第1回短詩会 入選作まとめ #短詩会
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短詩とはなんでしょうか。俳人、中村草田男は俳句を「ご覧なさい。俳句とは、手足をもがれて縛られて、まるで畸型児のようではありませんか」と過激な言葉で表現しています。時代が時代とはいえ、削ることで深みを増すやり方は、日本人が古くから得意としている方法論のようです。
2014-08-01 20:30:59たいへんお待たせいたしました。雷と雨の気配が濃厚ななか、第1回【短詩会】のなかから、票を得た作品を紹介します!応募総数は24、やはりと言うべきか全て短歌だったようです。 作品 作者 票数 の順番で表記していくつもりです。では、よろしくお願いいたします。
2014-08-01 20:33:22雨になるためにチョークで描かれた女の子の絵 おとうととネコ @silossowski 1点 選者評「おとうととネコを邪魔しようというのか生き返らせようというのか分からないけど、雨になるために本気で絵を描いている幼い子の姿が胸を打ちます」
2014-08-01 20:35:04息の根を止めてしまうほど赤い花左手首に咲いては揺れて @cl6ck 1点 選者票「あえて比喩でなく手首から本当に赤い花が咲いているイメージを採用しました。(後略)」
2014-08-01 20:36:58行ったきり戻って来れない夢の中行ってみたいと思いませんか @cl6ck 1点 選者評「こんな誘いを受けたらドキッとするな~って思いました。作者がどんな夢を見たいのか、とか、もっと見たかったのに夢から戻ってきてしまったのかな、とか色々想像できて面白いと感じました」
2014-08-01 20:37:50屋上の砂は特別サラサラで手術室前通る甲斐ある @silossowski 1点 選者評:入院している子どもが、病院の中を「冒険」しているようすが浮かび、そのわくわくした気持ちと、「手術室」という言葉のもつイメージのギャップが印象に残りました。
2014-08-01 20:38:43血を吐きて眩暈のなかで産んだ子をどうして愛することができよう @16hu_ 1点 選者評:お腹を痛めて産んだ子だからこそ云々」みたいな言説に対するカウンターでオッとなりました。 全体的な疾走感と不安定な感じは、歌の内容と相まっていいかんじだと思います。
2014-08-01 20:39:59……ここまでが1点作品となります。今回は特選1、並選3で選んでいただいております。2点以上の作品は選者評が2つ以上あることがありますので、編集させてポストさせていただきます。後ほどブログなどで全てまとめる予定です。 なお、わたくしも キュバル@16hu_ として参加していたり字数
2014-08-01 20:42:07いつの日か線路に向けて放流し電車を止めるための出目金 @16hu_ 2点 ・夏の日差し、逃げ水の中に揺れる電車のイメージと、あらわれる「放流」「出目金」という涼やかなイメージの対比が良い ・線路に向けて「放流」と。破壊的で衝動的なのだけど、「放流」や「出目金」の対比も面白い
2014-08-01 20:44:46紅に染め上げて白 土色に汚れては白 青い空 白 @silossowski 2点 ・小気味好いテンポが面白い。何があろうと白=無、スタートに戻ってしまう遣る瀬無さが好きだ ・《白。白とは、色ではない――抵抗である》と国文学に。白と黒には他の《色》とは違う役割があるのかもしれない
2014-08-01 20:46:56さよならを遠まわりして進みゆく日々のすべてを包む星空 @iris_me 2点 ・前半の遠回りして進みゆく、にもどかしさや切なさがあるのに、後半はそういうのを全部包んでくれるという優しさがとても素敵 ・ずっと繋がっている歌をつくるのは案外、難しい。ひとつの流れとして読んだ時の良さ
2014-08-01 20:48:32臓腑から瑠璃色の蝶あらわれり 食いやぶられて蛹の君は @16hu_ 2点 ・ストレートな表現によるコントラストの強い世界観に引き込まれる ・瑠璃色の蝶が現れたのに、「君」は食いやぶられた蛹の側であるところになるほどと思わされます。歌の内容も表現も実に上手いです
2014-08-01 20:49:55冷たくて硬い光を中心に去勢されたる猫の集会 @16hu_ 3点 ・最も思い浮かんだ絵がよい色調だった。冷たく硬い光の下で、もう硬くなるものを持たない雄猫が、盛ることなく静かに集会をしている。いちめんに音がないことが伝わってくる。黄と群青と黒のみで描かれた油絵が浮かんだ(特選)
2014-08-01 20:56:46街を捨てやっと一人になりし日もまだポケットに懐かしき人 @iris_me 3点 ・街を捨て一人になりたかった、嫌な思い出と決別と凄まじい決意を感じた。それにも拘わらず忘れることの出来ない大切な人ってどんな人だろう? ・捨てたのは人ではない、街だ。街を捨てても、人は心に残りうるか
2014-08-01 20:58:47古くなる今を鏡の箱庭で他人のようにじっと見つめる @iris_me 5点 ・現実と、自分から解離したもうひとりの自分、もうひとつの世界の存在が「鏡」という言葉によってひんやりと表現されていて良い ・人間は認識を選別できる。世界は箱庭になりえる。自分の創造した世界だからこその客観
2014-08-01 21:01:55金色の星を灯してハローハローそちらの天気はどうかな、どうぞ @cl6ck 6点 ・決め手は定型を崩してまで重ねたハローと最後の「どうかな、どうぞ」(特選) ・ハローハロー、金星をあげたことを早く報告したい……という感じ(特選) ・天気について尋ねるのもユーモラス、楽しい(特選)
2014-08-01 21:05:05そんなこんなで第1回 #短詩会 は一段落となります! 参加していただいたみなさま、読んでいただいたみなさま、ありがとうございました。第2回の締切は1週間後、【8月7日23時59分】を予定しております。 ちらっと眺めて気になった方、短歌に興味を持った方、ぜひ一緒に遊びましょう
2014-08-01 21:11:56わかりやすく、点数表記などをしてみましたが、もちろん良い作品だから点が集まるというものでもございません。そもそも《良い作品》というものが人によってちがいます。 「あの作品は○点だったが私はこう思う」「皆はこう読んだが私はこういうつもりで作った」などを話すのも会の一興ではないかと。
2014-08-01 21:17:58例えば「いつの日か線路に向けて放流し電車を止めるための出目金」は、破壊衝動と清涼さを評価されておりましたが、つくった身としては破壊のことしか頭にありませんでした。この図に幸はありません。でもそこに《清涼さ》があると言われれば、たしかに。《放流》という言葉の強さを思い知りました。
2014-08-01 21:19:39