座礁艦隊その34 ~アンデッド~

既に艦むすの定義から外れそうなのがゾロゾロでてきた感がありますな。 まとめましたー しかし3mってまさかや…げふんげふん
3
前へ 1 2 ・・ 5 次へ
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

「あそこに一匹、距離350!」 巻雲が指差す先に、ポツンと立って連装砲を曲射している敵艦娘。背中が丸見えだ。撃ってやれ。一発で仕留めろ。 「言われなくても殺りますよーっ」 巻雲がその場に膝を突いて、連装砲を袖の被った両手で前に出し、膝上に乗っける。 #座礁艦隊

2014-06-17 20:04:43
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

この距離なら落下も何も考えなくていい。文字通りの直射だ。 「死ねっこらああ!」 巻雲の怒号に敵艦娘が気づいて振り向く、と同時に巻雲が射撃。陸戦専用にカスタマイズされた単装砲から射出された超音速のAPFSDS弾は、奴に避ける間も与えなかった。 #座礁艦隊

2014-06-17 20:11:45
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

びっくりするほど簡単に、砲弾は敵艦娘の戦闘機関部を穿った。しかし、続けて朧が本体を撃とうとしたところ、敵艦娘はそのままがくりと倒れ伏してしまった。 「あっれえー、まだ生命機関はやってないのに」 油断しないで。撃破を確認するわよ。周囲を警戒しながら接近。 #座礁艦隊

2014-06-17 20:37:57
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

しかし二隻目の生死確認は、指揮チーム・スペクターからの通信で中断される。 『スペクターからトーピード全艦へ、砦の本隊へ向けて、残る敵艦娘一隻が突撃している。おそらく自爆特攻を仕掛けるつもりだ。全速力で追って止めろ』 反射的に回頭し、砦の方面へ、機関全開。 #座礁艦隊

2014-06-17 21:47:34
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

移動しながら巻雲に二隻目の確認を命令する。戦闘機関をやられて追いつけないからだ。瞬く間に離れ、続きを通信で入れる。三隻目が自爆特攻を仕掛けたということは、そいつも自爆する恐れがある。あまり近づくな。 『言われなくても、あんなのとはお近づきになりたくないですよ』 #座礁艦隊

2014-06-17 21:53:46
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

黒煙を吹き上げて私たちは走る。ここから砦まで一キロちょっとしかない。追いつけるかどうか。住宅群を抜け、砦周辺の開けた土地へ出る。敵艦娘発見。まだ外壁に取り付いていない。全員狙え! その瞬間、敵艦娘はくるりと振り向き、手に携えていた魚雷数本をすべてこちらへ投げた。 #座礁艦隊

2014-06-17 21:58:39
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

攻撃のための投擲ではない。魚雷は私たちとの間に、横に間隔を空けて着地、爆発。炎と煙で敵艦娘の姿を覆い隠した。ヤバい! 敵の姿を見失った! すると、上空から落下する一筋の影。それは猛スピードで煙の向こう側に落下した。爆発音。自爆にしては軽い音。煙が晴れる。 #座礁艦隊

2014-06-17 22:03:11
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

三隻目の敵艦娘は砦の壁寸前で、頭部と背部艤装の煙突部を炸裂させ、止まっていた。自爆の気配は無い。周りを見渡すと、数百m左側に、五十鈴が立っていた。筒の一本から淡く白煙をたなびかせながら。砂嵐が晴れたから、軽MATが使用可能になったのだ。 #座礁艦隊

2014-06-17 22:13:02
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

そのまま数分間、様子を見て、安全を確保したことがわかると、スペクターから任務完了の連絡が来た。陸戦の終わりはいつもこんな風に、拍子抜けするほど唐突だ。その後敵艦娘の残骸を回収し、私たちは砦へ、独立機動試験小隊の新たな基地へと戻った。今日も、ひどく暑い。 #座礁艦隊

