- daily_nishi
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私は俳句に自分の思いを込めはしとるんやけど、正しく伝えようとはしとりません。読者の視点で見えた俳句の景色を大切にして欲しいと思うのです。
2014-05-10 23:37:06俳句は17音の詩です。17音です、17音しかないんです。なのに、季語を含まなければなりません(基本的には)、普通に考えれば何も言えません。
2014-05-10 23:48:40ですから、俳句は言葉が省かれまくっとります。実は!例えば、主語。基本的に俳句は詠み手(作者)の視点なので主語がない場合があります。
2014-05-10 23:51:40例えば、「いくたびも雪の深さを尋ねけり」(子規)っちゅう句があります。雪の深さを尋ねたのは誰か?作者です。登場人物は作者だけですので、要らないんですよ、主語。「言わんでも伝わる」んです。
2014-05-10 23:54:01ですから、いくたびも~を文章化すると、「私はいくたびも雪の深さをたずねたのだよ~」的な感じになりますが、主語とだよ~の「~」が省かれとります。「~」は、何、詠嘆です。詠嘆?あー……感動する気持ち的な?
2014-05-10 23:56:25俳句の言葉が省かれとんのは伝わりましたか?次に俳句に使用される言葉自体が保有するニュアンスについて。季語だと伝わりやすい気がするので季語を例にして言いますね。
2014-05-10 23:58:20春の季語で「春の海」ちゅうのんがあります。季語は季節を表す言葉で季題とも言う場合があります。で、春の海なんですが、春の海……って言葉に対してどんなイメージが湧きますか?
2014-05-11 00:01:55夏の海や冬の海と比べて「春の海」は穏やかで暖かな感じがしませんか?俳句が17音でも世界が伝わるのんは、それです。言葉自体が保有するイメージを利用しとるんです。
2014-05-11 00:03:55蕪村の有名な俳句に「春の海ひねもすのたりのたりかな」ちゅうのんがあります。春の海が保有する穏やかなイメージがあるから成立する俳句です。もし、春の海が夏の海や冬の海だったらどうですか?全然違う雰囲気になると思いませんか……?
2014-05-11 00:07:05「夏の海~」だと、絶対にゆったりとした海ではありませんし、「冬の海~」だと淋しい感じになりますよね。それなんですよ、俳句のミソは。言葉から感じられるイメージが大切なんです。
2014-05-11 00:09:05春の海を文で表すと、春になって穏やかになって暖かそうな感じの海、やと思うのですが、蕪村の俳句の「春の海」には「穏やか」だの「暖かそう」だのが全て込められています。ですから、「穏やか」だの「暖か」だのは「言わなくても伝わる」んです。読者が「春の海」をイメージしとんなら。
2014-05-11 00:11:45あとは、春の海~には助詞がありません。ひねもすのたりのたりなんは何がですか?春の海ですよね。ですから、本当は「春の海(はorがorの)ひねもすのたりのたりかな」なんですよ。5・7・5の字数の関係もありますが、「言わんでも伝わる」んです。
2014-05-11 00:16:26俳句の季語はんなイメージ先行的な流れがあります。例えば、春雨。春雨は絶対に優しく暖かく降る雨です。豪雨ではありません。ですから、春雨を使うと優しさや暖かさが表現されますね。
2014-05-11 00:19:08何か、色々と語ってしまいましたが、俳句に特有の「言わんでも伝わる」感は伝わりましたか……?
2014-05-11 00:20:21私の俳句の論は師に習ったんでもないんで違うかもしれませんが……でも、私は俳句をんな感じで考えとります。
2014-05-11 00:24:17