××中学怪奇集―天野澄華という人

上原恵(@kei00521)によるSS連作その11 本編の『現代退治物語(仮)』はこちら http://estar.jp/.pc/_novel_view?w=17674989
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××中学怪奇集―天野澄華という人

上原 恵 @Uehara_Kei

『××中学怪奇集―天野澄華という人』市立××中学校。この学校にも定番ではあるが七不思議というものが存在している。しかし、ひとつだけ違っていることがある。隠された不思議があるのだ。#SS_11

2014-05-18 16:44:29
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 行くことの出来ない屋上。立入禁止されているわけでもないのに誰ひとりとして屋上に行けない、これが七不思議のひとつ。重要なのは、この七不思議に続きともいうべき不思議があること。なんでもその屋上には――。#SS_11

2014-05-18 16:48:46
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「アンタ」高い、凛とした声が割り込んできた。「なに語り手気取りでいるのよ」訝しげに振り返ると、いつからいたのだろう、小柄な少女が腕を組んで佇んでいた。「ハッキリ言わせてもらうわ。役不足なのよ」だから、と強い双眸に思わず気圧されてしまう。#SS_11

2014-05-18 16:52:19
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「ちょおっと黙ってもらえる?」唇に人差し指を当てた少女の瞳は、爛々と紅く輝いていた。そうして語り手は突如にして現れた少女に代わったのだった。――役者交代。#SS_11

2014-05-18 16:55:02
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「この世は様々な事柄で溢れ返っている」先程までのはつらつとした様子とはうってかわって、抑揚のない声音で語る。ざあ、ざざあ。「その中には勿論、不可思議摩訶不思議――怪奇も含まれているのです」#SS_11

2014-05-18 16:58:16
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei まっかな夕日が全てを染め上げる。少女の瞳とおんなじ。「今日も怪奇は人知れず蔓延していて、ふとしたときに姿をあらわす」ざあ、ざざあ。規則性を持たない風が鳴いて空気を揺らす。#SS_11

2014-05-18 17:07:56
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 「皆さんはご存じでしょうか」鼓膜を震わせ、脳を蝕むような言霊を生む。美しい黒髪が一房翻った。「怪奇と戦う少女のコトを」少女の名前は――。#SS_11

2014-05-18 17:22:32
上原 恵 @Uehara_Kei

@Uehara_Kei 桃色の唇が紡ぐ音は、紅に溶けて誰にも届くことはなかった。さあ、説話集のはじまりですよ。了いまでお付き合い下さいませ……?【Fin】#SS_11

2014-05-18 17:28:07

あとがき

上原 恵 @Uehara_Kei

ちなみに『天野澄華』ちゃんは別作品できちんと霊能者やってます。

2014-05-18 17:42:36
上原 恵 @Uehara_Kei

怪奇大好き、夏に近付くといつも「ああ、加筆修正してえ」と思うのです。

2014-05-18 17:46:22
上原 恵 @Uehara_Kei

というか、すーちゃん(※初期設定で祐輔が澄華をこう呼んでます)が語り手役をぶんどってますが、実は彼女も語り手役っぽくはないと思ってます(すぱーん)

2014-05-18 20:48:27
上原 恵 @Uehara_Kei

「ああっ、もう!勝手に言わせておけばいいや!」なタイプだと。で、実際にそうした結果あまりに事実とはかけ離れた噂が流れて冷や汗かくんだぜ(笑)

2014-05-18 20:51:07