茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1318回【変人は自分で気付かない】連続ツイート

2014.9/8 茂木健一郎氏 【学習はオープンエンドである】連続ツイート …「私のここが変だ」と気付いている人は、すでに、そこに「他者の眼」が入っているのだろう。周囲との関係性の中で、自分の特徴を相対化している。一方、自分の変なところを気付いていない人は、いわば、変なところの「無摩擦空間」に住んでいる…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1318回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、今朝、なんとはなしに思い出していたこと。

2014-09-08 07:28:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼくは、変人が好きである。友だちにも変人が多いし、ユニークな変人は、空気を動かす。ところが、一つ面白い現象がある。ほんものの変人は、自分のことを変人だと思っていないことが多い。一方、「私は変人です」と言う人は、それほどでもないということが多い。

2014-09-08 07:29:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

もう少し、正確に言うと、世の中に「変人」と「普通人」の二種類の人間がいるわけではなく、どんな人にも、「変なところ」がある。問題は、その「変なところ」を、「私はこういうところが変なんです」という場合よりも、「えっ、そんなの普通ですよ」と言う場合の方が、変人度が高いということだ。

2014-09-08 07:31:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

これは、どういうことだろうか。思うに、「私のここが変だ」と気付いている人は、すでに、そこに「他者の眼」が入っているのだろう。周囲との関係性の中で、自分の特徴を相対化している。一方、自分の変なところを気付いていない人は、いわば、変なところの「無摩擦空間」に住んでいる。

2014-09-08 07:32:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

自分のこういうところが変だ、と気付いてしまうと、どうしても周囲との関係で控えたり、見栄を張ったり、誇張したりする。ところが、自分の変なところに気付いていない人は、その変なところを、自由にのびのびと育てることができるわけで、そのことが、その人の魅力になることがある。

2014-09-08 07:33:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上の考察からわかることは、「変人」、「変なところ」は、自己申告制ではなかなか把握できないということだ。最近は、政府が率先して、「変人プログラマー募集」などの試みをしているが、自己申告で「私は変人です」と応募する人は、実はそれほど変人でない可能性が高い。

2014-09-08 07:34:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

もし、「変人プログラマー募集」などの事業を実のあるものにしたかったら、自己申告制ではなく、他人からの推薦制、もしくは(そういうメタファーを敢えて使えば)「通報制」にすべきであろう。「あの〜、ここに変人がいますよ〜」と「通報」する。本人が「いえいえ、私は違います」と否定したら本物。

2014-09-08 07:36:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

話は変わるが、子どもが夢中になったり、何かに魅せられている様子が素敵なのは、そこに、他者の眼がない、没入があるから。社会性は大切で、他者の眼、メタ認知は成熟した人間になるためには不可欠だが、変人の無摩擦の純粋さに惹かれることがあるのは、子どものあどけなさと似ているからだろう。

2014-09-08 07:37:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1318回「変人は自分で気付かない」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2014-09-08 07:38:02