まとめ

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あぶぶ @abubu_nounanka

悪い上官から日本は夜這い合法と聞いてドキドキしながら来日したマックスとレーべが着任初日の顔合わせでびっくりするほど先輩艦達が綺麗なので挨拶している間ずっと今夜の事で頭が一杯で陽が暮れ夜が更けてからいよいよ噂の真偽を確かめにまず誰の部屋に忍び込むか相談している的なシチュで。

2014-05-01 21:06:41
あぶぶ @abubu_nounanka

震えながら間宮さんに筆卸ししてもらったマックスとレーべ、夜這いだから他の艦むすの部屋へ行っても良いのだが、何となくその日以降も間宮さんの部屋に通いつめるようになる。

2014-05-01 21:30:00
あぶぶ @abubu_nounanka

しかしある晩マックスとレーべが間宮さんの部屋へ行くと中から物音が、そっと隙間から覗いてみると、そこには提督に組み敷かれそれまで二人の前では見せた事の無いようなケダモノじみたよがりを上げる間宮さんの姿が!

2014-05-01 21:32:25
あぶぶ @abubu_nounanka

夜這いなのだから当然なのに、間宮さんが自分達以外とも関係を持っている可能性を忘れていたマックスとレーべ。加えて、二人とする時もいつも優しげだった間宮さんとは全く違う、間宮さんの本当の痴態にショックを受け、その場から逃げ出す二人。鎮守府裏の茂みで嘔吐するレーべ。

2014-05-01 21:36:34
あぶぶ @abubu_nounanka

レーべの吐瀉物で滑って転ぶ島風。やがて次の日になり、食堂で再会する間宮さんとマックスとレーべ。平静を装うマックスに引き換え、レーべはあからさまに動揺を隠せず遂には「間宮さんのビッチ!そんなに提督が好きならケッコンカッコカリして毎日セックスしてれば良いだろ!」と暴言を吐いてしまう。

2014-05-01 21:44:36
あぶぶ @abubu_nounanka

割れる皿。食堂が静まり返り居合わせた艦むす達の視線が集まる。すべてを察した長門姉がレーべにゲンコツを食らわせ、二人を鎮守府外に引き摺っていき、爽やかな丘の上に腰を下ろす。

2014-05-01 21:46:49
あぶぶ @abubu_nounanka

何があったのか言わなくて良い、私も嘗て一人の男と関係を持ち、その愛を独占できない事に悩んだ覚えがある、と若き日々を静かに話し始める長門。憮然としていたマックスとレーべだがやがて話に耳を傾ける。悩みの末、長門が選んだのは撃沈した深海棲艦の死体をレイプする事だった。長門は狂っていた。

2014-05-01 21:51:09
あぶぶ @abubu_nounanka

口端から涎を垂らし虚ろな目でヲ級の臓物の感触について語りながら股間のビッグセブンをしごく長門。そのあまりに常軌を逸した光景に、もはや間宮さんへのヤキモチなどに拘っている場合ではないと察知したマックスとレーべは、まず最優先でこの状況から脱するべく音を立てぬようそっと長門から離れる。

2014-05-01 22:08:23
あぶぶ @abubu_nounanka

鎮守府まであと15mというところで突如後方から絶叫が響き渡る。振り向いたマックスとレーべの目に映ったのは、地獄に住む鬼が泣いたようなはたまた笑ったような、凡そこの世のものとは思えぬ形相を貼り付け、手足を不規則に振り回しながら、こちらに向かい猛然と丘を駆け下りる長門の姿であった。

2014-05-01 22:13:21
あぶぶ @abubu_nounanka

15mの距離をマックスとレーべは走った。これまでの戦闘教練でやらされた短距離走ではどんなに頑張っても一度も出せなかったような全速力で走った。後ろには狂ったビッグセブンが迫っている。それは二人にとって、座学で見せられたどんなに禍々しい深海棲艦の標本よりも恐ろしく思われた。

