#TC鎮守府　（トレ鎮）まとめ。（第２次）

てぃーえー@C103土ヨ-02b @ta_castlepoint

鎮守府前へ接近。建物の手前で停車。 鳥海、谷風、瑞鳳は車内で待機。招かざる部外者は排除して下さい。 『こちら武蔵。配置についた。提督の後方３００ｍの自動倉庫屋上、つまり先程の停車場所付近に構えたぞ。念のためこちらの座標を送る』 『雪風も同じく！』 #TC鎮守府

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よろしい。スマホで二人の位置情報を確認。どうやって登ったかはまあ、無理やりか、金を掴ませたかは、どうでもいい。 いよいよ行きますよ。 鎮守府（と言ってもプレハブだが）玄関は由良が合鍵で開けてくれた。 照明を点けると殺風景な空間。何もないし誰もいない。 #TC鎮守府

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言い訳レベルの受付に据え付けられた内線電話を手に取り、執務室の番号を押す。 『どなたですか……？』 大変お待たせしました。私です。１Fに居ます。 『た、助けてくれ！』 何事です？ #TC鎮守府

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『殺される！ …り、陸軍の奴らが！』 落ち着いて下さい。私は貴方を助けに来ました。今すぐに上がります。 『済まない……！』 貴方の秘書艦も一緒です。 受話器を由良が奪う。 「提督さん！この人達と逃げよう！ここに居たら危ないよ！」 『なッ！？ 来るなといったのに！』 #TC鎮守府

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『由良！駄目だ！お前だけでも逃げろ！君たちを！妖精さん達を蔑ろにした報いは俺一人で十分だ！』 埒があかない。 「おい、ガタガタやってる暇が有ったらテメェの主人に面と向かって言えやボケ！」 摩耶が由良の腕を掴み、無理矢理受話器を置かせる。 #TC鎮守府

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落ち着きましたか？ 「はい……」 では行きますよ。エレベーターホールに進み、ボタンを押す。 #TC鎮守府

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彼は待った。 救いを待っていた。 どんな罰を受けてもいい。どんな償いを課せられてもいい。 その使者が来るのならば、この悪夢のような孤独から、悪夢のような現実から脱することができると考えた。 自分の判断が遅かったのは明らかだ。しかし彼の心には不思議な安堵感が有った。 #TC鎮守府

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あとは、相手がこのドアを開ける時がくれば良い。 逃げろと命じた秘書艦が、失われた秘書艦が、呉からの使者と共に再びこのちっぽけな鎮守府に現れた。 ――俺はどうなっても良い。由良さえ無事であれば……。 そしてもう一度提督としてやり直そう。 #TC鎮守府

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エレベーターで、執務室がある５階へ。廊下は非常灯が灯っている以外は真っ暗。 由良が照明を点けてくれた。 「この廊下の突き当りが執務室です」 成程、突き当りの部屋のドアから明かりが漏れている。電気も点けてないとは。相手が怯えきっているのは確かですね。 #TC鎮守府

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―――と。 「提督！こちら瑞鳳！３時の方向に人間と思われる熱源多数！いいえ！包囲されつつあり！」 #TC鎮守府

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『なにしてくれるのよぉ！』 ――まさか！ 耳につけた無線から瑞鳳の絶叫。退避して！ 各位艦載機発艦！ 攻撃準備！ 「提督さん！」 待ちきれない由良がドアを開けようと身を乗り出す！ 危険だ！ 「待て！ 死にてえのか！！！」 #TC鎮守府

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咄嗟の判断で摩耶が由良を担ぎ、引き返す。 私も摩耶を追う。 こんな時に限って廊下が長く感じる。 「赤外線照射を感知！ 高速熱源１！」 瑞鳳からの無慈悲な報告が耳に響く。 間に合わないか！ 二人とも！床に伏せて下さい！ ―――轟音。 #TC鎮守府

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――つづく。 #TC鎮守府