「権威が張り付いているからですよ」
2014-04-16 20:28:05菊「音楽は大衆のためにやっていたのだけど、音楽産業が極限した時に「アーティスト」と言い出す。自分のための音楽。」 中「ブライアン・フェリーがアーティストは一人で良いんだ。あとはミュージシャン。と言っていた。」
2014-04-16 20:30:06菊「記号化への反発ってすぐあって、アーティストという言葉が出てきてすぐ、いやいや私は河原乞食ですから、とい出す。私は線状歴史でなく環状歴史と考えている。」 中「歴史という概念自体がモダニズムで、線状であることが無意識に含意される」
2014-04-16 20:31:50菊「歴史は線①から線②へ矯正されるが、瞬時に変わるのでなく、①と②が重なる時代があって、それを混沌というかもしれないが、そこが一番楽しい。音楽家として私がやっている西洋音楽覇権を握り捨てられたポリリズムに通じる」
2014-04-16 20:35:47菊地「歴史を単線にとらえたいという欲望。ある歴史的タームがAからBに以降する際、重なる部分というのは、『歴史化』の際に、しばしば闇に葬られる。二つの秩序が同時に走る状態を、身体的に受け入れられないのではないか?」
2014-04-16 20:36:14菊地「これは、DJのつなぎのクロスフェードの時間をどうとらえるか、というのにも似ている。ワタシは本音を言うと、ずっとクロスフェードの状態で良いと思っていて、二枚がけの状態でDJしていたい(笑)」
2014-04-16 20:37:20菊「アメリカ音楽が覇権を握ることで捨てられた音楽がある。それがアフリカの音楽でもある。 例えば「きくち」では三拍子だが、「きんくんち」で五拍子。三連符は割り切れずゆらぎがあるが五連符はゆらぎがない。体のリズムと違う三連符は西洋ドグマで修練で体得する必要がある」
2014-04-16 20:40:23菊「アナキストであった人が非アナキストとなったりその逆もあるが、その変化する間、移行期が面白いんのでは」 中「マティスが抽象画が出る前、奥行きなく平面的なものを描くが、本人には自信が持てず商品は郵便夫が描いたもの、大作は捨てたり、と。」
2014-04-16 20:46:04菊「菊地は90年代で止まってると考えている人がいる。テポグラフィカで終わり。中ザワさんと話している状態までついてくる人は少数で層になっている。youtubeで見れば30年前も今も一覧化される」
2014-04-16 20:50:47菊「音楽史よりがっつり美術を学んでいて、中ザワさんの近代美術史テキストを読みそこから専門書を読み始めた。中ザワさんからインストールされた」
2014-04-16 20:55:23中「何物でもいいという状態が面白いことはある。 何か語りたいということそれが諸悪の根源で、著名な批評家は正しいことしか言えず面白くないが、イラストレーターになるため、近代美術史テキストを26歳の時に「悪人」として書いた。
2014-04-16 21:01:50菊「新しいものだけ求めるというのは危険だ。アメリカ音楽でも表面だけ聞いて消費するが、フィリピン程度でも英語分かるようなればアーカイブがよみがえる。こんなこと言ってたのか、と」
2014-04-16 21:03:35中「1970年代から 学生運動に呼応し美術でも戦おうという美共闘がある。彼らは「今、美術家と呼ばれるならそこが戦場だ」と言ったが、美術大学が拡大したが、そのように言われるほど美術家がいたのか。 美術家として存在して当たり前であるからそんな言い方ができるのではないか。」
2014-04-16 21:15:10中「私の話であれば、近代美術史テキストを書く前、美術家でもなくイラストレーターでもなく、何ものにもなりたくない、名付けようのないものになりたいという状態だったが、それが実は定常。 発言することから初めてテーゼが成り立つ。」
2014-04-16 21:16:33中「80年代は美術家と名乗る人があまりいなく、 研究者から拾われにくく近美の小冊子では80年代は実り多くない時代だったとなってしまい、このため日本の80年代の美術史はなかったことになる。搾取する人達(具体的には村上隆だが)が来た時、自動的にそれまでいた人たちがいなくなる。」
2014-04-16 21:21:26中「何ものにもなりたくない。名付けようのないものになりたい、というのは、美術家を名乗る90年代の人たちに搾取されるというのは実例としての実害(?)がある、 クラシックにおけるアフリカ音楽搾取のような。」
2014-04-16 21:22:27菊地「”悪行”とはジャンルを名付けること。今の音楽界が弱いのは、その一個一個の”悪”を引き受ける人、力が弱くなったからではないか」
2014-04-16 21:22:42菊「息苦しくなんかしないと窓を開けろスーツを切り裂けなパンクと、もっとクールで構造的なパンクがあるはず。「何ものにもなりたくない。名付けようのないものになりたい。」というタイトルがどちらなのかわからないが。」
2014-04-16 21:25:44中「美術家とかミュージシャンなんて名乗るより「何ものにもなりたくない。名付けようのないものになりたい。」状態がカッコイイって話が今回かもね。 昔の都知事選。本人がアウトサイダーとすら思ってない人たちが集まってきて面白い。」
2014-04-16 21:27:51