アレンデールの陛下と王女の140字SSまとめ
今日のお茶菓子は贔屓にしている店のチョコレート。甘さ控えめに作られたそれは私のお気に入り。向かいでリスのようにそれを頬張る妹に、行儀が悪いと思いながらも笑みが零れる。「エルサ食べないの?これ好きでしょ?」「ええ、とても好きだけれど満足よ」だって貴女の笑顔で満たされてしまったもの。
2014-05-13 05:49:20貴方はエルアナで『僕は一生、恋をしない。』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517
2014-05-14 05:39:21侍女が書庫から持ってきた数冊の本に紛れ込んでいた恋愛小説。気紛れに読み進めてみたが、恋という不確かなものに浮足立つ気持ちがわからない。わかってはいけない。大切な人を傷つけるだけで何もできないこんな私に、恋を理解する資格などありはしない。なぜなら私は身も心も凍りついているのだから。
2014-05-14 05:59:4413年ぶりに見たその人は想像以上に綺麗で、手を伸ばせば届く所にいる。戴冠式で挨拶を交わす女王。その動き一つ一つ、空気の流れまで、感じ取れる。なのに、どうしてかな?もう扉はない筈なのに、私の喉は鍵をされたように声が出ない。神様お願いです。せめて今日だけでも、私にノックする勇気を…!
2014-05-15 06:41:44目の高さまで恭しく持ち上げた細い手から、手袋を抜き取り雪のように白い素肌を晒す。見せつけるように嬲るようにゆっくりと舌を這わせて指を舐め上げる。真っ赤な自分の舌が通った跡を残すようにほんのり紅く染まる白い指先にほくそ笑む。でも残念、今はここまで。だって大事な公務の邪魔だものね?
2014-05-21 00:06:08突然手を優しく取られたかと思えば、手袋を抜き取られひんやりとした外気に首が竦む。ちらりとのぞく赤い舌が指の形を丁寧に辿り、煽り嬲るような緑の瞳が私を射抜く。背筋と喉元を駆け上がる何かを堪えようとした瞬間、息苦しさから解放された。同時に飢えて疼く身体。「大事な公務」が憎らしい。
2014-05-21 00:27:26エルサに内緒のラジオが終わって一段落。待ちくたびれた女王陛下はもう寝てしまっただろうか?子供のように拗ねてキスをねだる姉。私にしか見せないこの愛らしい姿は、大事なリスナーの皆にだって内緒なのだ。皆にエルサの良いところはたくさん知って欲しいけれど、恋人の姿は私だけのものだもの!
2014-05-22 01:07:08目を閉じて大人しく待つ妹を前にして、ただ戸惑ってしまう。そっと手を伸ばし、そばかすの散る柔らかい頬に触れる。ぴくりと震える姿に私の心臓も跳ねあがる。おずおずと唇を近付ける。呼吸を感じる程に近付いて一寸、吐息すらも混じり合う。幸せだけど息苦しくて、すぐに離れる。でももっとしたい。
2014-05-23 00:51:51アルコールで上気した頬、ふらりふらりと前後に揺れる頭、警戒心皆無のおっとりオーラ。見るからに酔っ払っている姉が心配で、肩を貸そうと手を伸ばしたのが失敗だった。「あ、アナだわ?」無邪気な笑顔で名前を呼ばれたと思ったら、ぐいっと力任せに引き寄せられる。手加減なしの力で引っ張(文字数
2014-05-24 00:44:12手加減なしの力で引っ張られ、私はバランスを崩して酔っ払いの腕の中。先ほどよりも強まるアルコール臭に顔をしかめる。「エルサ、お酒臭い」ぐいっと腕をつっぱって、エルサと距離を取ろうと試みる。ちょっと乱暴に突っぱねたのに、笑顔のまま私の腕をとると、酒で潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。
2014-05-24 00:52:01「アナぁ」あ、まずい。普段なら絶対に聞けない甘えるような姉の声に、脳が警鐘を鳴らす。頬に伸ばされる手を避けようと頭を引けば、頭をがっちりホールドされた。「ん~、好きぃ」「え、ちょ…!?」舌っ足らずな喋り方で愛を伝えられ、問答無用にキスされた。しかも舌が入ってる。
2014-05-24 00:58:38あんまりにも唐突で性急なエルサの行動に驚いて、なんとか無理やり引き剥がす。窒息と興奮で肩で息をする私が不埒な酔っ払いを睨みつけると…「ね、ねてる…?」この姉、酔い潰れて寝ている。しかも幸せそうだ。あんまりだ。「エルサ、私、さっきのクリストフともしたことないキスだったんだけど……」
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