【12】マテリアル・パズル　ゼロクロイツ

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

作品名：マテリアル・パズル　ゼロクロイツ 作者名：土塚理弘（原作）、吉岡公威（作画） 掲載：ガンガンONLINE リンク：urx.nu/9DNe（Amazon）

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ちょっと変わった切り口からの紹介？になるのでしょうか。超巨編「マテリアル・パズル」シリーズの第0章にあたる、始まりの物語です。

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遥か遠い昔、人類は存亡の危機に立たされていた。大地には人類の根絶を目的とするロボットが蔓延り、既に大地の5分の1はロボットにより荒野となってしまったという。人類の希望は、星の守護神「デュデュマ」が生み出した6体の究極生物・「クロイツ」と、それを操る「女神の三十士」に託された。

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ストーリーはこのような。「クロイツ」は見た目は巨大怪獣ですので、絵面的には怪獣対ロボットということでド迫力のバトルが繰り広げられます。

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この「クロイツ」、人間が融合（作中では「存在変換」ないし「変換」と呼ばれます）してその能力を発揮するのですが、その融合者のうち一人が主人公・ベルジ。そして融合者の一人であり大国・マジェンガ王国を統べる、「女神ミト」と呼ばれる少女がヒロイン・メルパトラ。

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前述のような巨大怪獣対巨大ロボットのド迫力バトル、クロイツが操る魔法（マテリアル・パズル）、また本作の未来にあたる「マテリアル・パズル」1章に繋がるヒントなど見どころはそれはもうたくさん。が、個人的に最も注目すべきはベルジとメルパトラ、二人の悲愛に満ちた生き様だと思うのです。

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クロイツとの融合には様々なリスクが伴います。また、メルパトラには大国の指導者・女神としての重圧ものしかかる。そんなメルパトラが戦わなくて済むように己の命を燃やすベルジ。女神の責を全うするメルパトラ。

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惹かれ合う二人が、それでも平和な未来を夢見て命懸けの戦いに身を投じる姿は悲しくも、このうえなく心震わせられます。どんな作品のキャラクターも、闘うなら何か大切なもののために、という想いを背負っているものと思われますが、ベルジとメルパトラの二人が背負う想いは今まで見たどれより重い。

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メインストーリーである「マテリアル・パズル」ではなくこの「ゼロクロイツ」をここで推そうというのは、そんな二人の姿を読んでもらいたいからです。暴論を言えば、本家「マテパ」は読まんでもいいからこれだけは！くらいの気持ちすらあります。

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スピンアウトでも外伝でもないんです。「ゼロクロイツ」もあくまで本編。過去編というと少しはしっくりくるかな？なので単体で成立するかというとちょっと危ういです（それでも商業的に、単体で読んでも理解の及ぶようにはなっていると思います）が、それでも読まれるべき物語性を本作は持っています。

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ガンガン本誌からオンライン掲載に移籍されて連載されていましたが、連載終了してだいぶ経つので現在は公開されていません。先のツイートからAmazon、または書店へ赴いていただければと思います。

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余談ながら、先日ふと発見したとあるMAD（nico.ms/sm16282817こちらです。物語後半の重大なネタバレを含むので要注意）で「ゼロクロイツ」を紹介しよう、と思い立った次第でした。普段MADって観ないんですけど、たまに探すと思いがけずいい動画に出逢えたりしますね。