- eighter_rieko83
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116 滝を楽しんで、河原でお弁当。 ありがたいことに好評で、◎◎ちゃんから「料理教えて下さい」とまで言われて、本当に嬉しかった。 思い切って作ってきて良かった! 丸山「ほな、俺らはそろそろ 帰るとするか!」 安田「もう時間かぁ。」 丸山「渋滞ハマっても困るしな。」
2014-08-29 22:17:07117 またねって言って2人は仲良くバイクで走り去った。 私 「あー、行っちゃったねー。」 安田「んーそやねぇ。 これからどこ行くぅ? 時間あるんやろ?」 私 「うん、私は全然大丈夫! しょーちゃんは? 疲れてない?」 安田「全っ然、大丈夫ぅ♪」
2014-08-29 22:17:21118 私 「どこかいいとこある? 私、こっちのこと 全然わからないし。」 安田「じゃあさ、海行かへん? 俺がたまに行くとこ あんねん。まだ時間も あるから、寄り道 しながらでも!どぉ?」 私 「うんっ、行きたい!」 車に乗り込む。
2014-08-29 22:17:45119 途中、お買い物をしたり、カフェでコーヒー飲んだりしながら、夕方、ちょうど太陽が沈みかけた時に海についた。 安田「あー、間に合ったぁ!」 私 「キレイだねー…。」 平日の夕方の海は、人もほとんどいなくて。 夕日を横目に砂浜をゆっくり、人目も気にせずに歩けた。
2014-08-29 22:18:06120 お買い物とかで、はしゃいでたら、しょーちゃんのこと好きかもっていう自分の気持ちを一瞬忘れてた。 けど、この雰囲気でまた一気に意識させられてしまう。 少し前を歩くしょーちゃん…、後ろ姿だったら見つめててもバレないよねって思ってたら、急に振り返って思わずびっくり。
2014-08-29 22:18:41121 安田「ちょっと座るぅ?」 私 「あ、うん。」 安田「海ってやっぱえぇなぁ。」 私 「波の音って落ち着くよね。」 安田「地元は近くに海あった?」 私 「あったよ。小さい頃は夏に なったら毎年真っ黒に なってた、へへっ。」
2014-08-29 22:18:58122 安田「でも、今年の夏は 引きこもってたなぁ、はは。」 私 「ホントだよ! お盆も実家帰らなかったし。」 安田「帰りたかったな? 仕事忙しくって 帰れんかったん?」 私 「うん、帰ったら締め切りに 上げられそうに なかったから。」
2014-08-29 22:19:24123 私 「でも、しょーちゃんたちに 飲みに誘ってもらってたし、 今日もドライブ連れてきて もらったし、 楽しい夏になったよ!」 安田「…ふふ、嬉しいなぁ。」 ちょっとびっくりした顔して、でもすぐ笑顔になったしょーちゃん。 …もうすぐ日が沈む…。
2014-08-29 22:19:50124 太陽は沈みだしたら、あっという間に沈んじゃって、あっという間に暗くなった。 辺りは波の音だけが聞こえてて、微妙な距離感で座ってる彼に、私のドキドキが聞こえたらどうしようって思った。 安田「…帰ろっか?」 私 「…うん、そうだね。」 立ち上がって、砂を払う。
2014-08-29 22:20:17125 先に歩き出した彼の後をゆっくり追いかける。 でも、ちょっと歩いただけで、しょーちゃんが立ち止まる。 安田「・・・・・。」 私 「・・・・・?」 クルッと振り返って私の目の前にくる。 どうしたんだろ…。 さっきよりも、更にドキドキする。 安田「・・・・・。」
2014-08-29 22:20:44126 俯いて黙ったまんま、彼はまたクルッと前を向いた。 …何だった、んだろ…? そう思った瞬間、彼の左手が私の右手を捕まえた。 えっ…?! 安田「…やっぱ、つなご…?」 私 「・・・!」 そして、びっくりして、ドキドキして、倒れそうな私を、引っ張って歩き出した。
2014-08-29 22:21:13127 波の音と砂を蹴る音だけ。 つながれた手から、彼の体温を感じながら、ゆっくり、でも確実に車に近付く。 私、やっぱりしょーちゃんのこと、スキ、なんだと思う。 だって、このまま車に辿り着かないならいいのに、って思ってる。 しょーちゃんは? なんで手をつないだの?
