暁美ほむらが鹿目まどかを裂いた理由
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第1部
メモ:ほむらはまどかを崇敬している。ほむらはまどかに対し,まどかの意思(だとほむらが解釈しているもの)に反する言動は行わない。まどかの意思に反することは,まどかを崇敬するほむらにとって,裏切りに等しい行為であり,叛逆者に堕する行為である。
2014-04-25 12:07:07メモ:リボンほむらにとって,まどかの意思は2つある。1つは「3周目のまどかが託した約束」。もう1つは「最終周のまどかが望んだ結末」。ほむらにとってこの2つの意思は互いに衝突している。前者は「生きること」を,後者は「死ぬよりもつらいこと」を,それぞれ願っているように見えるからだ。
2014-04-25 12:10:46メモ:リボンほむらには,どちらかを選択することなんてできない。どちらも自らが崇敬するまどかの意思(だとほむらは解釈している)だからだ。どちらかの意思を尊重すれば,もう片方の意思は尊重できない。まどかの意思を尊重できないということは,ほむらにとって,まどかに対する裏切り行為となる。
2014-04-25 12:14:42メモ:しかしここに転機が訪れる。まどかが「ほむらちゃんはほむらちゃんだよ」と言ってくれたことだ(『[新編]叛逆の物語』のほむら救出戦最終段階)。それにより,ほむらは新たな選択肢を見出す。
2014-04-25 12:16:57メモ:それは,「3周目のまどかが託した約束」と「最終周のまどかが望んだ結末」の双方を尊重し,かつ同時に双方を裏切るというものである。そう。まどかを裂いて,人間と円環の理に区分してしまえばいい,と。
2014-04-25 12:19:34メモ:まどかを裂いて人間部分を取り出すことで,「3周目のまどかがほむらに託した約束」という意思を尊重できる。そして,まどかを裂いて円環の理部分を取り出すことで,「最終周のまどかが望んだ結末」という意思を尊重できる。そしてまどかを人間と円環の理に裂いたことで,どちらの意思も裏切る。
2014-04-25 12:22:50メモ:ほむらの視点からは,ほむらがまどかを裂く以外に選択肢が存在しない。そして実際に裂いてしまった。本当に「ほむらあああぁぁぁ!お前なあああぁぁぁーーー!」である。
2014-04-25 12:24:48第2部
メモ:常に同じで不変だと思っていたものが,実は自分が干渉することでその性質を変化させてしまっていた―そんな衝撃的な事実が発覚した経験はないだろうか。『[新編]叛逆の物語』での中盤,花畑でまどかに三つ編みを結われながら,ほむらはまさにそれを経験することになった。
2014-04-26 11:40:55メモ:ほむらの三つ網を結うまどかには,自身が円環の理になるという願いとそれに至る経緯を全く覚えていない。ほむらがまどかの運命に介入し始めてからの記憶がすっかり欠落している。それはつまり,目の前にいるのは,ほむらが介入しなかった場合の鹿目まどかである…少なくともほむらはそう考えた。
2014-04-26 11:48:41メモ:そして「ほむらが介入しなかった場合のまどか」は「私だけが誰にも会えなくなるほど遠くに一人で行っちゃうなんて,そんなことありっこないよ」と言う。そこでほむらは気付いてしまったのだ。
2014-04-26 11:51:54メモ:自分が介入したから,まどかは変わってしまった,ということに。自分がループを重ねた世界でだけ,まどかは円環の理になることを望み,かつなることができる,ということに。まどかを神様にしてしまったのは,他の誰でもない,自分自身である,ということに。
2014-04-26 11:53:58メモ:神様になることを望まない子をそうさせてしまったという絶望。それはちょうどTVアニメ版第11話でインキュベーターに「まどかに因果を集中させてしまったのはほむらであった」と告げられた時に抱いた絶望と同じ強さの絶望だろう。
2014-04-26 11:56:25メモ:しかしもう既に,神様になることを厭わないまどか(最終周のまどか)は存在してしまっていて,ほむらはその最終周のまどかが望んだ結末を否定することはできない。ほむらにとってまどかは崇敬の対象であり,その祈りと願いを否定することは,崇敬するまどかを裏切ることを意味するからだ。
2014-04-26 11:59:49メモ:自分が介入する前にまどかの祈りと願いも尊重しなければならない。同時に,自分が介入した結果神様になることも厭わなくなったまどかの祈りと願いも尊重しなければならない。となれば,もうほむらに残された道は,それを同時に尊重する方法―「裂いちゃう」ことしかないのだ。
2014-04-26 12:02:11メモ:【誤字訂正】自分が介入する前のまどかの祈りと願いも尊重しなければならない。同時に,自分が介入した結果神様になることも厭わなくなったまどかの祈りと願いも尊重しなければならない。となれば,もうほむらに残された道は,それを同時に尊重する方法―「裂いちゃう」ことしかないのだ。
2014-04-26 18:21:01まとめ
メモ:以上,一連の「メモ」で述べた内容に基づいて,ほむらにとってまどかの現状は到底受け入れられるものではない。だから,まどかの現状が覆されることをまどかが納得尽くで望んでおらず承認も与えていないとしても,自分にはこの現状を是正しなければならない,とほむらは覚悟をした。
2014-04-26 12:09:03メモ:これから自分が起こす行動は,まどかと約束したものではない。自分が望むことだからそうする。この行動が引き起こすいかなる結果をも,自分が全て背負いこんでいく。ゆえに,この物語は『叛逆の物語』なのである。
2014-04-26 12:11:04