#完全ノープラン艦これ与太話 【ヤクザズ・ライフ・ライク・ア・ドラゴン】 #3

春魔解丼 @vespiking

｢……あなた、筋いいわよ。立って射るだけなら、今ので完璧。あとは、その姿勢をどれだけ崩さずに、走って弓を構えるか｣飛龍はぽんと龍鳳の頭を撫で、優しく声をかけた。｢それができれば、もう一人前よ｣｢……ありがとう、ございます｣｢貴女がセンセイね。素晴らしいわ｣ #KZNPLN

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｢スマンのう。助けてもろうて｣浦風がよろめきながら、飛龍に礼をした。｢……ま、今回の喧嘩騒ぎは、見逃してあげるわ。軍としても、ヤクザと表立ってやりあいたくはないし｣｢ああ、ここらでお互い、手打ちじゃね｣浦風は腰掛け、叫んだ。｢隼鷹ォ！おるかァ！｣｢ドシタンス！｣ #KZNPLN

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｢サメワニのらへん、ウチのシマよなァ！｣｢サメワニ？ドコナンス！｣隼鷹は地理が苦手だった。｢……最近とったシマあろうがァ！あっこじゃ！あっこ、その嬢ちゃんらにやったりィ！｣｢ヘイ！了解ッス！｣『ほんとに！？』ブラックピーコックは目を輝かせた。 #KZNPLN

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｢そんな、ええとこでもねえんじゃけどな！ウチが出せんのも、そんくらいじゃ！暫くは、そこで暮らし！そんで、もっとええ土地、自分らで探しね！｣『ヤッタ！アリガトウ！』『……ホントに土地、貰えちゃった』モルワイデは困惑していた。 #KZNPLN

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――｢……じゃ、元気でやんなさいね｣｢ウン！飛龍さん、アリガトウゴザイマス！｣飛龍は皆に別れを告げ、帝国への帰路についた。ブラックピーコックとモルワイデも、新たな住処へ向かっていった。隼鷹は頭についた土を払い、祥鳳らと共に事務所へ向かった。 #KZNPLN

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その夜。カープ・ビフォア・ザ・デス・ヤクザクランの小さな事務所に、オブツダンめいて不吉な黒に塗装された1隻の水上ヤクザリムジンが到着した。 #KZNPLN

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リムジンの最後部座席には、戦艦と巡洋艦。紫髪の巡洋艦は戦艦に擦り付けるように船体を預け、船体を火照らせながら荒い吐息を吹きかける。｢……あらァ、オヤブぅン。もう着いたみたい。じゃ、続きはまた今晩ねぇ｣戦艦は無言で巡洋艦を抱き寄せ、口付けし、立ち上がった。 #KZNPLN

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｢｢｢大オヤブン！！イラッシャイマセ！！｣｣｣列を成すヤクザ集団が、一斉に頭を下げた。グレーターヤクザや、クランのオヤブンまでもがだ！白黒の不吉な装束とサラシによって最低限の部位のみを覆った一見無防備な眼鏡の戦艦は、褐色肌を冷たい夜空に曝し、闊歩する。 #KZNPLN

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戦艦は2隻のレッサーヤクザに歩み寄る。｢……ア、アイエエエ｣｢お、大オヤブン……｣同時に失禁した巡洋艦と軽空母にずいと顔を近づけ、レジェンドヤクザ、戦艦武蔵は厳かに口を開いた。｢……おめェらだな。龍驤と、摩耶ッてのは｣ #KZNPLN

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翌朝。飛龍は磯波と伊8を連れ、鎮守府食堂を訪れていた。｢あら飛龍。磯波ちゃんにはっちゃんも。珍しいわね｣カウンター奥で鳳翔が微笑む。｢ウン。センセイの顔、見たくなって｣カウンターには既に北上が座り、ニュースを横目で見ながらもぐもぐとシャケ定食を頬張っていた。 #KZNPLN

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『次は緊急ニュースドスエ。今朝未明、沖ノ島近海で、大規模なヤクザ抗争が起きましたドスエ』｢コワイねェー、ぶっそうだねぇ｣北上は眠そうな顔でニュースに相槌をうち、もぐもぐと咀嚼する。『主犯はブラックオブツダン系のヤクザクランとみられ……』 #KZNPLN

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『事件のあったオキノシマ・アノマロカリス・ヤクザクランの事務所は全壊。瓦礫の下より、同クラン幹部、軽空母祥鳳、軽空母隼鷹らを含む、艦娘構成員およそ30隻の死体が発見されたドスエ。なおクランのオヤブンである駆逐艦浦風の消息はいまだ不明であり……』 #KZNPLN

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ニュースをすべて聞き終わるより前に、飛龍は血相を変えて食堂を飛び出していた。沖ノ島方面へ舳先を向けて。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ヤクザズ・ライフ・ライク・ア・ドラゴン】 #3終わり。#4に続く。 #KZNPLN