2014-06-17 22:17:53
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

よーーーし戦闘シーン終わった

2014-06-17 22:21:40
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

ARMAベースの欠点は戦術レベルの長期戦が書きづらいことなのだが、まあこれは仕方ないのじゃ。だいたい戦いは短時間で決するもんじゃ。

2014-06-17 22:24:46
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

[改造12cm単装砲] 陸戦に適応するように大改造を施された12cm単装砲。弾薬は装甲目標用のAPFSDS弾と多目的用のHEAT-MP-T弾、対人・面攻撃用の散弾の三種となる。元の海戦用への現状復帰は不可能。担当の妖精さん三名は現代戦車クルーの格好をしている。 #座礁艦隊

2014-06-17 23:00:02
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

なお妖精さんは砲術長、砲撃手、装填手の三名な

2014-06-17 23:03:00
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

ただしこの単装砲、直射の照準とトリガーは艦娘がやるので、装填手以外はあんまり仕事がない。叢雲ちゃんのも叢雲ちゃん自身が自分の腕を動かすようにやるので基本的に装填手しか忙しくない。ま、妖精さんって艦娘にいるうちの半分くらいはそんなもんです。人間からはすげえいい加減に見えるの。

2014-06-17 23:06:39
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

テーブルにおかれた携帯電話が振動している。アブダビ、ペルシャ湾岸を望む、高級そうなカフェ。中東の強烈な日差しは遮光フィルターで遮られ、性能の良い空調は快適な空間を演出している。携帯電話は振動しながらテーブルを移動する。その先に色鮮やかな飲料水の入ったグラスが置かれた。 #座礁艦隊

2014-06-17 23:33:31
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

グラスを置いた大きな手は代わりに振動し続ける携帯電話をつかむ。画面に映る着信ボタンを触ってスライドさせ、耳に持ってゆく。眼鏡をかけた、褪せた金色のセミロング。クリーム色のスーツと鼠色のインナーブラウスは、褐色の肌をいっそう際立たせた。外国人としても目を引く風体の女性。 #座礁艦隊

2014-06-17 23:39:38
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

「猪口だ」凛とした貫禄のある声で女性は電話を受けた。 「ああ、久しぶりだな、提督よ。いや、今は違うんだったか。まあいいさ。そろそろかけて来る頃だと思っていたよ」 女性は椅子に背を預ける。ぎし、と背もたれが悲鳴を上げた。 #座礁艦隊

2014-06-17 23:47:53
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

女性の座っている椅子は、周囲の客とは違う、店の他の調度品とも合わない、まるで慌てて用意したように大きく部骨なものだった。椅子がぎしぎし鳴るのも気にせず、女性は通話を続ける。 「例のテロリストの艦娘のことだろう。…そんなに驚くな。三時間もあれば掴む程度、容易いぜ」 #座礁艦隊

2014-06-17 23:53:33
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

不敵に笑う。 「外務情報局を舐めてはいけないぜ。かつてのアメリカ、CIAの代わりを努めようと躍起になってるんだから。で、……うむ。その件だが……そうだな。三日くれ。そっちの明石の分析を待たなくてもな。調べられることはあるさ。では、またな。ああ」 #座礁艦隊

2014-06-18 00:00:23
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

女性は電話を切り、飲料をぐいと飲み干し、席を立った。 周囲がざわついた。無理もない。立ち上がった女性は、三メートルに届こうかという巨体であったからだ。同時に、隣のテーブルに座っていたスーツ姿の日本人男性四人も立つ。 「電話は聞いてたな」 四人は頷く。女性の部下らしい。 #座礁艦隊

2014-06-18 00:05:32
RyoRi (VRVape屋さん) @ryorinovels

「まずは連邦国内および周辺国の鎮守府にいる全艦娘の在籍調査からだ。。お前達の下っ端も存分に使って、ちゃんといるか一隻残らず実際に確認させろ。散れ」 男達は足早に店を去る。女性は片付けに来たウェイターにチップをたっぷり渡すと、悠然と店を出た。 #座礁艦隊

2014-06-18 00:12:20
前へ 1 2 ・・ 5 次へ