まどかとほむらの,2度目の花畑での対話

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』の中盤,鹿目まどかと暁美ほむらが2度目に花畑で対話するシーン(Chapter 19)は,暁美ほむらが叛逆に至る切っ掛けを与えた,重要な場面です。この場面でほむらは何を見て何を感じ,そしてどう考えたのでしょうか。この場面の台詞と映像を逐一追いながら,ほむらを追体験してみましょう。 Magica Quartetのよる,TVアニメ,『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語』,同『[後編]永遠の物語』,同『[新編]叛逆の物語』を,解釈の足掛かりとします。
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篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

場面その4。「そう。もしそれが本当なら,今とは違う自分になろうだなんて,絶対に思わないことね。さもなければ,全てを失うことになる」とほむらに言われて,困惑するまどか。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:30:59
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

駆け巡った記憶は,ほむらの心にあるまどか観の分岐器(ポイント)を,切り替えました。そして,溢れんばかりに涙を流しながら「そう…。そうだったのね。」という言葉をほむらは零します。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:31:16
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

ほむらは,1周目でまどかに命を救われ,「いきなり秘密がバレちゃったね。クラスのみんなには,内緒だよっ!」という言葉を聞いた時から,まどかに憧れてきました。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:31:32
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

押し寄せた闇を振り払って進む,勇気ある人。弱くて何もできない自分を救ってくれた,優しい人。どんなに大きな壁があっても超えてみせる,カッコいい人。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:31:52
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「まどかは強い人だ」というほむらの知覚は,眼鏡を外してからも,リボンを結んでからも変わることなく続きます。そしてそれはやがてまどかに対して信仰にも近い崇敬の念を抱くことへと繋がっていきます。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:32:06
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

しかし,「目の前のまどか」が話す言葉と,「空中渡り廊下での記憶の中のまどか」が話した言葉とがリンクし,そしてほむらは気付いてしまったのです。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:32:20
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

まどかは「常に同じで不変」に,強いのではない,ということに。自分が介入し干渉することで,性質と価値観は変化し,強い人になったのだ,ということに。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:32:51
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「誰にも会えなくなるほど遠くに1人で行くこと」を厭うまどかの価値観を「そんなことなど厭わない」という価値観に作り変えてしまったのは,他ならぬ自分であったのだ,ということに。まどかを神様になるよう仕向けてしまったのは,他ならぬ自分であったのだ,ということに! #暁美ほむら

2014-09-11 00:33:01
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

だからほむらは引き続いて,花畑に両手を突き,天を仰ぎながら,心の中で独白するのです。 「それがあなたの,本当の気持ちなら…。私,なんてバカな間違いを…。やっぱり,認めちゃいけなかったんだ。あの時私は,どんな手を使ってでも,あなたを止めなきゃいけなかった。」 #暁美ほむら

2014-09-11 00:33:36
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

他ならぬ自分が,まどかをそう仕向けてしまったのですから! #暁美ほむら

2014-09-11 00:33:48
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

さて,実はここに至るまで,ほむらは「目の前のまどか」に関して,2つの可能性を考えていました。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:34:05
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

1つ目は,「目の前のまどか」はほむらが勝手に作り出した「幻(絵空事)」である,という可能性です。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:34:25
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(その「幻」の正体は,ほむらの頭の中にだけある空想かもしれませんし,ほむらがまどかだと強く思い込んだ実体のある何か(例えば人形)なのかもしれません。いずれにしても,作り出したのはほむらです。) #暁美ほむら

2014-09-11 00:34:36
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

2つ目は,「目の前のまどか」はほむら以外の誰かが用意した「偽物」である,という可能性です。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:34:48
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

しかし,これら2つの可能性はどちらも低い,とほむらは判断しました。その結果,最後に残った全く別の可能性が浮上したのです。それは,「目の前のまどか」は「幻」でもなく「偽物」でもなく,「本物のまどか」である,という可能性です。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:35:01
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

ここで言う「本物」とは「幻」の対義語であり,「偽物」の対義語であることに注意してください。まだ説明していませんが,後の台詞で,ほむらは「本物」という言葉を「幻」の対義語として,「偽物」の対義語として使っています。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:35:12
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

ではどうやってほむらは,ほむらが勝手に作り出した「幻」である可能性も,ほむら以外の誰かが用意した「偽物」である可能性も,低いと判断することができたのでしょうか。順番に見てみましょう。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:36:06
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

まずはほむらが勝手に作り出した「幻」の可能性です。これに関しては次のように推論できます。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:36:18
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

もし「目の前のまどか」がほむらが勝手に作り出した「幻」であるのなら,「目の前のまどか」が話す内容はほむらが知覚している事柄だけだ。つまり,「目の前のまどか」がほむらが知覚していないことを話すのなら,「目の前のまどか」はほむらが勝手に作り出した「幻」ではない。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:36:31
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

先に述べましたように,ほむらは今までずっと「まどかは強い人だ」と知覚してきました。もし「目の前のまどか」がほむらが勝手に作り出した「幻」であるのなら,「目の前のまどか」が話す内容は次のようなものになるでしょう。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:36:48
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「私ができることを頑張れば,それだけ大勢の人が助かるわけだし。やりがいはあるよね」 (参考:「魔女をやっつければ,それだけ大勢の人が助かるわけだし。やりがいはあるよね」(TVアニメ第10話,『[後編]永遠の物語』より)) #暁美ほむら

2014-09-11 00:37:16
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

しかし「目の前のまどか」が話す内容は,「誰にも会えなくなるほど遠くに1人で行くこと」は「我慢できないこと」で「泣いちゃうようなつらいこと」で,「誰とだってお別れなんてしたくない」というものでした。これは「まどかは強い人だ」というほむらの知覚から掛け離れたものです。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:37:36
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

さらに,ほむらの知覚から掛け離れたこの内容を話したのは,「目の前のまどか」だけではありません。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:37:55
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「空中渡り廊下での記憶の中のまどか」も実際に「大切…だよ。家族も,友達のみんなも。大好きで,とっても大事な人達だよ」と話し,「本当だよ。嘘なわけないよ」と話しています。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:38:10
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「目の前のまどか」が話す言葉と,「空中渡り廊下での記憶の中のまどか」が話した言葉とがリンクしたことによって,「目の前のまどか」が話す言葉は,「本物のまどか」を正確に反映したものである,という裏付けが取れたのです。 #暁美ほむら

2014-09-11 00:38:20