ホイッスラー展感想まとめツイート

長谷川紗花菜さん @Hasegawa_Sakana によるホイッスラー展@京都国立近代美術館(横浜美術館へ巡回予定)観覧感想ツイートをまとめました。 -------- ホイッスラー展 ジャポニスムの巨匠、ついに日本へ http://www.jm-whistler.jp/ ホイッスラー展 | 京都国立近代美術館 続きを読む
1
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

17日にホイッスラー展@京都国立近代美術館 に行ってきました。横浜美術館の巡回は12月からということで先行ペアチケットも買っているのですが、待ちきれなくて休暇を取って京都へ。

2014-09-19 21:33:56
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

感想というほどでもない思ったことを書いてみてはいるんですが、まあ取り留めもないものですし私は研究者でもなんでもない(免罪符)ので、そのあたりご容赦いただければな、と。

2014-09-19 21:35:53
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

出品作品をみると、ホイッスラーの画業において重要な作品は充分に出ていて、たとえば《白のシンフォニーNo.3》とか《ノクターン:青と金色 オールド・バタシー・ブリッジ》などはホイッスラーを考える上で記念碑的な作品であると思いますし、それが日本で見れることは素晴らしいことです。

2014-09-19 21:40:28
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

また、油彩、水彩、版画等の作品だけでなく、映像でしたがピーコック・ルームという室内装飾の例も提示されていて、幅広いホイッスラーの作例とその魅力を伝えてられていたと思います。

2014-09-19 21:45:45
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

先日ツイートしましたが、この展覧会を肖像、風景、日本の3部に分けることは適当なのか?と感じました。前2つは「ジャンル」であるのに対し、日本は「影響」です。ホイッスラーをめぐる複雑な影響関係があるなか、果たして「日本」を独立した章立てする意味とは何なのでしょうか

2014-09-19 21:48:33
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

監修がジャポニスム研究を中心にされている小野文子先生ということもあり、日本の影響への言及に比重が置かれているという側面もあるんじゃないかなぁ、とも思ってしまったりはします。もちろん幅広い見識を持っておられる方だということは十分認識していますが。。。

2014-09-19 21:53:39
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

美の物語は、パルテノンの大理石が刻まれ、北斎が、扇の富士山の麓に鳥の刺繍をした時にすでに完成している」というホイッスラーの言葉は、彼の日本への高い評価を表したものとしてしばしば引用されていますが、それと同時に彼のギリシャの美に対する評価であることを見逃してはいけないと思います。

2014-09-19 21:55:06
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

「ジャポニスム」という章の中でも、日本と同等にギリシャの影響(往々にしてアルバート・ムーアを経由してのものですが)を受けた作品があり(カタログではもちろん触れられていますが)、そういった点が伝わらないんじゃないかな、という印象を受けました。

2014-09-19 21:59:32
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

「ジャポニスムの巨匠」と銘打たれた本展覧会のキャッチコピーについてもそうですが、ホイッスラーの「ジャポニスム」はあくまで彼の一つの側面としてとらえた方が(彼を理解する上で)適切なんじゃないのかな、と思っています。

2014-09-19 22:02:02
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

まあ、そんなのは置いといて、作品の見どころとしては、ホイッスラーの白眉はやはりエッチングにあると思っていて、版画美術館でも英国の唯美主義展でも見たんですが、エッチングは技術も表現力も素晴らしく、もちろん実際に見ていただければその意味も分かってもらえると思います。。

2014-09-19 22:05:02
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

F.スポールディングはホイッスラーのエッチングの軽妙なタッチと余白の残し方を「印象派的描法」と呼んでいますが、初期の画面に緻密に書き込みをいていく作品も、後期の余白を残しつつ印象派的に描いた作品も、どちらもこの展覧会で見ることができますし、素晴らしい作品群です。

2014-09-19 22:12:02
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

あと、前々から思ってて展覧会見て久々に思い出したんですが、ホイッスラーが裸婦を描くとき、顔をはっきり描かないのって結構重要だと思っていて、《ヴィーナス》みたいな例外ももちろんあって、裸婦の習作だからじゃないの?といわれてしまうとそうかもとしか言えないんですが。

2014-09-19 22:15:34
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

パーソナリティを排除して、形態を重視するような裸婦像を描いているところに、ホイッスラーが色彩とか構図とはまた別に、肖像画の中で見出そうと、描こうとした人体の「美」の在り方が表れているような気がします。

2014-09-19 22:17:59
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

展覧会の売店で谷田博幸先生の『唯美主義とジャパニズム』が売っていて、何度も書いてるんですがこの本は19世紀後半のイギリス美術に関して最も優れた本だと思います、唯美主義に興味がある人にはぜひ読んでいただきたいですし、若干高めですがその価値はあると思います。

2014-09-19 22:29:19
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

「なぜ今ホイッスラーなの?」的な疑問はやっぱりあって、まあ今年は唯美主義展あってジャポニスム展あってそこにホイッスラー展あるのは当然でしょ?って言われればそれもそうかって感じで、ただもう2年くらい早くやってくれれば…とも思ったりはしました。

2014-09-19 22:31:37
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

裁判起こしたり、昔からの仲間と喧嘩別れをしたり、性格は好戦的で、トラブルも多い人なんですが、作品を見ると、どれも静かで、穏やかな印象で、そういうギャップもホイッスラーの魅力だと思います。作品を通して、モティーフに対する真摯な姿勢が見えてくるのではないでしょうか。

2014-09-19 22:37:46
長谷川紗花菜 @Hasegawa_Sakana

なんだかんだ言っても、一人でも多くの方にホイッスラーを知って、見て、考えて、好きになっていただければ望外の喜びです。実際の作品を目の前にして、19世紀のイギリスの景色やファッションであったり、また美術史的な要素であったり、そういった様々な点を見て、感じて頂けたら、と思っています、

2014-09-19 22:47:35