『純情恋花火×KANJANI EIGHT』 ◯ぷろろーぐ①◯ 「章ちゃん♪」 「なにー?」 「土曜日お祭り行かへん?」 「男2人で行ってどうすんねん。笑」 「ええやん! えいやっさー言うてさぁ! せや!裕ちんとか大倉とか みんな誘ってさ!」 「行くかアホ」
2014-07-06 22:35:08◯ぷろろーぐ②◯ 「うわっ村上くん! てかみんないつのまに居たん!?」 教室に揃う7人。 「みんな行かへんのぉ?」 「ごめん丸ちゃん、 俺他の人と約束してん」 「あ、俺も」 「めんどくさいし人多いん嫌や」 「ええやん、2人で行ったら!笑」
2014-07-06 22:36:56◯ぷろろーぐ③◯ 「えー、なんやのみんな… 章ちゃんどないする…?」 「…んー、じゃぁまる、 2人で行こか」 「やった♪ほな、いこ♪」 楽しみや! __To be continued
2014-07-06 22:40:26「ごめん丸ちゃん、 俺他の人と約束してん」 __ クラスの人たちと行くお祭り。 その中に居る、好きな女の子。 うまく話せるかなぁ。 ○大倉/金魚すくい○ __ ( 6.7.8だけ女の子目線 )
2014-07-07 22:21:351. ”18時に神社で” そう表示された画面をみて準備を始める。 今日来るのは 俺含めて男2人と女の子2人の合計4人。 「はぁ、緊張する。 なに話せば良いん…」 その中に居る好きな子。 「まぁ2人きりやないし大丈夫やろ」 心を落ち着かせながら 神社に向かう。
2014-07-07 22:25:562 __ 「え、なんて?」 「えっと、2人とも少し遅れるみたい…」 なんやこのベタな展開は! 俺急に2人きりとか無理やって… 「とりあえず…行く?」 「うんっ、そうだね」 微妙な距離を保ちながら 賑わう屋台に向かっていく。
2014-07-07 22:30:273 太鼓の音も 賑わう人々の声も 全然耳に入ってこない。 どうしよう。 なんか食べるかな。 まだお腹空いてへんかなぁ。 「…あのさ、お腹空いてへん?」 「んー、まだ大丈夫かなぁ。」 「そっか…」 え、じゃぁどないしよ。 2人とも早く来てや…。
2014-07-07 22:45:374 周りをよく見れば 楽しそうに歩く恋人ばかり。 ヨーヨー釣りしたり 金魚すくいしたり かき氷一緒に食べたり。 俺の隣にも こんなに可愛い子がおんのに。 せっかく浴衣も着て来てくれたのに 楽しませなあかんよね。 「…あの、さ、はるかちゃん。」
2014-07-07 22:53:475 勇気を出して 名前を呼んでみれば 「えっ何//?」 少し照れた赤い顔。 そんなはるかちゃんに キュンとする。 「金魚すくい、やらへん…?」 「…やる!」 嬉しいのを精一杯隠して 「じゃ行こか」 また歩き出す。 さっきよりも 少し近づいた気がする歩く距離。
2014-07-07 22:59:436 「じゃ行こ」 そう言って歩き出す大倉君。 みんな私のことを名前で呼ぶけど 大倉君に呼ばれると すごいドキドキする。 「金魚すくい好き?」 「んー私はあまり得意じゃないけど…」 「俺なぁ、昔から得意やねん。 しょーもない特技!」 ふはっと笑う大倉君。
2014-07-07 23:06:097 「どの子がええかなぁ〜」 金魚を見つめる大倉君は さっきと違って 無邪気で少年のような笑顔。 「見て!取れたで!」 そんな大倉君の笑顔が好き。 「はい次どうぞ」 「あっ、ありがと//」 ふぅ…びっくりした。
2014-07-07 23:09:498 「とれるかなぁ。」 「あ、袖、濡れるで」 私の横にちょこんと座って 袖をまくってくれる大倉君。 …近い// 「これで大丈夫やな」 「ありがと…/」 ドキドキしてるの 聞こえてませんようにっ
