君を想う

リカ=アナグラム @rika_anagram

「本当かよ、雪ちゃん。これでまた一歩野望に近づいたぜぇ～」

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「でも駄目よ。そんなわざとらしい演技なんてするんだから今回は１ポイントだけね。」

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その言葉にがっくりと肩を下ろす俺

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「えぇ～そりゃないぜ。せめて公平に２ポイント、２ポイント頂戴。そうしたら俺次回もまた頑張っていい店探してくるからさ～」

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ふふっと笑顔になる雪ちゃん

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「そうね。それじゃあこうしましょ。次回はデザートも美味しいお店を探すこと！その条件を飲むなら２ポイントにしてあげるわ。」

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またもあっさり元気に喜ぶ俺

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「そんなことでいいならいくらでも～腕によりをかけてデザートも美味しい店さがしちゃうぜぇ」

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くすっ

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「くすっ何よ、貴方が腕によりをかけてくれるの？」

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…

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そんな日々がいつまでも続くと思ってたのにな…

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でも決して離れ離れになったわけじゃない。

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雪ちゃんは今も俺の心の中にいる。

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「そうだ、落ち着いたら兄さんと色々と語り合うのもいいんじゃねぇかな。二人でこうやってゆっくり青空を見上げて雪ちゃんとの思い出を語り合うんだ。」

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きっと子供の頃の幼く可愛らしい頃の話を聞かせてくれるだろう。俺からはデートでこういう話をしたんだとかかな。

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「シスコンの兄さんのことだからデートの話なんてしたら怒るんだろうなぁ。」

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そしてそんな場なんだからきっと雪ちゃんも天から見守るだけじゃなく遊びに来てくれるだろう。

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“全く兄さんもアランも何やってるのよ。もっとしっかりしないと駄目じゃない！”

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って叱りつつも心配してくれるのかな。

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「ごめん雪ちゃん、もう少しだけ少しだけ時間をくれ。気持ちを整理する為の時間を…」

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“全く仕方ないわね。少しだけよ？”

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その声にハッと眼を開けてあたりを見渡す。

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だが辺りは一面ただの草原だ、当たり前だが誰もいない。

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「気のせいかね？いやきっと気のせいじゃないよな。雪ちゃん」