＃空想の街　【氷涼祭】 ＃オハナミズキ　まとめ 【更新中】

春木のん @Haruki_Non

【HP更新】「オハナミズキ ＃１」 UP！★空想の街の氷涼祭を元にした、瑞木と椿木と柚木の３姉妹物語です。すでに書いてあった分を加筆修正。続きます。 nanos.jp/honmou/page/19…

春木のん @Haruki_Non

私の人生は花のようにパッと咲いて、パッと散った。 #空想の街 #オハナミズキ 永遠のハタチになって14年。だいぶハタチも板につきベテランになってきた時分、一羽の白鴉が、雲の上で夕陽色のペディキュアを塗っている私の前に降りてきた。

春木のん @Haruki_Non

「なぁ、今年は行かないかよ？」 「どこへ？天国へ？イヤよーイヤイヤ。ミズキはまだ、ハタチだから〜♪」 「いつまでフラフラした浮遊霊でいるつもりだよテメェ。しかもハタチって何十年前の話だよ」 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「まだ14年前よーほら、透けたお肌もピッチピチでしょう？」 「ところどころの言葉が古いんだよ。まぁ、それはいいんだよ。これからテメェがいつもフラフラしている時計塔のある街へ仲間たちと行くんだよ」 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「行く！」 「だからテメェの身内もそこへ引っ越したって言ってたし、」 「ミズキ、行っきまーす！」 「……話を遮るなよテメェ」 頭をうなだれるしゃがれ声の白鴉を無視して、私はガッツポーズをした。 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

とうとう、待ちに待った時が来たわよ！ 私の黄泉がえりのチャンスが！！ #オハナミズキ #空想の街

空想の街公式アカウント @humptyhumtpy

白鴉のワタリがいよいよ近づいてきました。例年のように、今日から時計塔広場で役所から風船をお配りしてます。忙しくて風船の用意が出来ない方、買いに行くのが面倒な方はぜひ時計塔広場へ！（情報窓口：堂坂みかこ）　#空想の街

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白鴉たちのワタリに便乗し、時計塔のある街へ着く。 黄泉がえりが出来るのは、夜になってから。それまでは時計塔の周りをふよふよ浮いて時間を潰す。 『なぁ、テメェ。ちゃんとコッチに戻って来いよ』 仲間たちと羽休めをしに行く前の白鴉が念を押した。 #オハナミズキ #空想の街

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夕方になると、風船を配っていた時計塔の周りから人の気配が薄くなり始め、代わりに幽霊の気配が濃くなった。 みんな、かえりたい場所に自分を呼ぶ風船が繋がれているか気になりながら、その時を待っていた。 私も、今回はイケる気がする！ #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

そしてその時が来た。 日が暮れて夜の色が濃くなり、時計塔の周りを浮いていた幽霊たちが下に降りて足で歩き始める。 私も地に足を着ける。引力はあるような、ないような。かなり不思議な感覚。 妹の旦那が実家を継ぐため、この街に引っ越して来たのは３年前。 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

一昨年の氷涼祭に呼ばれなかったショックが大きすぎて。昨年はフテ寝しちゃった。 でも３度目の正直って、いうじゃなーい？ なごみ茶屋の裏手にある、和水家の玄関先に繋がれた風船を見つけ。 私は『イエス、イエス！』とガッツポーズをした。 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

待って。こんなにテンションが高い幽霊が出てきたら、みんなビックリしちゃうよね？ はいはい、深呼吸。ちょっと落ち着こうね。スー、ハー。よし。 私は和水家の硝子格子戸をノックする。 すぐにバタバタと奥から足音がして、ガラガラと戸が開いた。 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「潮くん！！」 「たっだいまーん！！」 頬が上気した末妹の柚木の声と、私の声が綺麗に被る。 「あれー？椿木の家なのに、柚木いるの？」 「なんで……なんで瑞木ちゃんなのよー！バカー！！」 そう怒鳴られると、ガラガラビシャン！と戸が閉められた。 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

えええ。ちょっと。ひどくない？私に対する柚木の態度、ひどすぎない？ 柚木の足音がバタバタと遠ざかり、入れ替わるようにパタパタと別の足音が近づいてきた。 ガラガラと戸が開くと、今度は椿木だ。 「瑞木、ちゃん」 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「ああ椿木。ただいまー。ねえ、どうしたの柚木？」 「まあ……ちょっと。間が悪かったのよね」 椿木は手に持ってきた風船の紐を、玄関先に既にひとつ着けてある風船と一緒にした。 「なになに、どういうこと？」 「まあ、入ってよ」 「うん」 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

居間へ行くと、柚木がちゃぶ台に伏せて泣いていた。そのすぐ隣に、困った顔をした女の子が柚木を撫でて慰めていた。 「柚木の子？」 「そう。明代ちゃんよ」 「こんばんはー明代。ママのお姉ちゃんの瑞木だよー」 明代は小さな声で挨拶をした。 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

「もうちょっと奥で…」 椿木は居間の奥の和室に入り、襖を閉めた。 「さっき柚木が言ってたウシオって、柚木の旦那の名前？死んだの？」 「２年前の冬に、海で行方不明になったの。だから今年の氷涼祭に風船を着けたら、もしかしたら潮くんが来るかもって」 #オハナミズキ #空想の街

春木のん @Haruki_Non

#空想の街後書き 【オハナミズキ】瑞木、椿木、柚木の三姉妹物語にしようと。未完ですすみません。氷涼祭＝死者の黄泉がえり、なので死者の視点から書きたかったのです。とっても明るい死者。ウザいから帰ってこなくていいよーと思われる死者。でも早く生まれ変わってね、と思われてる死者。

春木のん @Haruki_Non

私の話は、情景が浮かぶよりも、急に頭の中で誰かが話し始めることが多くて。昨日、巌さんがどんな人か定まったら、瑞木（姉）と椿木（妹）がすごい話しだして、オハナミズキの終盤のプロットが出来上がってた。瑞木ちゃん…ぶわっ(´;ω;`)早く書いてあげたいわ。