原田英男さんが語る「スーパーで考えるTPP」

TPPに参加すると消費者・国内畜産家はどんな影響を受けるか。 どのように対処したらしよいか。 ※ 関連:原田英男さんが語る「TPPと酪農」 http://togetter.com/li/68861 続きを読む
5
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP①】近所のごく普通のスーパーの売り場で考える。牛肉売り場から。ロース(ステーキ用)のお値段は仙台牛が1380円/100g、交雑種が613円 、豪州産327円。これらの客層は重なるだろうか?まず、重ならないだろう。完全に棲み分けていると思う。

2010-11-21 20:06:29
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP②】牛肉の需要が棲み分けできているのなら、豪州産牛肉の関税(38.5%)がゼロになって200円そこそこになっても国産牛肉は大丈夫だろう、とも言えるかも知れないが、今日は売り場にない米国産牛肉は交雑種に近い肉質が期待できるので、売り場の確保の点できつい。

2010-11-21 20:06:30
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP③】牛肉売り場のキャパから見て3種(和牛、交雑・乳用種、豪州)が限界とすれば(牛肉需要全体が伸びない限り)、価格と肉質が近い交雑と米国産はどちらか一方しか置いてもらえない、という関係かも。現在は20月齢以下で供給量が小さい米国産もチャンスありとなる

2010-11-21 20:06:31
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP④】和牛は店側としては、常時置いておきたい商品だと思うが、輸入牛肉の価格が相対的に下がれば、和牛全体の価格も下方修正されるだろう。乳用種は置き場が無くなるかも。300円を超す豪州産も200円台になれば国産豚肉より安くなるので、そちらと競合する可能性も。

2010-11-21 20:06:34
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP⑤】豚肉はしゃぶしゃぶ用肩ロースが国産238円/g、米国産181円(米国産ロースは今日はなかった)。TPP参加国ではチリも豚肉輸出余力あるが、やはり米国産が圧倒的に強いだろうが、関税ゼロでどの位下がるのか。仮に3割として120円くらいか。

2010-11-21 20:06:36
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP⑥】豚肉の場合、米国産との肉質格差は一般的には小さい(ブランド豚肉は別として)。今日のスーパーでも国産しゃぶしゃぶ肉と米国産とは単価は異なるが1パック当たりの重さを変えて、パック当たりでは同じ380円で販売(国産160g、米国産210g)。

2010-11-21 20:06:37
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP⑦】つまり一般の豚肉は既に肉質より、家族でどの位の量が必要か、を基準にお得感で購入しているのかも。関税が下がれが1パック同じ価格で買える量が何割か増えるということで、ファミリー層には受けるだろう。こだわり派は元々、ブランド豚肉を選んでいるかも。

2010-11-21 20:06:38
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで買えるTPP⑧】以前にもツイートしたけど、輸入豚肉は差額関税がかけられているので、本来の輸入豚肉需要と販売価格の関係が分かりずらい。今日も米国産豚肉のブロックで肩ロースとバラがどちらも95円/gで売っていたけど輸入価格を引き上げるために組み合わせ輸入された部位だろう。

2010-11-21 20:06:40
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP⑨】豚肉売り場には他に黒豚と○○豚というブランド豚肉がある。黒豚ロースは600円/g、○○豚ロースは300円強といった価格。米国産を入れて4アイテムとなるが、関東では豚肉消費が中心なので、こういう棲み分けに。輸入豚肉増加で普通の豚肉は置き換わるかも。

2010-11-21 20:06:41
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP10】鶏肉売り場は、普通の国産ブロイラー(もも136円/100g)、○○鶏(178円)、ブラジル産(99円)の3アイテム。平均すれば10%程度の関税なので、価格低下でブラジル産が伸びる余地は少ないかも。鶏卵は国産しか置いてないので、輸入物の影響は小さいと。

2010-11-21 20:06:42
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP11】牛乳は成分無調整は国産だけど、加工乳や乳飲料は輸入脱脂粉乳等が使用されており、これらの価格低下で成分無調整牛乳が影響を受ける可能性はある。バターは高関税なので、関税撤廃により日本産は価格では太刀打ちできないが、消費者が買うテーブルバターは一部は残るか

2010-11-21 20:06:44
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP12】チーズは今でも自由化されているので、様々な製品が輸入されている。溶かすタイプのシュレッドチーズは豪州、NZ産が主体で価格も国産シュレッドより安いが、同じシュレッドでもアイテムが多いので店先では比較しにくい。フレッシュ系やカマンベール系などは味の勝負か

2010-11-21 20:06:46
原田 英男 @hideoharada

【スーパーで考えるTPP13】スーパーで売られる生鮮肉や卵、牛乳は輸入品価格が低下しても、直ちに影響を受けるものばかりでもないが、畜産物の需要先として大きなウェイトを占める加工品・外食産業の分野では輸入品に取ってかわられる分野が圧倒的だと思われ、牛肉、豚肉、乳製品は影響が大きい。

2010-11-21 20:06:47