茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1229回【歩くことで、東京が見えてきた】連続ツイート

2014.5/8 茂木健一郎氏【歩くことで、東京が見えてきた】連続ツイート …歩くことを前提に考えると、自由度が増す。どこかに行く時にも、わざと、そこから少し離れたところから歩く。たとえば、慶応大学の日吉キャンパスに行くのに、わざわざ川崎駅に出て、そこから歩いていく。今度はどこからどこへ歩こうと考えると、それだけで楽しい…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1229回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、歩きながら思ったこと。

2014-05-08 06:42:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(1)2010年の年末。私は、研究室のメンバーたちとごはんを食べながら、何だか調子が悪いなあと思っていた。忙しい日々が続いていて、移動しては仕事し、移動しながら仕事し、みたいな感じ。食事の途中でトイレに行って、しばらく休んでいたりしていた。

2014-05-08 06:43:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(2)それで、2011年の年明け、東京駅に着いた私は、ふと思い立って、歩き始めた。どこまでもどこまでも歩いて、結局、2時間30分くらい歩いてしまった。振り返ると、年末に忙しすぎて調子が悪くなって、「これはヤバい!」と身体が危険シグナルを送ったのだろう。

2014-05-08 06:45:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(3)以来、私はよく歩いている。仕事の間の移動を、交通機関を使わずに歩いてしまう。昨日も、二時間歩いてしまった。東京から渋谷とか、東京から新宿とか、よく歩く。一番長かったのは、自由が丘から横浜まで歩いた時で、あの時は4時間30分くらいかかった。

2014-05-08 06:48:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(4)さて、あれは10年くらい前だったか。お台場から、レインボウブリッジを通って戻ってくる時に、突然、「私は東京が好きだなあ」と思った。ここで学校に通い、たくさん友だちがいて、仕事もしている。マイホームタウン。世界のどこよりも、東京が好きだなあ、と思った。

2014-05-08 06:49:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(5)2011年の年明けに突然歩き始めてから、私は、その大好きな東京を、今までとは別の感覚で体験するようになった。細い路地などを歩いていると、生活が見える。夕方には下校する生徒たちが。商店街では買い物をする人たち。点ではなく、線や面で東京を感じるようになった。

2014-05-08 06:51:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(6)地下鉄で移動すると、何も見えないし、突然地上に出るので、その間の脈絡がわからない。山手線から見える景色は限られている。自動車は、表通りを猛スピードで。それに比べて、歩いていると、人間のペースで、街の風景が見えてきて、自分と東京が一体となるような気がする。

2014-05-08 06:52:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(7)どこかに出かけてもそうで、講演会の前にはよく市民会館の周りをぶらぶら歩いているし、打ち上げの飲み会から、自分のホテルまでの距離を調べて、30分くらいだったら平気で歩いてしまう。すると、主催者に車に乗せられて移動した時には見えない表情が見えてくる。

2014-05-08 06:53:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(8)歩くことを前提に考えると、自由度が増す。どこかに行く時にも、わざと、そこから少し離れたところから歩く。たとえば、慶応大学の日吉キャンパスに行くのに、わざわざ川崎駅に出て、そこから歩いていく。今度はどこからどこへ歩こうと考えると、それだけで楽しい。

2014-05-08 06:54:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

あと(9)歩くことの効用の一つは、Default mode networkが活動し、ストレスの要因となるさまざまなゆがみが整理、解消されていく「歩行禅」の効果があることだろう。2011年の年頭に突然歩き始めて以来、精神の状態は明らかに改善した。歩くことで、東京が見えてきた。

2014-05-08 06:56:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1229回「歩くことで、東京が見えてきた」でした。

2014-05-08 06:56:45