街の人との交流(図書館)

図書館でネズミが勉強を始めました。
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仕立て屋『野鼠和裁』 @Couic_Couturier

@old_library 数匹の鼠が万年筆と紙を持っている。 そして、1匹の鼠が『ネズミでも、うけていいですか?』とたどたどしく書かれた紙を掲げた。

2014-05-25 14:54:13
図書館 @old_library

@Couic_Couturier 「あら、可愛らしいお客様ですこと……ええ、勿論ですわ。是非参加なさってくださいまし。」女性はにこりと笑うと手にしたテキストを見つめ、これじゃあ大き過ぎるかしらと悩み始めた。

2014-05-25 14:58:04
仕立て屋『野鼠和裁』 @Couic_Couturier

@old_library 『ありがとう。みんなで、見ます。お客さんに[グロースターの仕立て屋]って本、すすめられたから、自分で読めるようになりたい、んです』 鼠はテキストを受け取ると、手分けして運び、読み書き教室が始まるのをおとなしく待ち始めた。

2014-05-25 15:06:00
図書館 @old_library

@Couic_Couturier 「ふふ、良い心掛けですわ。今担当の者が参りますから少々お待ち下さいまし。」女性に代わって、片眼鏡をかけた女顔の男が現れた。『……おや、今日の生徒さんは君たちかな?私が担当させていただきます、どうぞよろしくお願いしますね。』

2014-05-25 15:24:39
仕立て屋『野鼠和裁』 @Couic_Couturier

@old_library テキストを覗き込んでいた鼠達は、チィと小さく鳴いて頭をペコりと下げた。 『字はワタシがちょっとだけ、書けます。あとは、苦手です。せんせいよろしくオネガイします。』 万年筆を持った鼠が代表して文字を書いている。

2014-05-25 15:36:57
図書館 @old_library

@Couic_Couturier 『それだけ書ければ後はもう一歩ですよ。書き順に気を配るとぐっと良くなります。……では、テキストの1頁目に書いてある文字を真似て、紙に書いてみてください。私がどのような文字か説明していきますので。』

2014-05-25 15:52:25
仕立て屋『野鼠和裁』 @Couic_Couturier

@old_library それぞれペンや鉛筆をもって鼠はテキストの1頁目の文字を真似しはじめた。 まず、万年筆の鼠が写し終わり、次にペンを持った鼠が写し終えた。 鉛筆を持った鼠は何度も消しゴムで消していたせいで一番最後になったが、3匹全員、1頁目の文字を真似ることができたようだ。

2014-05-25 15:58:45
図書館 @old_library

@Couic_Couturier 『――はい、きちんと書けていますね。今日はこの頁の文字を練習していきましょう。次は一文字ずつ覚えられるように、ゆっくり何度も書いてください。焦らなくて大丈夫ですよ。』にこりと笑うと少しずつアドバイスを始めた。

2014-05-25 16:13:58
仕立て屋『野鼠和裁』 @Couic_Couturier

@old_library 鼠達は楽しそうにお互いが書いた文字を見せ合っている。 そしてアドバイスを受けると、黒くてまあるい目を細めて、嬉しそうな声で鳴いて、また文字の練習を再開した。

2014-05-25 16:23:01
図書館 @old_library

@Couic_Couturier 『――おや、そろそろ時間ですね。今日はこれでおしまいにしましょうか。みなさんとても上手に書けていますよ。出来れば家で復習をして、またお時間のある時に来てください。』文字を書く様子を優しく見守っていた男は、時計を見るとそう提案した。

2014-05-25 16:55:04
仕立て屋『野鼠和裁』 @Couic_Couturier

@old_library 司書の言葉に、鼠達はテキストや筆記用具を片付け、机の上で高く飛び、くるんくるんと2回転した。 そして一礼すると、『またきます』と書かれた紙を置いて、図書館を出て行った。

2014-05-25 17:04:00
図書館 @old_library

@Couic_Couturier 『はい、また。おまちしていますね。』去っていく小さな生徒の背中に男は一礼した。

2014-05-25 17:08:18