アナライジングアナ雪

脱人士 a.k.a. レイタリノ @Datz_Zingsi

【ハンスの相手に立ち勝るもの】 ・ルックス ・家柄 ・経済力 ・教養 ・武勇 【クリストフの相手に立ち勝るもの】 ・誠意 ディズニーの有り難い教訓がまたひとつ。 誠意を欠くと、他のあらゆる美徳は価値を損ずる。 逆に、誠意は多少の瑕疵をも補ってくれる、最大の美徳なのだ。

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但し、ハンスの本性が露見するまでは、アナはクリスに見向きもしなかったのがミソ。 目に見えない美徳とは、かくも評価されにくいものなのだ。

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さらに、クリスはトナカイと話す奇癖や対人スキルの欠如、ならびに体臭(笑)などの瑕疵はあったが、基本的には愛嬌のあるルックスをしていた。 彼がもしノートルダムの鐘に出てくるカジモド級の容姿の持ち主であったのなら、また話は変わっていたことだろう。

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余談だが、僕はハンスを高く評価している。 彼はプリンス役としては問題のある性格だが、為政者としては極めて優れた才覚を有していた。 容姿端麗で文武に優れ、それらの長所を利用した細やかな人心掌握の術に長けていた彼の手腕により、留守のアレンデールは大きな問題もなく治められていたのだ。

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かくも政治的才覚に恵まれた彼にとって、その出生が兄達に遅れたというだけのことで、その才能を活かす機会を奪われたというのは、堪えがたい理不尽に感じられたことだろう。 彼の国主たらんとする強い野心の原点は、自身の運命に対する反逆心だったのではなかろうか。

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そうしたハンスのバックグラウンドを鑑みると、王位継承権第二位という地位にありながら、その立場に無自覚な幼い行動原理で動くアナは、彼にとっては神経を逆撫でされる存在だったことだろう。 アナを切り捨てる際のあの嫌みったらしい物言いは、そうした感情からの腹いせだったのかもしれない。

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こうした背景に思いを馳せると、ハンスの人物評もまた変わってくる。 彼は確かに非道な冷血漢ではあったが、自分の野心に正直すぎたために道を踏み誤っただけの、不運な男でもあったと思う。 もう少し早く生まれていれば、さぞかし名君として名を馳せたことだろう。 かえすがえすも惜しいことだ。

脱人士 a.k.a. レイタリノ @Datz_Zingsi

以上、唐突にアナライジング・アナ雪でした。 ハンスかわいそう。