2014-07-07 23:15:489 「あ、袖、濡れるで」 そのことに気を取られた俺は、 はるかちゃんとの距離に 全然気づかなかった。 あかん、近い… 平常心を保って 「これで大丈夫やな」 一歩距離を置く。 心臓の音バレてへんかなぁ。 「とれた!」 「え!とれたん?」
2014-07-07 23:19:1310 透明の袋に入れられた 2匹の金魚。 俺がとったのと はるかちゃんがとったの。 「俺のが大きいなぁ」 「ほんとだ、私の小さい」 「ええやん、可愛いやん」 ……。 「やっ、その…」 「金魚っ、かわいいよねっ」 そう言うはるかちゃんは また赤い顔をしてて。
2014-07-07 23:21:3011 俺も ”金魚が” って弁解しようとしたけど きっと可愛いって言ったのは 金魚じゃなくて はるかちゃんのことで 「可愛いよ。」 ”はるかちゃんも?” んー。 「はるかちゃんが。」 「わたし…?//」 「うん。」 気づけば、 握っている両手。
2014-07-07 23:26:1112 黙ったまま ギュッと握り返される手に 期待してもええの? 「行こ」 今度は 手を繋いだまま歩く。 「…あれ、ヤス?」 「大倉!ごめん!また後で!」 走ってきたヤスは そう言って走って行ってしまった。 「どうしたのかな?」 「さぁ?」
2014-07-07 23:34:1913 慌ただしいヤスに ふふっと2人で笑う。 まだ賑やかな太鼓の音と 周りの人たちの楽しそうな話し声。 打ち上がった花火に 照らされるはるかちゃんは やっぱり可愛い。 繋がれた手には 仲良く寄り添う金魚。 「来年も一緒に行こ?」 「うん♪」 #END
2014-07-07 23:39:521 お祭りなんて 人多いし、暑いし、 暑いし、人多いし。 丸はなんで あんな楽しそうなのか。 自分の教室に戻って それをテーマに ちょっと真面目に考えてみた。 「んー、分からん」 「すばる!」 「ん?」 「土曜日、お祭り行かない?」 なんやねんもう!
2014-07-08 22:22:222 声をかけてきたのは 隣の席の あやか 。 「なんで皆お祭り行きたがるん。」 「夏の大イベントだから!」 「嫌や」 「何で?」 「暑い人多い」 「夕方は涼しいって言ってたよ?」 えー。 「…しゃぁないなぁ」 「やった♪」 あやかの誘いは いつも断れない。
2014-07-08 22:27:053 ”めんどくさいし人多いん嫌や” そう言った矢先のこと。 …あいつらに会わんとこ。 __土曜日 神社の鳥居の前。 「うわ、ヒナおるやん」 ちょっと移動。 あー暑い、やっぱ暑いやん。 誰や涼しい言うたん。
2014-07-08 22:31:584 あやかさーん まだですかー。 地面を一生懸命歩く アリを見つめてると ふわっと影が覆う。 ん? 「ごめん、待った?」 この声はあやかや。 そう思って顔をあげる。 「んー、ちょっと…だけ」 「ん?どうしたの?」
2014-07-08 22:38:465 どうしたのって。 普通に服で来ると思ったやん。 浴衣なんて聞いてへんわ。 いつもは紺の制服のスカートに 白とか黒のポロシャツのくせに。 今日は 赤色の浴衣なんて 「…ずるいわお前」 「ん?何が?」 「ええからもう、早よ行こ」
2014-07-08 22:42:316 暑いのは気温なんか 自分なんか、もう分からん。 「ね、すばる」 「ん?」 「金魚すくいしたい」 「んー、ええよ。俺はやらんけど」 そーいえば 大倉が得意やったなぁ とか やっぱ浴衣ってずるいわぁ とか思いながら あやかが 金魚すくいしてるのを眺める。
2014-07-08 23:00:377 「とれたん?」 「んー、まだぁ。」 ええなぁ、金魚涼しそうやなぁ。 「…ん」 あかん。大倉やな、あれ。 「あやか」 「なに?」 「行くで」 「え、まだとれてない!」 「ええから早よ」 手首をぐいっと引っ張って 逃げるように歩き出す。
2014-07-08 23:05:13