2014-08-30 16:44:56128 私の願いは当然叶うことなく、車のもとに到着。 迎えに来てくれた時みたいに、しょーちゃんは助手席のドアを開けてくれて、つないでいた手をそっと離した。 小さな声でありがとって言って、車に乗り込んだ。 ゆっくり運転席にまわって、彼も車の中へ。 安田「…送る、な。」
2014-08-30 16:45:37129 エンジンをかけると、言った通り、私のマンションへ向かって走りだした。 さっきまでの車の中と違って、ずっと黙ったままだったけど、不思議と居心地が悪い感じではなくて。 チラリと見た彼の目がすごく優しく見えて。 …なんだか、期待してしまう…。 あっという間に見慣れた景色。
2014-08-30 16:46:05130 安田「…ついたで?」 運転席を見ると、いつもと同じような、でも違うような、優しい笑顔。 私もちょっと笑って、車を降りた。 しょーちゃんは、また降りてきてくれて、後ろの席からすっかり軽くなったお弁当箱を取ってくれた。 安田「ホンマにおいしかったわ。」
2014-08-30 16:46:17131 安田「 今度は“おもてなし”かな?」 私 「それ…やっぱり実施する?」 安田「するやろ!あは!」 私 「即答だ…。わかった、 じゃあ、がんばるよ…。」 安田「楽しみにしております! ははっ。……じゃ、帰るわ…。」 私 「うん、今日はありがと。」
2014-08-30 16:46:53132 私 「気をつけてね?」 にっこり笑って彼は車に乗った。 そして、私を見て軽く手を上げて…行ってしまった。 見えなくなるまで車を見送って、ゆっくりと部屋に帰りついた。 なんか、自分の気持ちに追いつけないくらい、色々あった1日。 いいのかな、スキになっちゃって。
2014-08-30 16:47:08133 ま、もう手遅れな感じは否めないけど。 しょーちゃんの笑顔、声、優しさ、手…何度も何度も思い出した。 時計を見ると、もうとっくに深夜になっているのに、ドキドキして…、眠れない。 その時無音だった部屋に電話を知らせる音が鳴った。 私 「…信ちゃんだ…。」
2014-08-30 16:47:35134 私 「もしもし?」 村上「もしもし?起きとった?」 私 「うん…。」 村上「…ドライブ行ったって?」 私 「え?」 村上「…マルに聞いてん。」 私 「あ…お仕事一緒 だったんだね。」 村上「おん…楽しかった、か?」 私 「うん…、楽しかったよ。」
2014-08-30 16:47:49135 元気ない信ちゃん…。 村上「ほーかぁ…。俺とも… や、なんでもない。 あれや!お前んち、みんなで 行くやつ、そろそろ実行 せなな!」 私 「あー、うん、がんばるよ。 がんばって作る、ふふ。」 村上「お、やる気出たんやな!」
2014-08-30 16:48:19136 あ、ちょっと元気な声になった。 村上「ほな…夜中にごめんなぁ… もう、切るわ…。」 私 「ううん!…信ちゃん…? …遅くまでお疲れさま!」 村上「え?おん、ありがとぉ。 ほな、おやすみ!」 聞きたいことはいくつかあったけど、どう聞いていいのか。
2014-08-30 16:48:40137 信ちゃんはやっぱり私のこと…想ってくれてるのかな…? 私の手を包んで、何か言いたそうだった彼の顔を思い出す。 でも…もしそうだったら、…しょーちゃんスキになっちゃった私は彼の気持ちに応えることができない…。 あー…ダメだ、眠れない! 仕事でもしよっかな………。
2014-08-30 16:49:03