2014-05-01 22:17:53
あぶぶ @abubu_nounanka

どうなっちまうんだよ…。

2014-05-01 22:18:38
あぶぶ @abubu_nounanka

鎮守府に飛び込むやいなや扉を閉めるマックスとレーべ。一瞬の間も置かず凄まじい衝撃音と共に耐火性を備えた鋼鉄の扉がビッグセブンの形に歪み、思わず吹っ飛ばされる二人。鎮守府という施設の重要性に見合った肉厚の強化扉と言えど、最強の艦むすである戦艦の、しかも身体のリミッターの外れた連打に

2014-05-01 22:42:32
あぶぶ @abubu_nounanka

至近距離で耐える設計にはなっていない。扉は見る見る変形していき、僅かに開いた隙間から長門が強引に身体を捻じ込んでくる。金属が引き裂かれる悲鳴を後ろに、マックスとレーべは走った。ただ生き残る為に。そうだ!食堂へ行けば先輩艦がいる!提督も居る!きっとあのキチガイをなんとかしてくれる!

2014-05-01 22:48:32
あぶぶ @abubu_nounanka

「ようお前ら、そんなに急いで何処へ――」廊下の曲がり角から現れた先輩艦に気を取られ、思わず躓くレーべ。レーべは「ヒュボッ」という間の抜けた音と共に一筋の閃光を見た気がした。次の瞬間、天龍の首から上は消失していた。

2014-05-01 23:08:45
あぶぶ @abubu_nounanka

気付くと隣にレーベがいない。息を切らせ振り返るマックスの視界に飛び込んできたのは天龍の死体と共に蹲り、気のふれた長門と対峙するレーべの姿だった。マックスは全身の血液が凍りつくのを感じた。レーベが死ぬ!思考するよりも早く、マックスの両足はレーべの元へ駆け出していた。

2014-05-01 23:12:36
あぶぶ @abubu_nounanka

どんなに辛い訓練もレーべと一緒なら堪えられた。遠い異国への転属が決まってもレーべと一緒ならなにも不安は無かった。マックスの脳裏を駆け巡る走馬灯は、マックスの中に芽生えていた「レーべを差し置いて間宮さんを独り占めしたい…」という邪な思いを払拭していく。

2014-05-01 23:16:04
あぶぶ @abubu_nounanka

天龍の血に染まった手を狂気の形相で今まさに振り下ろさんとしている長門の前に立ちはだかりマックスは叫ぶ。レーべに手出しはさせない!…恐怖との鬩ぎ合いに僅かに及ばず、そのまぶたは硬く閉じられてしまっていたが、いつまで経ってもビッグセブンの拳がその身に振り下ろされた感覚は襲って来ない。

2014-05-01 23:19:20
あぶぶ @abubu_nounanka

恐る恐る目を開けると、そこに立っていたのは雄雄しくも頼もしい優しさを湛えたいつも通りの長門だった。そればかりか廊下の影から先輩艦達が拍手をしながら現れる。事態を飲み込めず戸惑うマックスとレーべの頭を、長門力強く暖かい両手が撫でた。「よくやったな二人とも、合格だ!」

2014-05-01 23:22:29
あぶぶ @abubu_nounanka

艦むす達が道を開けられ、提督と間宮さんが現れる。提督は語った。実践では想像もつかない事態が起こる。今日の仲間が明日には居なくなってしまうかもしれない。頑なに間宮さんにしか夜這いをかけない二人が心配だったのだ、と。普段の飄々とした軟派な態度とは違う、真っ直ぐとした真剣なまなざしに、

2014-05-01 23:27:13
あぶぶ @abubu_nounanka

マックスとレーべは、彼が若くして一鎮守府の司令官の職に就けた理由が少し分かった気がした。しかし提督は途端に軟派な表情に戻り付け加える。「ついでに言うと俺は不能でね。昨夜もお前達が覗いてるのを知った上で間宮に協力してもらったのさ、長門と言い、日本の艦むすは演技は揃いだろう?」

2014-05-01 23:29:36
あぶぶ @abubu_nounanka

間宮さんは少し恥しげだったし、マックスとレーべのそれの半分は命の危機が去った安堵によるものかもしれない。しかし鎮守府には艦むす達の暖かい笑いが木霊し、差し込む春の日差しはどこまでの柔らかだった。 完 エピローグ。長門に首を捥ぎ取られて死んだ天龍の遺体は日暮れまでに処分された。

2014-05-01 23:33:46