紅茶少女と満月のお茶会

上原恵(@kei00521)作によるSS連作その12。
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紅茶少女と満月のお茶会

上原 恵 @Uehara_Kei

『紅茶少女と満月のお茶会』「あれ、アールさん?」お店から戻ったタカミチさんはなにやら出かける支度をしているアールさんを見つけました。もう夜で、アールさんが営んでいるカフェも閉めてある時間帯です。 #SS_12

2014-09-09 23:01:45
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「カフェへ行ってきます」ああ、と何かを思いついた様子でアールさんはニコッと微笑んで言いました。「よろしければタカミチさんもいかがですか?」昼間、常連さんから聞いたんです。今夜はスーパームーンと呼ばれる月が見えるんですって。なので―――。 #SS_12

2014-09-09 23:03:39
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「お茶会をしようと思ったワケね」アールさんに引っ張られるがままカフェまでやってきたタカミチさんは、道中経緯を聞いて納得していました。夜のカフェはすでに常連客でいっぱいだったのですから。 #SS_12

2014-09-09 23:04:53
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「皆さんお待たせして申し訳ありません。すぐに準備しますね」パタパタと忙しなくキッチンへ向かっていくアールさんに、タカミチさんは小さく微笑を零します。そんなタカミチさんに声をかける人物がいました。 #SS_12

2014-09-09 23:05:49
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「お疲れさま、タカミチさん」「リリィ」アールさんがカフェをはじめて、いちばん最初のお客様で彼女の友人でもあるリリィです。リリィはタカミチさんにそっと耳打ちします。 #SS_12

2014-09-09 23:07:27
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「アールさんにスーパムーンのこと教えたの、私なの」まさかお茶会に発展するとは思わなかったけど、と肩をすくめたリリィでしたが、その青い双眸は穏やかに細められます。「楽しそうだからいいかな」「そうだね」タカミチさんは頷いて、窓の外を見ました。 #SS_12

2014-09-09 23:08:44
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei いつもより大きく美しく見える月が浮かぶ夜に、いつものみんなでちょっとしたお茶会。アールさんには敵わないとタカミチさんは口元を緩めます。ふわりと紅茶の良い香りが届いて、タカミチさんはアールさんを手伝うためにキッチンへ足を向けました。【Fin】 #SS_12

2014-09-09 23:12:17